キスといえば天ぷら! 天ぷらといえばキス! 釣り上げたキスを持ち帰って冷房の効いた部屋で食べるのもよいけれど、その場で揚げちゃえばもっと美味しいに違いない! ということでチョイ投げタックルと天ぷら鍋を車に積み込んで真夏の日本海、青い海へGO!
キスをねらって丹後半島は竹野(たかの)漁港へ
快晴ベタナギ、風も心地よい!
7月某日午前4時、ハヤブサ本社に集合したHEATスタッフは舞鶴若狭道を北上。綾部ジャンクションからは京都縦貫道、綾部宮津道、宮津与謝道、山陰近畿自動車道と名称を変えながら京丹後大宮まで伸びたハイウェイをひた走る。ここまで約1時間半の距離だ。さらに国道482号を北上、目的地である丹後半島は竹野漁港まで約30分。本当に近くなったものだ。ちなみに丹後・竹野は「たけの」ではなく「たかの」と読む。途中、エサ店でイシゴカイとアオイソメ、コンビニで飲料などを購入した関係で、釣りを開始したのは午前7時頃である。
漁港と海水浴場の間にある防波堤の先端に陣取って釣り開始。右手に犬ケ岬を望む真夏の日本海は晴れ渡り見事なまでのベタナギ。丹後の山々から吹き下ろす南風が実に心地よい。ベタベタと肌にまとわりつくような不快感が一切ないのだ。
日中、キスは港内の深みやミオ筋に潜んでいる!
小エサで底を引きながらアタリを取る
ねらうのは港内の深み、沖側にある防波堤との間のミオ筋、海水浴場沖に続くブレイクライン。夜明けごろなら波打ち際にまで接岸しているキスも日が高くなるにつれ沖へと出て行ってしまう。本格的な投げ釣りならサーフから100m、200mという遠投でねらうことが可能だが、今回はルアータックルなどを使ったチョイ投げというわけで、少しでも日中にキスが潜んでいる深みに近い防波堤先端などがポイントになるのだ。
2本バリ仕掛にイシゴカイ、アオイソメを通し刺し。タラシはハリ先から5mmほどと短くてよい。1匹まるごとハリに刺し長く垂らしてもエサ取りに食われてしまうだけ。高水温の時期なのでハリにちょこっとエサが付いているだけで充分食ってくる。
深みに向けて仕掛を投げ込んで底に付いたら、すかさず糸フケを取りリールを巻き続けるか竿先で聞くように引いては糸を巻き取る方法で、海底の仕掛をゆっくり引く。いわゆる「キスの引き釣り」と呼ばれる日中に数を釣るテクニックだ。
アタリは竿先にプルプル、グリグリっと明確に出る。ここで慌ててアワセを入れてはいけない。そのままのスピードで仕掛を引き続けキスをフッキングさせるのだ。うまくいけば2本のハリに2尾のキスという幸運にも巡り会える。
竹野漁港では一投目から幸先よくアタリが出る。うん、いい感じ! しかし上がってきたのは5cmほどのチャリコ(マダイの幼魚)だ。「うわ~、コイツに手を焼きそう」と思ったのもつかの間、直後にキスがヒットした。12、13cmの小型だが、うれしいファーストフィッシュ。その後もエサ取りのチャリコは掛かってくるものの、本命キスは順調にヒット。大きいもので15、16cmだが数は3時間ほどの釣りで10尾を超えた。ほかガッチョ(関東でいうメゴチ)やキュウセンなども釣果に加わった。お腹が空いたぞ!
さあ、天ぷらパーティー!
キスもガッチョもキュウセンも野菜も抜群!
食材が確保できたので浜の横に張ったタープの日陰で調理開始! とはいってもウロコを落として頭とハラワタを取るだけだ。サイズがよいキスは背開きにする。ピンギスやガッチョ、キュウセンは開かずそのまま。まずはナスやピーマンなど野菜から。水で溶いた天ぷら粉を付けて熱した油にダイブ! 続いて新鮮な魚たちを次々に揚げていく。う~ん、いい感じ!
さあ、いただきま~す! 軽く塩を振ってパクっ! おお、美味い! 釣りたてのキスは抜群! ガッチョの身は味が濃い! キュウセンもほくほくした身がたまらない。野菜は塩もいいけど天つゆもイイネ! 景観のよさもナイスなスパイスですな! ノンアルコールビール持ってくればよかったなあ……と、あっという間に平らげて「チョイ投げ&天ぷらパーティーin丹後半島」は無事お開きに。
さあ、最後のお仕事。使った油は「固めるテンプル」など油凝固剤などで処理し、新聞紙に包むなどして自宅に持ち帰って捨てること。決して釣り場周辺に撒いたり流したり埋めたりしないこと。食器類も海や川で洗うのはもってのほか。ゴミも釣り場に残さない! これら最低限のルールとマナーを守って「釣ったその場で即天ぷら」を、お試しあれ!