From HEAT the WEB DIRECTOR ハプニングは突然に –part.1-

昨年の出来事。いつもの様に船での取材を一通りこなし、船が港へ寄港する最中。スタッフやカメラマンと談笑をしつつ、身の回りの片づけをしていた。すると、「バンッ!!!」と大きな音がしたので頭を上げると、船縁のロッドホルダーに挿していたはずの私のタックルが、大きく宙を舞って流れ去る景色の後方に飛んで行ったのである。。。
一瞬唖然とし、気付いた船長が船の速度を落としてくれたのだが、今更探しても見つからないだろうと、その場で諦め港へと向かって頂いた。タックルを挿していたロッドホルダーを確認すると、そこには、無残にも折れたグリップが残されており、ロッドが老朽化していたのか、見事にバットから折れて飛んでいった跡だった。。。
釣り人の皆さんなら、多かれ少なかれこの様なハプニングに出会った事があるのではないだろうか。私は幸いこれまで、特別高級なタックルを持ったことが無い上、あまり酷い目には遭った事が無いのだが、周りでは時折、嬉しい出来事も悲しい出来事も含めて、ハプニングに遭遇する話を耳にする。
それではと言うことで、我がハヤブサ社員の面々に協力してもらい、ハプニングについて調査をしてみたところ、やはり皆さん持ってました。今回は、その調査結果をご紹介いたします。

シチュエーション
要因

社員の中で、普段から良く釣りに出かけている「開発」と「営業」の面々22名に協力してもらい(この場を借りて御礼申し上げます)、その結果、70件のエピソードが集まった。まずはそれらエビソードが一体どの様なものか、私の独断による分類で割合を出してみた。
まず、ハプニングの起こった場所等「シチュエーション」についてだが、アンケートの問いが「釣りに関して」と制限していることから、ほぼ予想通り水辺でのハプニングが多かった。1位は41%を占める「船または船の上」、2位は38%を占める「堤防・陸」。中には「道中・車中」「家」等もあるが、これは想像の範疇。

状況

次に、そのハプニングが起こった「要因」であるが、1位57%を占める「人的(要因)」は、これまた予想通り。普段のハプニングもそうだが、何かしら活動をすればそれなりにリスクもついて来る。
諸活動においてリスクを恐れていてはレジャーもスポーツも、はたまた恋愛も、楽しい時間と満足を手に入れることは出来ない。その意味で、「ベネフィット(利益)」と「リスク(危険や障害)」は、当人に任されているという「フェア」な状態にあると言える。

その他の要因を見て気になる点は、2位21%を占める「動物」である。
改めて紹介させて頂くが、意外にも「動物」由来のエピソードが多く、予想外の出来事や、人の力ではどうしようもない出来事もあり、アンケート結果を見ていて非常に面白かった。「釣り」は「アウトドアスポーツ・レジャー」と言うことで、常々自然の驚異や偉大さに気付かされるが、我々は一歩外に出れば、自然の真っ只中に生きているのだということである。


さて、数字と結果だけを見ていてはつまらない。一番面白い(当事者の皆さんスミマセン・・・)のは、やはりハプニングが起こった時の「状況」だろう。1位をあえて分けているが、26%を占める「落水」は、私も経験したとおり、かなり多くの釣り人が経験しているようである。(「落水(そして救出)」20% 「落水(救出できず)」6%)しかし驚いたことに、タックルや身に着けているものが落水した際、かなりの確率で「救出」出来ていることが判明した。
バス釣りが得意な営業のAさんの話。ある日、メジャーレイク琵琶湖南湖をアルミボートで横断中、波を乗り越えた衝撃で1タックル10万円ほどのセットを4セット一気に飛ばし水没。。。早春のまだまだ肌寒い天気でありながら、一瞬の出来事に考える間もなく無意識に飛びつき、長年共にしてきた愛しきロッドと共に水中へ・・・。
その甲斐あって3本は無事に確保、救出したそうな。しかしその後、寒空に体を震わせながら、ズブ濡れのまま釣りをしたのは言うまでもない・・・。


営業の釣りキチBさんの話。船メバルに行った際、隣で釣りしている方のタックルが海に落水した。タックルはみるみる海中の肉眼では見えない所まで沈んで行く・・・。そこでBさんは、自分の仕掛を付近に這わせてみた。すると、見事ラインに仕掛の鈎が引っ掛かり奇跡的に釣り上げる事に成功。感謝されたのだった。
また、同じく営業のCさんの話。いつものように友人と船釣りに出かけた時にやってしまった。ウィリー五目用の竿+高級リール(○ル○ッタ)のセット(総額10万前後)をキーパーに掛けていたが、波の揺れで、キーパーの頭ごと海にサヨウナラ・・・。目が点になったそうな。しかしながら、一緒に行った友人に釣り上げてもらい無事に回収!! 「信じるものは救われる」と感じた出来事であった。

この様に、意外にも奇跡の救出劇が展開されることが多いのか、はたまた、たまたま運が良かった出来事を回答してくれたのかは分からないが、結果として「落水(救出)」が20%と多かった。驚きである。しかし、必ずしもその様にいつも運良くいくとは限らないのでご注意を。特に、人命に関わる落水も多いので、釣りの際は必ずライフジャケットを着用して下さい。1位の「落水」に次いで多い2位は、「予想外」の22%。「予想外」の腹痛で釣りを断念させられトイレに駆け込んだり、普段船に強い者が前日の深酒で「予想外」に船酔いしたり、自宅で寝ようと部屋の電気を消灯すると、大量に買ってきたグローカラーのルアーが光りだしてビックリしたり・・・と、様々。そして3位は恐ろしい「事故・怪我・災い・病」の16%。そして「自業自得」14%、「故障・破損」10%と続く。。。

釣りシーン

「備えあれば憂いなし」ということわざが有り、普段からの準備や危険回避ノウハウなど、誰しもが気をつけているだろう。しかし、細心の注意を払っても、それでも突然訪れるのがハプニングである。「しょうがない」と言ってしまえばそれまでだが、如何にトラブルの程度を軽く、後で笑える思い出としてネタに出来るかは、私も含め自然遊びをする釣り人の心構え一つかも知れない。
まだまだ話し足りない(珠玉の!?)エピソードは尽きないが、続きはまた次回に。

※本文は都合により脚色を交えております。ご了承下さい。