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軽けりゃいいってもんじゃない。“底を取ること”が大事!
テンヤは各メーカーから販売されており、主に3号~15号だが、この号数は時期や釣行エリア、諸条件によって異なる。私は千葉県の大原港や飯岡港、茨城県の鹿島港や大洗港、那珂湊港、久慈港などでひとつテンヤを楽しんできた。
千葉はマダイが好む根(岩礁帯)が多いことから、時期や水温、潮速やベイト(マダイのエサとなるイワシなど)など諸条件によってねらう水深も変わってくる。春には水深60mなんてこともあるし、秋には水深10mを切ることもある。その点、茨城は年間を通じて水深30m前後が主戦場となることが多い。
ひとつテンヤマダイにおいて一番の肝となるのが「底を取る(底ダチを取る)」こと。底を取るとは、テンヤを着底させるということ。底を感じ取れないと、この釣りのスタートラインに立てない。
では、何号のテンヤを使えばいいのか? 一番確実なのは、予約の電話の際に船宿のスタッフに使用テンヤの号数を確認することだろう。例えば「使用テンヤ5号~10号」の場合、まずは重い号数からスタートしてみて、もしかんたんに底が取れるようであれば徐々に軽くしていけばよい。
マダイは海中でエビがユラリと沈んでいく(フォール)ときにヒットしてくることが多く、当然ながら抵抗が少ない軽いテンヤの方がそれを演出しやすい。私の実体験として、6号ではまったくアタリが出なかったが、3号に変えた途端にアタリが連発するなんてこともあった。しかし、号数を軽くすると初挑戦者やビギナーには底を取る難易度が高くなるため、慣れるまでは決して無理をせず、自分がきちんと底を取れる号数でチャレンジすればOKだ!
料理は見た目も大事!姿造りに挑戦してみよう!
持ち帰った魚は、せっかくであれば美味しく食べたい。ただ、釣行からの帰宅後は疲労感たっぷりで、少し油断すると座ったまま寝てしまうほどだ。そんな状態で自分のために魚をさばくのがキツいため、私はいつも親戚や友人を招いて「おさかなパーティー」を開催している。
ゲストを喜ばせるためには、料理の見た目も大事。そこで、マダイが釣れたらぜひ挑戦してほしいのが「姿造り」だ。YouTubeで「真鯛の姿造り」と検索すれば、作り方の動画が紹介されているため、そちらを参考にしながら作ってみてほしい。また、ひとつテンヤでは多彩なゲストも交じるため、お刺身の盛り合わせも作れる。私は毎回「この盛り合わせをお店で頼んだら◯◯円はするなぁ、ムフフッ」と悦に浸りながら食べている。
まずは午後船&貸し竿から始めてみよう!
第3回目となる今回はひとつテンヤマダイの魅力について触れたが、この記事を読んで興味が湧いた方は、ぜひともチャレンジしてみてほしい。なお、初釣行のために専用ロッドやリールを購入する必要はなく、ひとつテンヤで出船中の船宿では「レンタルタックル」が準備されていることが多いため、まずはレンタルで始めてみよう。また、テンヤも船宿で購入できるケースが多いため、その点も含めて予約の電話の際に確認すると安心だ。
船については、午前船・午後船の二便体制で出船しているエリアもあるため、初挑戦者はのんびりと午後船に乗船してみるのもよいだろう。実際、写真で6尾を釣り上げた女性&会社の釣り部メンバーとの釣行時は、茨城・久慈港の午後船を選択しお昼前に現地に到着。腹ごしらえに「日立おさかなセンター」で海鮮丼を満喫してから乗船した。
ただただ釣りに行くだけではなく、せっかく遠出をするのであれば、周りの観光と絡めた釣り&観光プランを立ててみるのもおススメだ。ただしその場合は、体力的な問題で魚をさばくのが翌日の朝になると思われるため、帰宅後にクーラーボックス内の氷を補充しておくことをお忘れなく。
それでは最後に一言。あなたのひとつテンヤデビュー日が、本命マダイと多彩なゲストに恵まれて、いい意味で“テンヤワンヤ”な楽しい時間を過ごせますように。
お後がよろしいようで!
【ひとつテンヤマダイの基本釣法 -釣り方参考-】
1.エビを装餌後、テンヤを投入して着底させる
2.着底後、すぐのアタリに備えて素早く糸フケを取り、竿先にテンヤの重さを感じながら待つ
3.アタリがなければ竿を持ち上げて下げる。これが定番の誘いの「リフト&フォール」。竿先でテンヤの重さを感じながら、ゆっくりフォール(テンションフォール)させる。このときにアタリが出ることが多いためとくに集中
4.アタリがなければ「3」を3~4回ほど繰り返す。このとき、船や潮流の影響で道糸が斜めになったり、2~3度アタリがあって音沙汰がなくなった場合は、すぐに仕掛を回収して入れ替える
5.アタリがあったら瞬時に竿を立てて、バシッと力強くアワセる。魚が掛かったら、ラインのテンションを常に張りながら、竿と海面を水平に保ったままラインを巻き取る。巻き上げ途中で竿先をフッと下げたり、ラインのテンションを緩めると、きちんとハリ掛かりしていない場合にバラシに繋がるので要注意
6.魚が海面に見えたら巻くのを止めて、小型であれば竿を持ち上げて「ヨイショ~!」と抜き上げる。1kgを超えるマダイや良型ゲストの場合は、船長や周りの人に声を掛けてタモですくってもらおう
【船釣り豆知識!!】
大切なドラグ調整
大ダイと細い竿&細いラインで勝負するには、リールのドラグ調整なくして成り立たない。一般的に「ラインの先に水の入った1kgのペットボトルを結んで、持ち上げたときにジーッとドラグが出る程度」なんて言われるが、それがどれくらいなのかよく分からないだろう。とはいえ、このドラグ調整を誤ると、せっかく大ダイを掛けてもラインブレイクに繋がるので、釣りを始める前に船長や仲乗りさんに「ドラグ調整してください」とお願いするのが得策だ。
持参すると便利なアイテム
魚をつかむためのフィッシュグリップ、ハリを外すためのプライヤー、ハサミ、タオルがあると便利。ほかに不意に魚から外れたテンヤから目を守るためのサングラスも持参したい。
レポーターREPORTER
東京都出身
父親の影響で3歳から陸っぱり釣りを始め、小学4年生のときに船釣りに初挑戦。その日はハゼ釣り大会だったが、ひどい船酔いで釣りにならず。ただ、最初の一投で釣れた奇跡の1匹で「ブービー賞」に輝く。幼心に“もう一生船釣りはしない“と心に決めたが、それから10数年の時を経て、運命のイタズラか「船釣り専門誌」の編集者になる。それを機に船釣りの魅力にどっぷりハマる。現在は船釣りメディアから離れ、おでかけメディアの営業マンとして従事。仕事の合間を縫って月に1~2度は船に乗り、周りの”船釣り初挑戦者“を巻き込みながら、船釣りの魅力を1人でも多くの人に知ってもらうために奮闘中。
YouTube:ジローちゃんねる