知っていれば快適!フィールド豆知識 No.21釣り上げた魚を手早く安全にハリを外す方法

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
今回は釣り上げた魚からハリを手早く外す方法。入れ食いしているときほど焦って時間がかかってしまったり……。基本は落ち着いて! かつ安全に!

無理せずハリ外しやプライヤーを活用!
歯が鋭い魚には充分気を付けて!

釣りバリというものはエサ釣り用にしてもルアーフックにしても、ミミ(タタキ)やアイと呼ばれるハリス、リーダーを結ぶ部分から真っ直ぐ伸びた軸、そして曲げ、ベンドを介してハリ先、ポイントへと向かうUの字型になっている。そして軸の長さ、曲げ具合、ハリ先の角度と長さの違いで、さまざまな型のハリが存在する。もちろん、ねらう魚の大小、種類によってハリの大きさ、軸の太さも一様でない。

Aハリ
Bハリ
Cハリ
釣りバリは対象魚によって形はさまざま。しかしハリを外す基本は同じだ

とはいっても魚に掛かったハリを外す基本は同じ。刺さり込んだハリ先に対し逆方向に力を加えてやることに尽きる。ただ多くのハリは軸に対しハリ先がやや内向き加減になっている(なかには軸とハリ先が平行のもの、逆にハリ先が開いたものもある)ので、軸を摘んでハリ先と反対方向にクリンと回してやることで、たいていはハリが魚から外れる。

しかしハリが刺さった魚の口が硬かったり、ハリを口の奧まで飲み込まれてしまったりと、ハリを外すのに手こずることも多いし、多くのハリには掛かった魚を逃がさないようカエシ、モドリがありかんたんにはハリが抜けないようなっている。ちなみにカエシ、モドリがないハリをスレバリ、バーブレスフックと呼ぶ。リリースが前提のヘラブナ釣りやルアーフィッシングで多用される。今回はカエシ、モドリ付きのハリの使用を前提に話を進めよう。

 

アジやサバ、キス、カレイなど歯が鋭くない魚なら素手でハリを摘んで外して問題ないが、チヌにマダイ、サワラ、タチウオ、カマス、フグなど歯が鋭い魚の場合は暴れないようにタオルやフィッシュグリップなどで魚体をしっかり固定、プライヤーを使ってハリを外すのが安全だ。また口が硬くなかなかハリが抜けない場合もプライヤーを活用。

とくにトレブルフックを使うことが多いルアーでは必ずプライヤーを使ってハリを外してほしい。ハリ外し中に魚が暴れて複数あるハリ先やフックで怪我をするリスクが高いからだ。

01_ タチウオの歯
02_ チヌの歯
カミソリのような歯をしたタチウオ、ペンチのような歯をしたチヌ……。素手でハリを外すのは危険。タオルやフィシュグリップでしっかり固定しプライヤーを利用しよう

難儀なのはハリを口の奧深くまで飲み込まれてしまった場合だ。アジやキスなど口の中が軟らかい魚の場合は、ハリスを摘んで強く引けばズルズルとハリが外れて出てくることも多い。

あ_ ハリをハリスごと引き抜く
キスなどのハリを飲み込まれた場合はエラブタに指を入れ、ハリスを強めに引けばズルッとハリごと出てくる

それで外れない場合は「ハリ外し」という器具を使う。スタイルは各種あるが、基本は細長い棒状で先端にハリを挟めるような溝があり、ハリ外しをハリスに沿わせてハリの位置まで差し込んだら、そこからハリごとさらに奧に押し込めば刺さったハリ先が外れるという仕組み。

03_ カレイ
04_ ハリ外しでハリを外す(カレイ)
投げ釣り、イカダ釣りからブッ込みで釣れたカレイはハリを飲み込まれていることが多い。「ハリ外し」と呼ばれる器具を使ってハリを外そう

投げのカレイ釣り、磯のグレ釣りなどに愛用者が多いが、もしハリ外しの持ち合わせがなければ割り箸などでも代用できる。割り箸の先に少しだけ隙間を作りハリスを挟んで口の奧のハリ部分まで。あとはハリ外しと同じ要領。レポーターはグレ釣りで飲み込まれたハリがそれほど深い位置でない場合、人差し指を突っ込んでハリを奧に押し込んで外すことも多い。ただしグレなど歯が鋭くない魚限定。タチウオ、カマスなど歯が鋭い魚や、チヌ、イシダイなど歯がペンチのような魚では絶対やらないように!

アジやワカサギなど鈴なりの魚には
専用のハリ外し器を大いに活用しよう

さて、サビキのアジ釣り。複数あるサビキ仕掛にアジが鈴なり。1尾ずついちいち魚をつかんでハリを外すのは面倒だ。とくに釣ったアジをエサとしてノマセ釣りに利用する場合は、釣ったアジを手づかみするとそれだけで弱ってしまう。

05_ 鈴なりのアジ
06_ ハリのチモトを持ってハリを外す
アジが鈴なり! 楽しいサビキ釣り。でもハリ外しが大変! ノマセ釣り用のエサにする場合、魚体に触れると確実に弱るのでハリのチモトを摘んで……。これがまた面倒!

魚体に触れないようサビキバリのチモトを摘んでクリンと返せば外れることが多いが、これもなかなか手間がかかる。こんな場合に便利なのが先端がカギ状になったハリ外し

もともとは漁師さんの漁具のようだが、釣具店で購入可能。カギ状の部分にハリを引っ掛けハリスを引けばテコの原理(?)か、カンタンにアジなどが外れる。同様に水を張った容器の上に細いステンレス線などを張っておき、そこにサビキバリを掛けて引いていけば、サビキ仕掛にズラッと掛かったアジが順次外れてくれる。

07_ ハリ外し
08
先端がカギ状になった「ハリ外し」はカギ部分にハリを引っ掛けてクリンと返すだけでハリが外れる
09_ ハリ外しのステン線
理屈はカギ状のハリ外しと同じ。容器の上に張られたステン線にハリを引っ掛け揺するだけでアジが容器へポチャン!

ワカサギ釣りでは独特のハリ外し機構がある、ペンシルキャップから発想されたハリ外し器で、複数あるキャップの隙間に掛かったワカサギのハリス部分を通せば口が切れてかんたんに外れる。口が軟らかいワカサギならではの便利なアイデアだが、海でも口が軟らかいカタクチイワシなどなら使えるかもしれない。

10_ ワカサギ釣り用ハリ外し
ワカサギ釣りで使われているハリ外し器。隙間にハリスを通して引けばワカサギの口が切れてかんたんにハリが外れる

 

さて、どうしても飲み込まれたハリが外れない場合はハリスを切るしかないが、持ち帰った魚をさばくときに気を付けてハリを取り出そう。胃袋や腸にまでハリが達していることもあるので注意が必要だ。