船酔いしない釣りライフへ!
釣りの前に知っておきたい船酔い対策術

釣りを楽しみたいのに、船酔いが怖くて思い切り楽しめない…。そんな悩みを持つ釣り人は少なくありません。船の揺れによる不快感や吐き気は、せっかくの釣行を台無しにしてしまうことも。そこで今回は、私自身の経験にもとづき、船酔いを防ぐための事前準備から船上での対策、万が一酔ってしまったときの対処法まで、実践的な船酔い対策を詳しく解説します。これを読めば、もう船酔いに悩まされることなく、快適な釣りライフを送ることができるハズ!

船に乗る前の対策術

01_ 乗船前

船酔いを防ぐためには、乗船する前日からの準備がとても大切です。備えあれば患いなし! できることはなんでもやっておくに越したことはありません。十分な対策が快適な釣りにつながります。

十分な睡眠をとる

前日の睡眠不足は、船酔いの大きな要因になります。睡眠が不足すると、自律神経のバランスが崩れ、身体が揺れに敏感になってしまうそうです。最低でも6~8時間の睡眠を確保し、しっかりと体調を整えておきましょう。

02_ AC_目覚まし時計
出典:写真AC

アルコールや脂っこい食事を避ける

船に乗る前日の食事も、船酔いを防ぐための重要なポイントです。アルコールを摂取すると脱水症状を引き起こしやすくなり、船酔いを助長する原因になるようです。さらに、脂っこい食事は胃の負担を増やすため消化不良を起こしやすいそうで、乗船中に気分が悪くなる可能性が高まります。前日は消化のよい食事を心がけ、適度に水分を摂取しましょう。

酔い止め薬を準備する

船酔いが心配な人は酔い止め薬を準備しておくと安心です。市販の酔い止め薬にはいくつか種類がありますが、どれも服用タイミングが重要で、おおよそ乗船の30分~1時間前に飲むことで効果を発揮します。事前に自分に合う薬を見つけ、当日は忘れずに服用しましょう。

※薬によって容量・用法が異なりますので、確認のうえ服用しましょう

03_ アネロン

服装や装備も快適に

締め付けの少ない服装を選び、気温に応じて防寒対策や日焼け対策を行いましょう。快適な服装はストレスを減らし、体調管理にも役立ちます。脱ぎ着しやすい服装がポイントです。

乗船中に気を付けること

04_ うみほたる

乗船前の準備が整ったら、次は船上での過ごし方に注意を払いましょう。適切な行動を取ることで、船酔いのリスクを大幅に減らせます。一度酔ってしまうとかんたんには回復しないので、そうならないためにも乗船中の注意点を抑えておきましょう。

船の揺れを最小限にする釣座を選ぶ

船の揺れが少ない場所に座ることで、船酔いの影響を軽減できます。一般的に、船の中央部や重心の低い場所(キャビンの近くなど)揺れが少なく安定しています。逆に、船の先端や後方は揺れが激しく、酔いやすくなるので避けましょう。

05_ 胴の間
「胴の間」と呼ばれる船の中央付近は揺れが少ない

また、船長や同行者に「船酔いが心配」と伝えておくと、揺れが少ない場所に座らせてもらえたり、適切なアドバイスをもらえることもあります。

遠くの景色を見る

近くのものをじっと見つめたり、手元でスマートフォンを操作したりすると、視界の揺れと身体の揺れのズレが生じ、船酔いを引き起こしやすくなるそうです。なるべく水平線や遠くの景色を眺めることで、脳がバランスを取りやすくなり、船酔いを防ぐ効果があるといわれています。

06_ 富士山

仕掛の準備やエサの交換で長時間下を向くと、揺れを強く感じてしまいます。できるだけ目線を水平に保ち、出船前に済ませられる作業は事前に済ませておくとよいでしょう。「手前マツリをほどいていたら気持ち悪くなった」という話をよく聞きます。仕掛の予備があると安心ですね。

食事は「軽め&適量」を意識する

お腹が空き過ぎると気分が悪くなりやすく、満腹過ぎても胃に負担がかかり、これもまた船酔いの原因となります。乗船前には、おにぎりやバナナなど消化のよいものを軽く食べておくのがおススメです。

07_ おにぎり
出典:写真AC

深呼吸してリラックスする

緊張や不安も船酔いの原因になります。リラックスするために深呼吸を意識しましょう。とくに、鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐き出す腹式呼吸を行うことで、副交感神経が働き、酔いを軽減する効果があるそうです。また、必要に応じて軽くストレッチをするのも効果的です。

船酔いしてしまった場合の対処

万全の対策をしても、どうしても船酔いしてしまうことがあります。そんなときは適切な対処をして、症状を和らげましょう。

08_  AC_船酔い
出典:写真AC

すぐに新鮮な空気を吸う

船内のこもった空気は、船酔いを悪化させる要因になります。気分が悪くなったらすぐに甲板に出て、鮮な空気を吸いましょう。風に当たりながらゆっくりと呼吸することで、症状が落ち着くことがあります。

水分を少しずつ摂取する

船酔いによって脱水症状を引き起こすこともありますので、少しずつ水分を摂取しましょう。ただし、一度に大量に飲むとさらに気分が悪くなることもあるので、こまめに少量ずつ飲むのがポイントです。

09_ AC_水分補給
出典:写真AC

カフェインを含むコーヒー炭酸飲料は、自律神経を整え集中力を高めることで、船酔いの症状を軽減する可能性があるといわれています。とくにコーラはカフェインと炭酸を同時に摂取できるため有効だそうです。一方で、柑橘系ジュースは胃酸の分泌を促し、船酔いを悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

10_ AC_コーラ
出典:写真AC

横になって目を閉じる

船酔いがひどくなった場合は、可能であれば横になって休むのも効果的です。横になることで三半規管への負担が減り、酔いが軽減されることがあります。また、目を閉じることで視覚からの揺れがなくなり、脳の混乱を防ぐことができるそうです。

試す価値あり!?「暗示をかける」

船酔いの原因は、身体の揺れと視覚情報のズレによる「三半規管の混乱」ですが、実は「気持ち」も大きく影響します。
「船酔いしそう…」と考えていると、本当に気分が悪くなることがあり、逆に「自分は大丈夫!」と意識することで、酔いにくくなる人もいます。つまり、「暗示」をうまく活用することで、船酔いを防ぐことができる可能性があるらしいのです。

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出典:写真AC

人間の身体は心の状態に大きく影響を受けています。たとえば、ストレスを感じると胃が痛くなったり、緊張すると手汗が出たりするように、「船酔いするかもしれない」と思うだけで本当に症状が出てしまうことがあるというわけです。逆に、「自分は船酔いしない」と意識して脳をポジティブな方向に導くことで、身体の反応を抑えることができるともいえます。

※暗示に関して、医学的根拠があるわけではありません。あくまで経験則と統計的な話ですので、ご了承ください

これは私個人に限った話ですが、「こうすれば酔わない(酔っても回復する)」という暗示があります。「お守り」とか「ジンクス」という表現のほうが正しいかもしれませんが…。「しょっぱいお菓子を食べると酔わない」と信じています(笑)。

12_ kawahagi 
大復活からの貴重な1尾!

以前、冬のカワハギ釣りでひどく酔ってしまい、まったく釣りにならないことがありました。ただでさえ苦手なカワハギ釣り、気分が悪くてエサのアサリ付けもままならない…。しまいには、バッカンに突っ伏してダウン! そのとき、友人が某ジャガイモのスナック菓子をくれました。なぜかそれを食べた途端すぐに気持ち悪さが消え、身体が楽になったのです!! そのお菓子が効いたのか、はたまたほかの要因なのか分かりませんが、「しょっぱいの食べたら治った!」と当時の自分は記憶しています。
それ以来、船に乗るときは必ずそのお菓子を持ち込んでいます。持っているだけで「私は船酔いしない」という暗示にかかるってわけです(笑)。

適切な対策を行うことで、船酔いを大幅に防ぐことができます。前日の準備、乗船中の行動、そして万が一酔ってしまったときの対処法をしっかりと押さえておけば、快適な釣りライフを楽しむことができるでしょう。また、「自分は船酔いしない!」と暗示をかけることで、脳をポジティブな方向に導く方法もぜひ試してみてください!!