秋の相模湾でSUPフィッシング!
最高に楽しいハタゲームのツボ

01_ SUPイメージ①

いよいよ秋本番、SUPフィッシングでもさまざまな魚種がねらえるシーズンとなりました。なかでも私のおすすめは高級魚の「ハタ」。秋といえば青物に目が行きがちですが、秋のハタ類は冬を前にたくさんのベイトを食べ、プロポーションもバッチリで引きも強く、食べても脂の乗りが最高のターゲットなのです。しかも、比較的浅場で釣れるため気軽にねらえます。

今回はSUP初心者の方に向けて、相模湾を中心にハタをねらう私なりのコツを紹介します。青物ばかりで飽きたら(?)ぜひチャレンジしてみてくださいね!

相模湾でねらえるハタの種類と習性

相模湾で気軽にねらえるハタはおもに2種類、「アカハタ」「オオモンハタ」です。実は同じハタでも習性が若干異なります。

アカハタの特徴

「アカハタ」は分かりやすく言うと、カサゴに似た習性です。水深は20mくらいまでの根のきつい岩礁帯を好み、あまり泳ぎ回ることはありません。じっと獲物が近付くのを待ち伏せるスタイルでカニやエビなどの甲殻類を好み、根に突っ込むようなファイトが魅力です。サイズは40cmくらいまでがアベレージですが、体色は鮮やかな赤で見た目もキレイな、写真映えする魚です。

02_ アカハタ

オオモンハタの特徴

一方、同じハタでも「オオモンハタ」はよく泳ぎ回るハタです。甲殻類も捕食しますが、秋はイワシなどのベイトの群れについて泳ぎ回りますので、岩礁帯でなくとも30mくらいの水深でベイトがいればねらってみてください。サイズは50cmオーバーも釣れるので引きは重く、横にも泳ぎパワフルなのが魅力です。

03_ オオモンハタハタ

同じハタでも全然違う!

実は同じハタでも、根に付くアカハタと泳ぎ回るオオモンハタでは、尾ビレの形状や大きさも少し違うんですよ。
泳ぎの早い魚(マグロなど)の尾ビレは、三日月のように細く切れ込んでいる形をしています。対して、根魚であるアカハタは泳ぎ回らないため、尾ビレはウチワのように先が丸くなっています。ところがオオモンハタは泳ぎまわる性質があるため、丸みがあまりないのが特徴です。タイとアカハタの中間のような形ですかね。

11月は気温が低くなりますが、水温はまだ20℃を下回るかどうかといった程度です。ベイトさえいれば活性は高く、アカハタもオオモンハタも大型がねらえますよ。

SUPでハタをねらうためのタックル

06_ オオモンハタ&ROD縦+SUPイメージ③

通常、ハタはカサゴなどと同様、岩場からルアーをキャストしてねらう「ロックショア」という釣りが一般的です。しかし、SUPフィッシングの場合は沖から攻めることができるので、岸からねらうときに使用するロックフィッシュ専用のロッドでは「長過ぎ&硬過ぎ」です。とはいえ、ハタは両方とも釣られると根に突っ込む習性がありますので、あまりライトなタックルだと、あっという間に根に潜られラインブレイクしてしまいます。

そこでSUPフィッシングでねらう場合は、長さ6ft前後でティップは柔らかめでありながら、バットがパワフルなロッドが最適です。リールはスピニングでもベイトでもお好みでよいと私は思っていますが、スピニングなら3000~4000番くらい、ベイトリールなら小~中型のものを使用しましょう。ラインはPE1~1.5号程度でも十分ですが、リーダーは7号くらいあったほうが安心ですよ。

それぞれ釣り方が微妙に違う…?

07_ SUPイメージ②

実は、アカハタとオオモンハタではねらい方が結構違ってきます。これは食性による部分が大きく、ねらって釣るのであれば知っておきたい情報です。

アカハタの釣り方

前述の通り、アカハタは根について甲殻類を好んで捕食します。SUPからねらう際はボードが自然と流れていきますのであまり遠投せず、SUPの下をねらうくらいの気持ちで十分です。

ルアーはボトムを中心に、ワームなどを使いリフト&フォールでねらうのが基本で、カラーは赤・金系がおススメです。
なお、ジグは根掛かりが多発してロストが増えますので、タイラバ(30~40g程度)が意外とおすすめ。ジグに比べて根掛かりが少なく、ワームよりも手返しよくねらえるのでぜひ挑戦してみてください。こちらも誘い方は通常のタイラバと同じく、ボトムに着いたらすぐに3~5mほど巻き上げて落とすの繰り返しでOKです。

08_ タイラバイメージ①
ネクタイはアピール力のある赤やオレンジ系がおすすめ

オオモンハタの釣り方

続いてオオモンハタの釣りですが、基本的にはベイトとなるイワシなどの回遊があるかどうかが釣果にかなり影響します。もちろん、ベイトがいなくてもポイントによっては問題なく釣れる場合もありますが、効率はよくありません。逆にベイトがいるときは、ベイトの群れに付いてかなり泳ぎ回っています。ですので、イワシなどの群れが入ってきたときは、ワームでもジグでも「キャストしてボトムから10巻きくらいしては落とす」を繰り返すと、活性が上がったオオモンハタであればかなり遠くからでもバイトしてくれます。

私はベイトが多いときは広範囲を探るため、手返し重視でバイブレーションやジグをキャストし、活性のよいオオモンハタを探るようにしています。反対にベイトが少ないときや活性が低そうなときは、ワームのスイミングで誘っていきます。
そして、ルアーの巻きスピードは1秒間にハンドル1回転のイメージを基準に、速くしたり遅くしたりしながら、その日のパターンを探るようにしています。

ちなみに、相模湾ではベイトさえいれば濁りが入っていてもあまり関係なく釣れる魚です。ルアーのカラーは濁っているときはゴールド系、潮が澄んでいればベイトに近いナチュラルなカラーで攻めています。

09_ ジグイメージ①
30~50g程度のジグやバイブレーションのタダ巻きも効果的

なお、ハタはカサゴなどと同じく成長があまり早い魚ではありません。30cm未満の場合は、大きくなってから釣れてくれることを願ってできるだけリリースしてあげると、余裕がある大人って感じですね!

SUPフィッシングの注意点

10_ SUP①+SUP⑥jpg

ところで、いくら岸近くとはいえ、沖に出ることには変わりないのがSUPフィッシングです。「うねりは1m未満、風は3m未満」がエントリーするうえで必須の条件となります。また、近ごろは数万円の激安SUPが販売されており気軽に始められる一方、沖に流されたりバーストするなどのSUPの事故も増えているようです。加えてライフジャケットの着用やほかの船に見えるようフラッグを装着することも重要です。
命を守るという観点から、SUP本体の性能も釣りの道具以上に意識してほしいと思います。せっかくのアクティビティで危険な目に合うのは本末転倒ですからね。

私のおすすめは「3気室」の釣り専用SUPです。また、(発売年度のモデルによっても異なりますが)本年あたりからは、ボードの生地をこれまでのようなボンドで接着して形成するスタイルから、「熱溶着」という、生地同士を溶かして接着する技術で形成されているSUPが販売されるようにもなってきました。耐久性も向上し安心して沖に出られるので、多少値段は高くても保険だと思って、高性能のものを購入することをおすすめしています。

今回はSUPでねらえる高級魚「ハタ」についてご紹介しました。釣って楽しく食べて美味しい魚ですので、ぜひ沖に漕ぎ出してねらってみてはいかがでしょうか。


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レポーターREPORTER

小川 将司
プロフィール:小川 将司
美味しい魚を本気でねらうSUPアングラー。小学校よりバスフィッシングを始めて高校からはサーフィンにハマる。波のない日は釣りを楽しんでいたが、サーフボードに乗って沖に出て釣りを楽しむことができないか模索していくなかで10年ほど前にSUPフィッシングに出会う。ショアやボートからのルアーフィッシングも大好きで、相模湾を中心に四季の魚たちをねらって奮闘中。
インスタグラム:
@ogawa3797 (URL: https://www.instagram.com/ogawa3797/)