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目の上には青く綺麗なアイシャドウのような濃い筋、背中にはコバルト色の斑紋が散る「魚の王様」とよばれるマダイ。コマセ釣り・フカセ釣り・タイラバ・一つテンヤなど、いろいろな釣り方があり1年を通して釣りを楽しむことができます。今回は、そんなマダイをねらったさまざまな釣り方と、わが家で定番のマダイ料理を紹介します。
巻き巻きタイラバ
「タイラバ」はルアーを落として巻くだけの釣りなのですが、実はとても奥が深く、私も大好きなオフショアからの釣り(船からの釣り)のひとつです。ヘッドという鉛やタングステンなどの金属からできたオモリと、スカートやネクタイとよばれるひらひらの中にハリのついた糸を通したもの(このセットしたものをタイラバという)を海に落とします。竿はタイラバ専用、リールはベイトリール(スピニングリールも可)を使います。
タイラバを海中に落としたら、着底とともに一定の速度で20~30回巻いてまた落とす(巻く回数は状況により異なります)、この作業をひたすら繰り返します。すると、コツコツと小刻みにひっぱられるようなアタリがきます。体が反射的にアワセてしまいそうになるのをグッとこらえて、平常心を保ちつつ同じ速度でただただ巻き続けます(実際これがなかなか難しい~(笑))。このとき気をつけることは竿を上下に動かさないこと。魚が外れる原因になるからです。我慢しながらひたすら巻き続ければ、こんな立派なマダイが釣れちゃいます。
ヘッドの重さは軽いものから重いものまでありますが、基本着底がわからないと成立しない釣りなので、その日の潮の流れ・水深などにあわせて自分でセッティングをチョイスしてみましょう。自分が選んだセッティングで釣れると楽しいですよ。
先日タイラバで釣行した際、最初は60g~80gの鉛ヘッドを使っていたのですが、全然アタリがなかったので思いきってとても小さな30gのタングステンヘッドに付け替えてみました。すると、1投目で58cmのマダイが釣れちゃいました!
ただ巻くだけなんですが、ヘッドやスカート・ネクタイのカラーを変えてみたりヘッドの重さをチェンジしてみたり、ときにはハリの大きさをかえてみたり…、さらには巻きのスピードをかえてみたりと選択肢の多いタイラバ。まだまだ奥が深い…。とはいえ、1年を通して楽しむことができるので初心者にもオススメの釣りですよ。
ライトなジグを遠くに投げてマダイを釣ろう
最近よく耳にする「SLJ(スーパーライトジギング)」ですが、その名の通りとても軽いジグを投げる釣法でマダイだけではなくいろいろな魚が釣れます。ジギングと聞くと激しくシャクルイメージですが、マダイの場合は遠投して巻くだけ。たまにはバーチカル(真下)に落としたりもするのですが(笑)。
ジグ(メタルジグ)もいろいろな重さ・カラー・デザインがあるので、その日ヒットするジグを見極めるのも楽しいです。竿はスーパーライトジギング専用、リールはスピニングリールがオススメです。
巻くスピードは速いときもあればゆーっくり誘うように巻くときもあります。SLJとタイラバの違いは魚が掛かったらアワセるというところです。アタリがあったら竿をすぐ立ててハリを魚の口にフッキングさせるのです。タイラバとは正反対でアワセる釣りとでもいいましょうか、なかなかスリリングです。自分でアワセて釣ったマダイは嬉しいものですね~。
「海老で鯛を釣る」一つテンヤ
「一つテンヤ」とはテンヤとよばれる仕掛のひとつで、マダイを釣るものです。テンヤには固定式と遊動式があり、先日は遊動式テンヤでチャレンジしてきました。ハリの先に生のエビをつけるので、まさに「海老で鯛を釣る」釣り方です。
エビは尻尾を切り、短い方のハリに尾から頭部に向かって刺します。ハリを動かさずエビを送り込むように刺し、胴体の2~3節目あたりからハリ先を出します。そのときエビが真っすぐになることが大事です。エビの腰が曲がっていると海中でくるくる回転してしまうからです。そして長い方の孫バリをエビの頭の後ろ2番目あたりの節に刺し入れ、ハリ先が頭の後ろから出るようにします。
セッティングできたら海の中へ落とします。着底したら海底から少し上げて待ち、アタリがなければ真上に向かって軽く竿をシャクリあげゆっくり落としていきます。マダイは上から落ちてくるエサに反応する習性があるのでこの繰り返しが基本になります。アタリはガツンとかコツコツといったハッキリ感じるものばかりではなく、「あれ? なんか触ったような…」という曖昧な感触のアタリもあるので、違和感を覚えたら迷わず竿を振り上げてアワセましょう!
大き目のマダイが掛かると柔らかい竿がググっと曲がり、何とも言えない「釣りしてます!」感が味わえます(笑)。どちらかといえばゆっくりとした感じの釣りかもしれませんね。
エビラバ!究極のハイブリッド釣法
タイラバ・SLJ・一つテンヤ・で全くアタリがないとき私は「エビラバ」をします。エビラバとはタイラバのハリに一つテンヤ用のエビをつけて釣る、タイラバとエサ釣りの合わせ技! まさに「究極のハイブリッド釣法!!」とでもよびましょうか(笑)。ちょっと欲張りですがこれがまた楽しい!
タイラバ専門のアングラーには敬遠されることもありますが、入門者や初心者にはアタリが多い方が楽しいはず。タックル(竿・リール・仕掛などの道具)はタイラバのものでOKです! 私は長いハリだけにエビをつけて釣ります。魚が頭を振ったときに外側からもう1本のハリが掛かることが多く、しっかり2本のハリが掛かればバレにくい(ハリが外れにくい)からです。
(なかにはハリ2本ともにエビをつける方がよい場合もあります)
誘い方はタイラバと同じで着底したらゆっくりと同じ速度で巻き、また落とす。この繰り返しをしていると、だいたい着底と同時にコツコツ、カツカツっとアタルので即アワセです! これがまた気持ちいい!!
タイラバのタックルなのにタイラバとは違い即アワセ…….こんがらがってしまいそう(笑)。
でもエビラバだったらいつでも必ず釣れるだろうと思いきや、不思議なことにタイラバが釣れるときにはエビラバにはアタリがなく、エビラバが好調なときはタイラバがアタラない…。これは同船の方と横並びで実際に体験しました。なので、その日その時間帯によってどの釣法があっているのか自分で見極めながらマダイをねらうのもいいですね。
「エサを使うから邪道」なんて言わずにアタリの多いエビラバも楽しんでみてください。好きな釣り方で美味しい高級魚が釣れるのは嬉しいものですよ。