Secret of “SABIKI” サビキの秘密
サビキ、というリグについて、サビキ釣りをしたことがなくても、ほとんどの人が知っている…
いや、知ってるつもりになっている。サビキには多くの種類が存在し、擬餌だけでもかなりの種類が存在していることをご存知だっただろうか?
その種類の多さとバリエーションの豊かさに驚いた記者が、ハヤブサのサビキ開発を担当している田中氏にインタビュー。数回に分けて、サビキの世界を探求してみたいと思う。
HEAT:はじめまして。サビキ、といえば防波堤でのアジなどを釣る仕掛だ、とは分かるんですが。
担当 田中さん(以下田中):さて、どこからお話すればよろしいですかね。
HEAT:まずはやっぱり、擬餌の種類が知りたいです。
田中:魚皮で言えば、サバ皮とかハゲ(カワハギ)皮、ナマズ皮、ハモ皮、サメ腸などがあります。
HEAT:ハゲ皮というと?
田中:カワハギの皮で特殊な処理を行っています。そのまま使用することが多いのですが、着色したり、ピカピカと光るようにオーロラ加工をしたり、鱗調にラメを加えたり…。 また、カットする形状も様々です。
HEAT:自然由来の魚皮以外に人工のものもありますよね?
田中:主に合成ゴム製の、スキンと呼んでいるものが主流で、色、薄さ、そしてハリへの巻き方、そしてどれぐらいの長さにするかなど… それに加えて、オーロラ糸やブライトン、フラッシャーと呼ばれるキラキラと光る糸、また、ウーリーやフェザーと言った素材もあります。その他、鈎結びの上に施す留も色々な色がとありまして、使用するマテリアルだけで結構な数がありますね。
HEAT:この小さなハリに巻かれているものだけで、結構な種類のパーツが絡んでくるんですね。
田中:組み合わせ方も様々ですから、膨大な擬餌になります。
HEAT:そんなに種類があるんですね。そんなに必要なんですか?
田中:いつでもどこでも、どの様な状況でも一番釣れるサビキがあれば1種類でも良いのかも知れません。ですが、状況によりその日の当たりサビキは変化しますので、多くの種類が必要になってきます。あとは日本全国、地域ごとに実績の高い色や形、組み合わせがありまして… そこから派生して、これだけの数になっているというわけです。当然、釣り人の好みなどもあります。
HEAT:一体、どれぐらいの種類があるんでしょう?
田中:小アジ用の堤防サビキに限っても、30種類以上ありますね。
HEAT:そんなに!?
田中:さらに弊社のカタログに載っていない特注品もありますから…
HEAT:カタログに載っているものだけでも数えるのが困難なほどなのに、特注サビキも存在するんですね。
田中:そうです、そうです。エライことになってます(笑)
HEAT:サバ皮、ハゲ皮、それにナマズ皮と… 魚の皮などを使った擬餌がありますけど、この皮によっての特徴はあるのですか?
田中:たとえば、サバ皮はやわらかくて透明感もあり、とてもナチュラル。なめらかな動きをしますね。その反対にナマズ皮は非常に強くて丈夫なんです。ハゲ皮はしなやか且つ丈夫で、これらの中間的と言えます。
(第二回につづく)
サバ皮:しなやかで、ナチュラルな動き。透明感があり、実績の高い魚皮。
シャミ皮:耐久性があり、長く集魚効果を持続する。
ハモ皮:マクロ撮影するとその紋様がはっきり分かる。淡い光りを放つ。
サメ腸:独特の透明感とキラメキで、水中で生命感を発揮。
ナマズ皮:硬く丈夫な皮で、動きもメリハリがある。
※クリックすると拡大画像が表示されます。