From HEAT the WEB DIRECTOR 釣りの行き帰り、車内ではどんな話で盛り上がる?

釣りの行き帰り_text-photo岳原雅浩

最近ドライブレコーダーを取り付けている車をよく見かけるようになった気がする。お仕事で活躍する社用車はもちろん、自家用車でも安全のためや万一のトラブルの備えとして、以前よりも普及が進んでいるのではないかと想像される。しかし、せっかく取り付けた高価な機器であるためか、世間では本来の目的以外もさまざまな目的で普及しているようだ。

ドラレコ

つい先日、たまたまYoutubeを観ていると、ドライブレコーダーで撮影されたと思われる動画が、結構な本数あってビックリ! ただ走行しているものから、スポーツドライビング映像や事故映像、無謀運転、なかにはモラルが少々問題なモノも多数…。あえて自分の走りを後から振り返るということは、私にとって興味の対象では無いのだが、人の運転やビックリ映像は確かに衝撃的で、「世間ではこういったものが流行っているのだな~」と新鮮でもあった。
(ただし、これらを娯楽として観ることは、私自身も含め少々モラルに問題があるのではないか?迷惑行為を助長させてしまうのではないか?と、反省するとともに疑問を抱かされた…。話のネタとしてお許し下さい。)
ひととおり観おえた後、ハタと「車外の映像はあるけれど、車内の映像は意外と少ないな・・・」「そういえば釣りの道中、釣り人のみなさんは一体どう過ごしているのかなぁ?」と、他愛のないことが気になった。

私はいつもお仕事での釣りがほとんど。そう多くないものの年間の釣行回数の大半は取材である。そのため、現場までの車中はどうしても同僚との仕事話が多く、業務のノウハウやお説教、お悩み相談となってしまいがちだ。一方、釣りに関係の話はと思い返すと、「今日無事に釣れるかどうかの話」「お天気の話」「過去の釣れた・釣れないの釣り談義」「釣り方・テクニックの豆知識」など、ごくごくフツーな感じ。お仕事スイッチが入っている釣りの道中のためか、もう一つ盛り上がりに欠ける車内ではある・・・。しかしみなさんは、普段趣味として釣りをプライベートで楽しまれている方々。私たちとは違って盛り上がっているのでは?と推測されるが、果たしてどうだろうか? 非常に興味が湧いてくる・・・。

とは言え、公私共に長年釣りに携わる身である。過去にエピソードと呼べる(だろう)出来事の一つや二つはあるもの。恥ずかしながら少しだけご紹介を。

エピソード.1 もの忘れ編

加齢とともにもの忘れが激しくなるのは致し方ないが、それでもなかなか困るもの・・・。
珍しく遠方へ取材の際、普段であれば会社の社用車を運転して現場に向かうところ、諸事情から他の方の車に同乗させていただけることとなった。実は釣り業界ではない、ある専門分野の方と一緒に行動する取材。慣れない土地への遠征、普段と違うメンバー、シチュエーションにやや緊張感を持ちつつ、取材の道具や自分の宿泊荷物を、乗せていただく方の車に移し替えた。今回は自分で運転しないということで身体は気楽なものの、少々申し訳ない気持ちでの移動。せめて車内を和気藹々と和ませるべくサポート役に徹しようと心に決め、後部座席へと乗り込みいざ出発。

忘れもの

順調にスタートし後部座席で車内の会話をうかがう。初対面の方、そして想像通りかなり専門的なワードが飛び交う車内の会話に、集中して耳の感度を上げ、コミュニケーションを図ろうとする私。その甲斐あってか、次第に車内は和み、徐々に私の緊張感も解けていったのだった。そうすると今度は急にお腹がすいてきた。緊張感がなくなると身体が素直に反応するのが自然(動物?)の摂理というもの。出発してからそんなに時間は経っていなかったが、そろそろお昼ご飯の話題もイイかも!と話を切り替えようとしたところ、ふとある不安が頭に湧いてきた「お財布どこに置いたかな・・・?」。会話を楽しみつつ、座席の周辺を手探りと視線だけで探してみるが見当たらない。不安は次第にみるみる増幅し、これはイカンっと、同乗者に正直に告げた。「ひょっとしたら、お財布を忘れてきたかもしれません・・・」。

その後、車内を散々探し記憶をたどった結果、車に荷物を移し替えた際、マイカーの助手席に貴重品の入ったカバン一式を置き忘れて出かけたということが発覚。やむなく取材の道中は、同行の方のスネをかじらせていただくという失態に、情けないばかりであった・・・。

忘れもの

他にも、ライフジャケットを忘れて取材に出かけてしまったり、コンビニで買い込んだ昼食を忘れ船に乗ってしまったエピソードもあるが、どれも苦い思い出ですねぇ。私の知り合いのカメラマンは、カメラを忘れて取材現場に来たこともありますが(笑)。