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人間は道具を使う生き物だ。それは仕事であれ趣味であれ、道具を使うことで効率がよくなったり、生活が豊かになったりする。つまり、道具とは本来の目的を達成するための「手段」であったり「手助け」であったりする。
ただ、『釣り』という趣味に関しては、その辺のところが「道具=手段・手助け」と言い切れるかどうかといえば、少なくとも私に関しては怪しいところがある…。というのも、分かってくれる読者の方々もいる前提で話を進めると、魚を釣る以前に
「この道具を使いたい!」
という感情を抱いている釣り人が、少なからず(もしかしたら、けっこう多い?)いるだろう……ということ。
今回は、そんな「本来の目的よりも優先されつつある道具の話」をしたいと思う。
海外釣行の相棒はモバイルロッド!
いつしか「ロッドを使いたいから海外釣行へ」に…
現在、私はタイランドや台湾の釣り堀に執心中である。それらの釣り堀は大まかに説明すれば、広大な池が幾つもあり、そこに養殖されたバラマンディやグルーパー、チャドー(ライギョの一種)などが放流されていて、ルアーで釣ることができる。そしてピンキリあるが、それなりのおカネ(~2万円/6時間)を払えば爆釣が味わえるという、私みたいな技術が伴わない釣り人にとっては夢のような釣り場なのだ。


そして道具の話なのだが、当然、海外に釣り道具を持って行くので、ロッドはコンパクトに収納できる「モバイルロッド」と呼ばれる類のものを使用している。これまでも過去に何度か紹介してきたが、どうもエスカレートしてしまったのか…いつからか「この道具を使いたい=モバイルロッドで楽しめる釣りを楽しみたい」ということが最優先になってしまったような気がする…。
今回紹介するシマノの「ホリデーパック」も、そんなロッドの1本であり、「どの釣り堀にも必ず持って行くスーパーサブ」的な役割である。
※過去の私の記事はこちらを参照ください
https://heat-hayabusa.com/reporter/kuduchan/
“万能竿”は本当に使える?
ホリデーパック購入までの経緯
シマノの「ホリデーパック」は、公式サイトによると「汎用船竿」に分類される振出竿で、カテゴリーの分類からすると私が楽しんでいる「釣り堀でのルアーフィッシング」からは相当“遠い”ジャンルだ。なので釣り堀のロッド探しにおいても、正直なところ全く気にもしていなかった。
しかし、YouTubeでたまたま見つけた「ホリデーパックをエクスプライドにする方法 How to make telescopic bait casting rod(「Telescopic Rod Craft」チャンネル)」という動画を見てしまい、釣具屋に行っては試しに伸ばしてみたり、振ってみたりを何度か繰り返すうちに……意を決して購入。

というのも、動画内では投稿主のタツル氏によると「ジョイクロも投げられる」とか、「海外の怪魚とも渡り合える」という、まさに私が求めていたことを指摘していたからであった。
ただ、いくらシマノ製とはいえ1万円にも満たない、いわゆる「万能竿」の部類に入る商品にそんなことができるのだろうか…。正直なところ最初は相当疑わしかったが(タツル氏…すみませぬ)、前述のように何度か釣具屋に通った挙句、購入した次第だ。
シンプル設計ゆえの個性と弱点
チョコッとカスタムで使い勝手を底上げ
ではその「ホリデーパック」について、サラッとだが特徴を説明していこう。
当シリーズは全部で12種類あり、長さは180cm、210cm、240cm、270cmの4種類、錘負荷が10号、20号、30号の3種類ある。コストカットのためか、余計な装飾はほぼないに等しく、とてもシンプルな仕上がりだ。

ブランクスのカーボン含有率は28.7~37.6%と低く、ティップに至ってはグラス製のソリッド仕様となる。それだけに小さなアタリを感じ取れるほどの感度はないと思われるが、投げて巻くスタイルでドッカンバイトの怪魚をねらう釣り堀ならば、まったく問題はない。


ガイドは富士工業製の振出竿用のもので、ステンレスフレームに(恐らく)Oリングを装備。「PEラインを使ったら削れちゃうんじゃない!?」と過敏に反応しちゃいそうな人もいそうだが、私のような素人レベルの釣行回数くらいならばかんたんに削れないので大丈夫でしょう…。


そして、個人的にこのロッドの最も「?」な部分がリールシート&グリップである。
フォアグリップはなく、アルミ製のワインディングチェックが装着されているのはスッキリしてよいと思う。しかし、問題なのは「グリップの長さ」だ。本来の目的である船竿として使うのはもちろん、キャスティングロッドとして使うのにもグリップが短すぎるのである。これはどういう理由でこの長さになったのだろうか…何か理由があるとは思うが(誰か知っている人がいたら、教えてプリーズ)。


想定していた以上にグリップが短いために、グリップを延長するカスタムを施そうかとも考えたが…先述のタツル氏のような技術ナシ、気力もナシなので断念。その代わりに富士工業製のソフトバットキャップを取り付けることで、ホンのわずかだがバランサー的な役割を果たし、キャストの際も手を添えやすくなったので、まあヨシとする。

30号負荷のモデルでもビッグベイトは問題なくキャストできる!
そんな、ルアーロッドとして考えるには「?」なスペックを持つ「ホリデーパック」だが、実際に釣り堀ではそれなりの釣果を上げている。
私が所有しているのは「30-180T」という品番の、30号負荷で全長180cmのモデル。当初は前述のタツル氏も所有している「負荷40号」というモデルを想定していたのだが、私が購入した数年前には、もう30号までのラインナップしか存在していなかったため、致し方なく購入。それでも十分にパワーはあり、おおよそ60cm/3.5kgほどのバラマンディならば、何の問題もなくファイトを楽しめた。


ただ、私の頭の中では「負荷40号だからジョイクロ=ビッグベイトも投げられる」という、ある種の固定概念(?)があったため、私が所有している30号負荷のモデルではビッグベイトの類を使うことはなかった。
しかしながら、ジョイクロ178(2ozクラス=55g前後)よりも軽く、金銭的な負担も軽い(コレ重要!)「ダイソービッグベイト」を手に入れた今、ようやく試投してみようかという気になったので、近所の水辺に行って投げられるだけのパワーがあるのかを実証してみた。
参考:いろんな意味で釣り業界を揺るがしている!? 「ダイソー・ビッグベイト」を開封レビューしてみた
スピニングタックル仕様で投げる
通常はスピニングタックルとして使っているので、まずはいつもの組み合わせにダイソーのビッグベイト。ちょっとアンバランスな組み合わせだが、あくまでも主たる目的はロッドのパワーを知るということなので。

まずはルアーを付けた状態でロッドを水平に構え、ティップにどれくらいの負荷がかかっているのかを確認。ダイソーのビッグベイトは約40gの重さだが…おや、思ったよりティップが曲がっていない。30号負荷のグラスソリッドともなると、思っている以上にパワーがあるのかもしれない。

これだけパワーがあるのなら…当初はビビッてアンダーからチョイ投げする予定だったが、ショッパナからオーバーヘッドキャストでチャレンジ。もちろん遠心力を活かした「ビッグベイト投げ」だが…セイッ! おっ、イケる! 十分にキャストできるだけのパワーがある!!


ベイトタックル仕様で投げる
今度はビッグベイトらしく、ベイトリールを組んでみる。リールシートにベイトリール用のトリガーはないが、本来が「汎用船竿」ということなので、両軸リールを付けることも想定されているハズ(?)。とりあえず握ってみたが、まあ使えないことはない。


スピニングリールでも投げられたんだから、もちろんベイトリールでも投げられる。やっぱり重いルアー、とくにビッグベイトのようなヘビー級ルアーに関しては、ベイトリールの方がしっくりとした感じで投げられるのは気のせいか? うまく説明できないのだが、同じロッドでのキャストではそう感じた。


【結論】数千円の振出竿でここまでできる!
ビッグベイトも投げられて怪魚もねらえる実力派ロッド
で、今回の結論。シマノの「ホリデーパック」30号負荷のモデルならば、ダイソービッグベイトくらいの重さ(約40g)のルアーは十分に投げられる&扱えることが判明した。これから海外の釣り堀にチャレンジしようと思っている方々も、いきなりお値段がそれなりにするモバイルロッドを選ぶのではなく、まずはこの「ホリデーパック」から始めてみるのもいいかもしれない。

そして私も今回の検証を機に、これまではあくまでもサブロッドとしての役割であったが、もう少し先発として使う機会を増やしていこうかと思っている。それこそ次回の海外釣り堀釣行では、ダイソービッグベイトとのリーズナブル過ぎる組み合わせで、値千金(あたいせんきん)の1尾をねらってみたいと企んでいるところだ(毎度のことながら、いつになるか知らんけど…)。
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レポーターREPORTER

バイク雑誌→釣り雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライター&編集者に。個人的な趣味としてもバイク&釣りを楽しんでいるが、完全にヘタの横好きで費用対効果がひじょうに悪いのが悩みドコロ…。
