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やって気づいた、お手製の不便さ…
開始早々、朝の時合でしょうか? 幸先よく2人の仕掛には投入直後から「ツンツンッ」と魚からの反応がありました。「おっ! アタリましたよ!!」お互いにその反応を報告しながら、本アタリを待ちます。しかしながら、エサへの反応はよく期待したものの、「ツンツンッ」ばかりで一向に食い込みません…。仕掛を上げ確認すると、しっかりエサは取られています。エサを付け替えては投入し、またアタリ、エサが取られ、仕掛を確認する……そんな作業の繰り返しが続きました。
そして2人で気づいたことは、「安全ピンにアオイソメはエサ持ちが悪すぎる!!」ということ。ヌルヌルとしたアオイソメは魚につつかれて、あっという間にハリから外れて持って行かれるのです。これは「通し刺し」でも「縫い刺し」でも変わりませんでした…。しかし、そんなエサ取り合戦を繰り返すうちに、実はエサ持ちの悪さの本当の理由は『ハリにカエシがない』ことの方が重要であるとも気づかされたのです。
普段使用する釣りバリは、安全ピン同様に金属で刺さりやすく表面はスベスベしています。ハリの形状やフトコロの深さ(ゲイプ)でエサ持ちが違ったりはしますが、安全ピン釣りバリほど激しくエサを取られまくることはありません。ハリ先に「カエシ」があるだけで、こんなにもエサ持ちが変わるとは思いもしませんでした。
そのあともエサをサバの切り身に替えると、多少エサ持ちがよくなったりもしましたが、なかなか食い込むまでに至りませんでした。相変わらず「ツンツンッ」アタリは出ますし、エサは多少残って帰ってくるのです。「なんでかな~???」2人でああだこうだと話をしながら、歩いてねらう場所を変えてはみたものの、結果は変わらず…。
そして出した結論は、「ハリサイズが決定的に合っていない!!」という答え。安全ピン釣りバリのサイズに対して魚(もしくは魚の口)が小さいということです。この日用意した安全ピンは0号という小さなもの。それでも釣り公園の足下にいる魚の口には大きかったのだと思われます。私の爪楊枝釣りバリに至っては論外。およそ5cmもある爪楊枝は飲み込めなかったのでしょう。ハリサイズの重要さにも気付かされました。
奇跡の1尾にバンザイ!
エサの付け方を変え、お手製バリを加工し、現場でアレコレ試しているうちに徐々に日が高くなってきました。予想通りジリジリと暑さが増していきます。と同時に、魚の食いも朝イチよりも落ちてきたようです。
結果を出せずに焦りつつ、それでも私はしつこく2つの仕掛を投げ分けてねらっていたのですが、イノォさんは更なる工夫を凝らしていました。先ほどよりもアタリがダイレクトに出るように枝の長さを短く、そして、安全ピンの不要なところを切り落とさずバネの部分を利用してエサを挟み込むといった作戦。サバの切り身の皮部分を縫い刺しにし、さらにエサ持ちをよくするといった具合です。
釣り座にて置き竿(ペットボトルを寝かせて待つ)で釣っていた私に対して、ちょっとずつ歩きながら移動していたイノォさん。そんなイノォさんを何となく遠めに眺めていたところ、釣り糸を持ったイノォさんの腕が大きく上がりました! 「釣れました~~!!」遠くからこちらに叫ぶ声を聞き、「マヂでっ?」と聞き返しながら駆け寄る私……。嬉しそうに引き上げる手にはカワイらしいカサゴがぶら下がっていました~!!! (釣れるとは思っていませんでした(失礼))
釣りたいときに釣れないカサゴ…ですが、取材のときに助けてくれるのもカサゴです。今回は本当に釣れてくれて嬉しいカサゴちゃんでした。感謝!!
釣りバリの重要性を再確認
なりふり構わず挑んだ今回の「0円フィッシング」企画。「オモリも釣りエサも使って、どこが一体0円よ??」と怒られてしまいそうですが、改めていろいろと気づかされた貴重な取材となりました。結局のところ「魚を釣る=魚の口に掛ける」ことが重要な釣りにおいて、釣りバリはとくに大切だということ。これに尽きます。
カエシがないとエサ持ちが悪いだけでなく、魚が掛かったあとも口から外れやすい。そして、ハリサイズが合わないと食い込むに至らない。できるだけ0円でトライするにしても、ねらう魚にあった形状・サイズの釣りバリだけでも必要かもしれません。
さらに究極を言えば(当企画に対して元も子もないでしょうが…)、適切なハリがセットされ、既に釣りやすい仕様に仕上げてくれている市販仕掛が一番楽チンかもしれませんね(笑)。0円フィッシングを通して、そんな再確認ができた今回のチャレンジとなりました。
といったワケで今回のチャレンジは終了。
また面白い0円での挑戦を思いついたら、改めてトライしたいと思います!