「マダコは引かないから面白くない」「ゴミが引っ掛かったみたいにただただ重いだけ」
マダコ釣りって、こんなイメージでは? しか~し、今回初めて東京湾のエギタコに挑戦したのだが、もうね、本当にハマりました。そして、完全に心を奪われました、ぃゃ、吸われました(笑)。あの日から寝ても覚めても頭の中はタコのことばかり。本当、私ったら困っタコ。
というわけで今回は、今、ちまたで流行っている「エギタコ」の魅力について、私の実体験をもとに紹介させていただこう!
釣り方は超シンプル!!
①オモリを海底から離さない!
マダコ釣りのキモは、オモリを海底から離さないこと。海底でオモリが「立つ⇔寝る」程度の細かい誘いをすると、エギがユラユラと海底で踊る。このアクションでマダコを誘うのだ。マダコは海底に棲むため、基本的にオモリを海底から離してしまうとアタリは出ない。底を2m切ると大型が食うなんて話は、ヒラメには通用しても、マダコには通用しないのね。
また、マダコ釣りでは、ねらうポイントによっては根掛かりが頻発することもある。1投ごとに800円のエギが…なんて経験は、ビギナーであればあるほど切なくなるもの。そんなときは、自分のなかでお気に入りの1軍の仕掛を決めておき、予備にダイソーの100円エギを準備しておくのもいいだろう。なお、装着するエギの数だが、当日は根掛かりが少なかったため2個付けだったが、これもねらうポイントに応じて適宜調整するとよい。
そして、オモリの号数は事前に船宿に確認しておきたい。当日は15号を使用したが、船宿によっては20号や30号を使う場合もある。号数を確認し、オモリの予備も多めに準備しておくと安心だ。
釣り方は超シンプル!!
②早アワセは厳禁!
竿先を軽く動かして「トントントントントントン」。オモリが「立つ、寝る、立つ、寝る、立つ、寝る」を繰り返す。アタリの出方は、小突いている最中に竿先&手元に「モニュッ」とした感覚が伝わる。言葉だとひじょうに伝わりづらいが、まさに「モニュッ」という感覚なのだ。要は、それまで感じていたオモリの重さ「+α」がアタリ、もしくは根掛かりの2択となる。マダコのアタリなら「モニュッ」というソフト感、根掛りなら「ゴツッ」というハード感、伝えれば伝えようとするほど裏目に出る気がする(笑)。
誘いを入れながらこの前アタリを感じ取れるのが理想だが、ビギナーの方は、トントントントンと10回ほど誘った後、竿先を少~し上げて、オモリを数cm浮かしてみよう。竿先に「モニュッ」と重みを感じたらアタリだ。
この“乗り”のアタリを感じ取れる竿が、先調子だ。竿で釣るマダコはかつて関西で主流だったが、その当時は棒みたいに硬い竿を使用していたとか。しかし、現在では専用ロッドが多数販売されており、釣趣も楽しめるようになっている。私は専用竿を持っていないため、当日は小突き用のカレイ竿を使用したが、もし代用するのであれば、オモリ負荷20~30号(オモリの号数による)の先調子で8対2調子、または7対3調子。いうなれば、穂先で視覚的にモタレのアタリが取れる竿で、なおかつアワセが利くバットパワーをあわせ持った竿が理想だ。
リールは小型両軸リール(スピニングリールも可)に、道糸PE1.5号~2号100m、リーダーはフロロ5号~8号5mほど。
小突いている最中に乗りを感じ、即アワセをしてもほぼほぼ掛からない。マダコはまず、触腕1本~2本でエギにアタック。その後、「こいつはいけるな」となったら、バサーッと覆い被さる(あくまでも脳内イメージだが)。
まずこの前アタリを感じられたこと自体が褒めポイントだが、そのままゆっくり5秒ほどカウントしながら継続して小突き続ける。このとき、とにかく違和感を与えないことが大事。あくまでも平静を装って、今まで通りに小突き続けることが重要だ。
「1、2、3、4、5」とゆっくりカウントし、覚悟を決めたら、竿先を下げながらゆっくりリールを巻いてから「エイヤッ!」とアワセを入れる。力強くアワせる理由は、エギに抱きついているマダコにカンナを掛けないといけないからだ。力強くアワせれば、エギがスライドしてカンナが刺さる。このとき、アワセを入れなかったり巻きアワセだと、巻き上げ途中のバラシに繋がるので注意したい。
アワセが決まれば「ズシッ!」と竿に重みが乗る。この感覚が本当に快感なのだ。もちろん仮にそれがボトムだった場合は「スカッ」となるが、その時は「あぁぁっぁぁぁ!」という恥ずかしい声が漏れる。この「マダコなのか根なのか」それを見極められるかどうかが勝負の鍵となるのだ。とはいえ「おやっ?」と思ったら、継続して小突きを入れてからアワせてみることが大事。
ちなみに私は当日、15打数11安打。結果的に4回は空振りだった。ただ、そのときのドキドキ感は何ものにも変えられないのだ。
今回、エギタコ初挑戦の親子(&私もだが)のデビュー戦に選んだのは、埼玉・鹿浜橋の松陽丸さん。温和な間門陽介船長が舵を握り、老若男女から親しまれている船宿だ。
当日は、前半マダコ、後半シロギスのリレー船だったが、シロギスについてはまた改めて釣法などを紹介したい。また、今後は状況によってリレー船ではなく、「マダコ船」と「シロギス船」に分けて出船するかもしれないとのこと。予約の電話の際に船長に確認しよう。
夏に盛期を迎えるマダコ(そしてシロギス)。これからますます暑くなるため十分な水分を持参し、日焼け対策も万全に。ちなみに私は当日、日焼け止めを持参し忘れて、まさに「マダコ取りがマダコになる」という失態を犯してしまった(笑)。みなさんもぜひ、東京湾で旬の釣趣&食味を堪能してみては?
【マダコのぬめり取りと、タコぶつの作り方】
マダコはさばくのはカンタンだが、ヌメリを取り除くことに手を焼く。かんたんなヌメリの取り方と茹で方を紹介したい。
1.持ち帰ったマダコを1パイずつ(小型なら2ハイでもOK)ジップロックに入れて冷凍する。内臓の処理もせず、まずは冷凍する。冷凍⇒解凍するだけで、ヌメリがほとんど取れるのだ。
2.ボウルなどに水を入れてジップロックごと解凍する。流水だと解凍スピードも早いが、水道代がもったいないので、解凍処理は早めにスタートしよう。
3.解凍した時点で、ヌメリもだいぶ取れている。次に頭を引っくり返して内臓を取る。どの部分が何かはまったく分からないが、取れる部分はすべて取り除く。
4.適量の大根おろしをすってボウルに入れる。難しい話はよく分からないが、大根の成分がタコのヌメリを取りやすくする上、タコ自体を柔らかくするとか。釣行当日に食べたい場合は、大根おろしでヌメリを取ればOK(個人的に塩で揉むとしょっぱくなる気が…)。
5.大根おろしで揉む。一度冷凍してヌメリもほとんど取れているため、ここでの大根おろしはヌメリ取りの仕上げと、どちらかというとマダコの身を柔らかくするのが目的。
6.タコが浸かる大きさの鍋でお湯を沸かす。ほうじ茶を入れるとタコが柔らかくなる。わが家では中国茶やシナモンティーで代用。勝手ながらお茶ならなんでもいいと思っている(笑)。
7.沸騰したら、タコの足先からゆっくりお湯の中に入れていく。クルンッと上手に外側に足が丸まるように加減していく。
8.茹で時間は足側1分、ひっくり返して頭側1分ほど。1kg弱なら合計2分~2分15秒ほどで茹で上がる。これ以上茹でると硬くなってしまう…気がする。
9.鍋から取り出し、粗熱を取れば完成。
10.ぶつ切りにしてわさび醤油で堪能しよう。「ゴマ油+塩」で食べても超美味!
11.スーパーのタコの値段を見て「ムフッ」と悦に浸る(笑)。
レポーターREPORTER
東京都出身
父親の影響で3歳から陸っぱり釣りを始め、小学4年生のときに船釣りに初挑戦。その日はハゼ釣り大会だったが、ひどい船酔いで釣りにならず。ただ、最初の一投で釣れた奇跡の1匹で「ブービー賞」に輝く。幼心に“もう一生船釣りはしない“と心に決めたが、それから10数年の時を経て、運命のイタズラか「船釣り専門誌」の編集者になる。それを機に船釣りの魅力にどっぷりハマる。現在は船釣りメディアから離れ、おでかけメディアの営業マンとして従事。仕事の合間を縫って月に1~2度は船に乗り、周りの”船釣り初挑戦者“を巻き込みながら、船釣りの魅力を1人でも多くの人に知ってもらうために奮闘中。
YouTube:ジローちゃんねる