投げて巻くだけ!「バイブレーション」で楽しむ青物!
釣り方&タックル&絶品レシピ

日ごろから海のルアーフィッシングを楽しんでいるSUPEMARUです。
みなさんは「バイブレーション」というルアーをご存じですか? 小魚の形をした、振動で魚を寄せるルアーで、振動のほかにも音やフラッシングの効果で魚の食い気を誘うことができます。このような特性からフィッシュイーターをねらった釣りによく使われます。代表的なターゲットはブラックバスやシーバス、フラットフィッシュやロックフィッシュなど、魚食性の強い魚ならなんでもねらえる万能ルアー。使い方もかんたんで基本は投げて巻くだけ、とってもかんたんです。
そんな万能ルアーのバイブレーションを使って釣れる、私のお気に入りのターゲットが青物で、釣って楽しく、食べて美味しい魚の代表選手です。水温が上がってくるとソウダカツオや、ベイト(エサになる小魚)を追って浅瀬に寄ってくるカンパチの幼魚は釣りやすいターゲットの一つです。

今回紹介するのは、バイブレーションを使った「投げて巻くだけ」の釣り。ねらうサイズも30~40cmと食べごろサイズです。タックルもシーバスやエギングタックルの流用で問題ないので、青物デビューの方もチャレンジしやすい釣り方です。そんな「バイブレーション」の釣りをお届けします。

バイブレーションというルアー

バイブレーションは金属や樹脂で作られたルアーで、おもに小魚の形をしています。重さは一般的に10~60gまで幅広く、大きさは50~100mmほどと、フィッシュイーターの主食サイズ。魚からすると人間にとっての白米のような感覚です(多分…)。

01_ バイブレーション
これがバイブレーション、見た目は小魚そっくり

ルアーというとロッドやリールを操り、巻き速度を調整して動きを演出することが多いイメージですが、バイブレーションは一定の速さでリトリーブするだけで魚が釣れます。メタルジグも小魚をイミテーションしたルアーの代表ですが、メタルジグよりもアクションが強めでアピール力もある、とっても集魚力のあるルアーです。

そんなバイブレーションにもいろいろな種類がありますが、今回は初心者でも使いやすい「ジャックアイ フリフリバイブ」を例にご紹介します。このルアーはどんなルアーかというと、見た目は小魚そっくりで薄い金属で作られており、大きさは80mmほど。嵩張らずルアーケースに入れやすいサイズ感です。

フリフリバイブにはスナップを付けるラインアイが4つあり、前側に付けると振動が弱くなり、後側に付けるとアクションが強くなります。このアクション変更システムを使って、魚の活性に合わせたアプローチができるのでとっても便利です。

またほかにも、フィッシュイーターが思わず食いつきたくなるような仕掛が実装されています。リアフックの後ろに小さなブレードが付いていて、バイトマーカーの役割も果たすのです。そして、大きな青物にも対応した太軸のフックが付いるので曲がる心配もなし。

バイブレーションに最適なタックルは?

バイブレーションはルアーのなかでも重さとアクションが強めの部類です。大きさにもよりますが、あまりパワーのないタックル構成だと快適に釣りができないので、巻き抵抗に負けないパワーのあるロッドとリールが望ましいといった具合。できればスピニングタックルが扱いやすくて便利です。

06_ タックル
今回メインで使用したスピニングタックル。トラブルが少なくオススメ

現在はバイブレーションを使ったさまざまな釣りが展開されていますが、バイブレーションを使った代表的な釣りといえばシーバス釣り。おもに巻き物を使った釣りの王道ともいえる釣りなので、今回紹介する釣りでもシーバスタックルがとてもオススメです。
ほかにもショアジギングロックフィッシュのタックルも流用可能です。また、ティップが繊細なのでベストではありませんが、強めのエギングタックルなら十分ストレスなく使えるはずです。

バス釣りでもバイブレーションは登場しますので、スピニングタックルだとロッドの適合ウェイトが軽くあまりオススメできませんが、ベイトタックルであれば対応できますよ。
ただし、おもにPEラインを使用するソルトルアーフィッシングでは、バックラッシュがつきものなのでベイトタックルはやや不向きかも…。高性能なベイトリールならバックラッシュもしにくいかもしれませんが、トラブルの少なさからスピニングタックルが適しているといえます。

07_ ベイトタックル
ベイトのバスタックルは少々慣れと技術が必要

ロッド

ロッドは釣りをする場所によって長さやパワーを選ぶとよいでしょう。基準は長さ7ftで、アクションはML(ミディアムライト)です。たとえば、足場のよい漁港や堤防なら7~8ft、ML~M。地磯や足場が高く近くに岩礁帯がある場合はもう少しパワーと長さが必要で、9~10ft、M~Hくらいが使いやすいと思います。

08_ キャスティング
インショアフィッシングの1コマ。7ft台のロッドはキャスティングしやすい

私はインショアフィッシングで使用したので、7ft・MLアクションのシーバスロッドを選択しました。ボートも小さくコンパクトなキャスティングが必要なので、6.5ftくらいの長さでも十分に感じましたね。

リール

リールは手に馴染みやすい番手である、3000~4000番リールがあれば問題ありません。ラインはPE0.8~1.5号くらいを目安に、重さや好みに合わせて選択するとよいと思います。

09_ リール
4000番クラスはラインキャパも十分確保できます

私のオススメはちょっと強めのセッティングで、4000番にPE1.5号を200m巻いたもの。不意の大物が掛かっても安心してファイトできますよ。

使ってみて衝撃!動きはまさに小魚!!

10_ 釣りシーン

フリフリバイブを使って待望の初キャスト! ルアーが着水後、まずは表層をリトリーブしていると竿先に小魚の生きているような振動が伝わってきました。姿は見えなくても「これは小魚にしか思えない!」と叫びたくなるような艶めかしさでした。

バイブレーションをキャストするときのコツは、ルアーがクルクルと回転しなくなるまで待つこと。動かなくなってから投げるとキレイに飛びます! ルアーのクルクルが収まったら、ルアーの重みでロッドがしなるくらい思い切りキャストします。多少ルアーがクルクルしていても釣りになる程度の飛距離は出るので、それほど神経質になることはありませんよ。

釣友と「このルアー、泳ぎ方が小魚そのものってくらい艶めかしいね! いかにも釣れそう」なんて雑談しながら釣っていると、数投ののち何かがヒット! ロッドがグイグイと引っ張られました。船際でも最後の抵抗をして、これは青物に違いない! と心を躍らせます。

ヒットした魚の正体はソウダカツオ(マルソウダ)でした。バイブレーションへの反応もよく、夏から秋にかけて楽しませてくれる海のスプリンターです。大きさは食べごろサイズの35cmくらい。このサイズでも左右に横走りするのでスリリングなファイトが体験でき、嬉しい1尾となりました。

ちなみにハリの掛かり具合を見てみると、リアフックをガッツリ食べている状態でした、よっぽど美味しそうに見えたのでしょうね(笑)。フックが外れる心配のないフッキングでした。

17_ ソウダガツオ寄り

さて、フリフリバイブを使ってみた感想ですが、キャストもしやすくトラブルレスで使いやすい印象でした。メタルジグにも同様にブレードが付いたものがありますが、バイブレーションはとくに波動が強いので、広範囲に素早く魚がいるかをリサーチできます。そのアピールの強さから、フリフリバイブは朝一の活性チェックやパイロットルアーとして適していると感じました。
また、ほかにもよかった点がその汎用性の高さです。今回使用したのはシーバスロッドのMLクラスで、一番使用頻度の高い番手。ルアーウェイトは適応していても、振動が強すぎたりボディサイズが大きいと上手く動かなかったりしますが、すごくスムーズに泳いでくれました。

釣った魚はもちろんキープ!食べるまでが釣りの楽しみ!

釣った魚を食べるまでが釣りの楽しみ! 釣ってきたソウダカツオは釣り場で血抜きをして、帰宅後に下処理を済ませ3枚におろしてから、冷蔵庫で冷やしました。まるで肉のようなボリューム感で、メニューは何にしようか迷っちゃいますね(笑)。

ソウダカツオは良質なタンパク質、ビタミンB群、鉄分、DHA、EPA、タウリンなど、現代人に不足しがちな栄養が豊富で天然の栄養源! 早起きして暑い中釣りをし、かなり体力を失ったので、ソウダカツオを食べて疲労回復したいところです。メニューは手軽で冷めても美味しい「竜田揚げ」に決定! さっそく調理にかかりました。

下処理して3枚におろした切り身を、一口大に切ってタレに漬け込みます。タレの分量は「みりん1:酒1:醤油1」の割合で作り、味見して甘くしたかったらみりんを足し、しょっぱくしたかったら醤油を足して味を調整、整ったら30分ほど冷蔵庫で漬け込みます。

十分味が染み込んだら、サランラップを下に敷いて“粉”をまぶします。サランラップを使うと後片付けがとっても楽ですよ。ちなみに、私が竜田揚げに使用する“粉”は米粉で、油の吸収率が低く衣がカリッとした仕上がりになるのでヘルシーです。

油はサラダ油を使います。180℃になったら片面3分くらいを目安に、キツネ色になるまでコンガリと揚げて裏返します。あまり油は使わず揚げ焼きのように火を通していくと、カリッとなって油の節約にもなりますよ。
そんなわけで、竜田揚げが完成しました!

24_ ソウダガツオの竜田揚げ
竜田揚げ完成、キャベツとトマトを添えました

1品だけでも十分ですが、せっかく釣ったので存分に味わいたいと思い、さらにもう1品追加することにしました。暑い日にはサッパリした麺類がいいですよね。ということで、潮汁をベースに麺つゆを作り、そうめんを作ることにしました。

潮汁ベースの麵つゆは濃厚で、ソウダカツオの香りがベストマッチ。暑い日にピッタリの、釣れたてソウダカツオを使った「そうめんセット」が完成です。なかなか美味しそうで食欲をそそりませんか(笑)?

27_ そうめんセット
ソウダカツオのそうめんセット

また、翌日は昨晩作ったソウダカツオの竜田揚げをクロワッサンにサンドして、「ソウダカツオバーガー」を朝食に!

28_ ソウダガツオバーガー
朝食は残りの竜田揚げを贅沢にサンドしました。お弁当のおかずにもGOODです

仕事や家事に頑張るお父さんお母さん、学業や部活を頑張る子どもさんも、これを食べたら元気100倍になるくらいの美味さです。ちなみに私は、ソウダカツオバーガーを食べてまたソウダカツオを釣りに行きました(笑)。

今回紹介した「バイブレーション」を使った釣りは、投げて巻くだけでとてもかんたんです。さまざまな専用タックルがリリースされていますが、流用可能なタックルも多く、加えて美味しい魚が釣れちゃうお得な釣り。手持ちのタックルですぐ始められるのでぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか? きっと面白く楽しい時間を過ごせますよ!


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レポーターREPORTER

SUPEMARU
プロフィール:SUPEMARU
ロックフィッシュ、ライトソルト、エギングなどさまざまな海釣りを楽しむルアーマン。フィールドの状況を肌で感じ、ひらめきの釣りをする感覚派でもある。キャッチ&イートがモットーで美味しいターゲットには目がない。釣り業界を盛り上げたい気持ちで、SNSやブログを通じ釣りの魅力を発信している。
インスタグラム:
@supemaru805 (URL: https://www.instagram.com/supemaru805/)
ブログ:SUPEMARU BLOG (URL: https://supemaru.hatenablog.com/)