NEW PRODUCT TALK 反射で寄せる!ジギングサビキ
小型回遊魚用 フラッシュアピール 3本鈎2セット

今や定番の釣りと化したジギングサビキ。メタルジグのリーダー部分をジギングサビキの仕掛にすることで、ジグを食いきらない、今まで獲れなかった魚を手にすることができるのが魅力。ハヤブサが提唱してきたこの釣りが花開いた形だが、まだまだ進化は止まらないようだ。

今回はハヤブサのジギングサビキ期待のニューカラーをご紹介しよう。

メタルジグと同調する!?
フラッシュアピールのねらいとは

ジギングサビキ 小型回遊魚用 フラッシュアピール 3本鈎2セット
ジギングサビキ 小型回遊魚用 フラッシュアピール 3本鈎2セット

ではまず、なぜカラーバリエーションが必要かという話だが、自然の中で釣りをする以上状況は刻々と変わる。明け方はまだ暗く、日が上がるにつれ光量は増して夕方に掛けて暗くなる。晴れて明るい日もあれば日中でも暗い雨の日もある。
光量によって擬餌の色の見え方が変わるので、状況によって魚から発見されにくかったり、見えやすかったり、逆に見え過ぎて違和感を与えてしまい食わなくなったりすることがある。光量はカラーローテーションするひとつの基準なのだ。

例えば、ローライトの時間帯は派手な色で魚に気付かせる。明るい時間帯はナチュラルな色で違和感を与えないようにしたり、逆に光を反射させて強くアピールする。このように、そのタイミング毎にルアーや仕掛の色を変えていくことで、より釣果を伸ばすことができる。
つまり、ジギングサビキにしても同様で、擬餌の色は魚を釣るための重要な要素といえるのだ。

ということで、今回の新色の秘密を商品開発課・市橋氏に聞いてみた。

「ジギングサビキ 小型回遊魚用」の次の一手

パッケージ手持ち

まず最初に、今回の商品ジギングサビキ 小型回遊魚用 フラッシュアピール 3本鈎2セットがどういう位置づけの商品なのか聞いてみた。

ジギングサビキ 小型回遊魚用
こちらが元祖ジギングサビキの「ジギングサビキ 小型回遊魚用」

「まず、ジギングサビキ 小型回遊魚用(品番:SS470)という定番の商品がありまして、それも今回の商品と同様に3本バリ2セットとなっています。船・キャスティング兼用にはなっているんですが、どちらかというとオフショア用で、長めの竿ならキャスティングもできるというニュアンスです。
それにはナチュラルなカラーの擬餌がセットされているんですが、擬餌を反射の強いものにしたのが今回の『フラッシュアピール』というわけです」

つまり、「ジギングサビキ 小型回遊魚用(品番:SS470)」の追加カラーが、今回の「ジギングサビキ 小型回遊魚用 フラッシュアピール 3本鈎2セット(品番:SS477)」ということになる。

では、その擬餌にはどんな特長があるのだろうか?

「そうですね。使っているハリはチヌ胴打ちというハリで、胴打ちの平らな部分にホログラムが貼ってあります。ハリの部分のきらめきで魚を寄せるというのがひとつです。そしてマテリアル(巻いてある素材)ですが、オーロラ糸ホログラムのブライトンが巻いてあり、水中で光を受けると反射して凄く存在感があるんです。
3本バリのこの仕掛は、夜光の留(トメ)がついたゴールド寄りの擬餌が2つと、赤の留がついたシルバー寄りの擬餌1つの組み合わせとなっています」

疑似餌部分アップ

なるほど、金色と銀色の金属的な反射とホログラムの虹色のような反射という、とにかく光を受けて存在感を放つ擬餌がセットされているという。これなら、日中の明るいときや水がクリアなときに抜群のアピールをしてくれるに違いない。
それで納得しそうになったのだが、さらに市橋さんは続ける。

「さらに、この下にメタルジグがセットされるわけですが、メタルジグも光を反射してアピールします。仕掛の擬餌に使用している、ブライトンのオーロラシートと同様のものがメタルジグの表面に貼ってあるわけで、メタルジグと合わせて擬餌もキラキラ光ると、その存在感はまるで魚の群れを演出しているかのようです」

メタルジグと反射を同調させ全体でアピールする。
普通のサビキ釣りがマキエで寄せて、マキエに見せかけた擬餌を食わせるのと同様、メタルジグに寄せられた魚は同調した反射光を放つ擬餌に違和感なく食いつくだろう。より釣果を伸ばすための次の一手がこの商品なのだ。

フラッシュアピールを使うタイミングとは?

魚持ち写真

とにかく、今までのものより反射によるアピールを強めたのが今回の擬餌ということだが、従来品の「ジギングサビキ 小型回遊魚用」との使い分けはどうなのだろう。どのタイミングで「ジギングサビキ 小型回遊魚用 フラッシュアピール 3本鈎2セット」を使うのか? 続けて市橋さんに聞いてみた。

「確かにアピールを強くしている分ナチュラルに見せるコンセプトではないので、これが有効なタイミングとそうでないタイミングがあります。
使うタイミングとしては、例えば従来品を先に使って、よく釣れる状況というか活性が高そうだなと思ったときに投入すれば、さらに魚を寄せて釣果アップをねらうことができます。逆に、どうしようもなく活性が低い場合、状況を大きく変えたいとき、遠い魚に気付かせたいときなどに、試してみるのも手です」

市橋さんがいうには、時間帯や水色によってこれだと決めつけずに両方試すのがよいということ。もちろん先にフラッシュアピールから試すのもありで、活性が低ければナチュラルな従来品にチェンジして反応を見るのもいいだろう。
難しく考えず、数種類の仕掛を試してより釣れるものを選べばいいのである。

ジギングサビキのパイオニア
先駆者の苦悩とサビキメーカーだからできたこと

船上のタックル

では続いて、開発で苦労した点やこの商品に対する思い入れがあるか、さらに話を伺った。

「そうですね。最近ショアジギングを始め、ハヤブサが提唱してきたジギングサビキの認知度が上がってると思うんです。ユーザーさんの見る目は肥え要求が高くなり、他社さんも出してきているなかで、どうやってユーザーさんの声に応えていくか。つまらない商品は出せないというプレッシャーや責任感に迫られながら開発する苦労はありますね」と市橋さん。

確かに、店頭ではいろんなメーカーが同様の商品を出している。そのなかでハヤブサの看板を背負っての開発は重圧があることだろう。

「ウチが切り開いてきたジャンルだという自負があるんで、その自負とプレッシャーがあってこそ、いい物ができたという満足感もありますよ」と市橋さんは言う。

だが、仕掛そのものは単純で他との差別化が難しいタイプの商品といえる。果たして他社商品に負けない部分とはどんなところなのだろうか。

魚皮貫通掛け

「例えば、擬餌にはオーロラのサバ皮がついているんですが魚皮貫通掛けという結び方をしています。
魚皮は普通ハリの外に巻くんですが、魚皮貫通掛けはハリが皮を貫いて固定してある。実は通常の巻き方だと、意外にハリと魚皮が同調せず、皮が外でヒラヒラしてハリと一体になっていないことが多いんです。ハリを魚皮に刺してしまうことで魚皮の中にハリが収まり一体感がでます。さらにハリの胴打ち部分に貼ったホログラムも魚皮や他のマテリアルに隠れずに露出しますので、しっかりアピールできるうえ、魚皮に魚が食いついたときちゃんと皮の中にハリがある。
こういうところに、サビキメーカーとしてハヤブサの培った技術が遺憾なく発揮できているのではないかと感じています。ちなみにこれ、他の仕掛でも長く採用している製法なんですが、胴打ちバリのメリットを最大限に生かせるんです」と市橋さんは語ってくれた。

なるほど、こういった細かいところの工夫と技術が、長くサビキ仕掛を作ってきたハヤブサたるところと言えよう。

 
 

釣果

では、市橋さんにこの商品について締めくくっていただこう。

「アピールの強さが違う仕掛として、攻めの一手として、今までのラインナップに加えていただきたい。何より魚をよせるパワーがあります!」

確かにサビキ釣りでカラーをローテーションして使うという概念はあまりなかった。もともとルアー的な考え方だが、ジギングサビキをより面白いものにしてくれそうだ。
さらに市橋さんは、こうも付け加えてくれた。

「とは言っても、ジギングサビキはマキエを使ったサビキ釣りと違い、擬餌を食わせることをメインにしていないんです。『本当はジグで釣りたい。だけど運よくサビキにも食ってくれたらいいな…』っていう発想から生まれた仕掛。つまり主役ではなく、あくまで脇役なんですね。もちろん開発に手を抜いていないんで、脇役なんですが釣れちゃう。おススメです!」

確かにその通り、本来主役はメタルジグなのだ。ジギングサビキはより釣るためのオプションということになる。だがドラマも主役を引き立てる脇役がいないと成り立たない。
この商品、あなたの釣りの最高の名脇役になってくれることだろう。