From HEAT the WEB DIRECTOR 女性の進出と隼華プロジェクト 事務局の実は・・・【後編】

隼華プロジェクト事務局の実は_text-photo岳原雅浩

前号から「女性の進出と隼華プロジェクト -事務局の実は・・・-」と題して隼華プロジェクト発足の経緯や生みの苦しみを紹介してきたが、後編の今回は、苦労を乗り越え前進することで周りの変化を感じつつ新たな課題にチャレンジしていく事務局の思いを紹介したい。

選考を済ませ、晴れて1期メンバーを選出した後もまだまだ苦労は続く。任期中にメンバーの皆さんにご使用いただくグッズアイテム、またはご着用いただくウェアなど、まだまだ当社で取り扱っている女性用アイテムが少ない。そのため提供するアイテムの選定に苦労し、多くの場合男女兼用や男性用アイテムを手配するしかなかった。
そして、いざ釣りイベントを企画してみてもなかなか思うように集客できず、やはりここでも「いったい女性にとって魅力的なイベントとは何だろう…?」と悩み苦しんだ次第だ。

女性メンバー
女性メンバー

しかしながら、事務局運営メンバーの苦悩とは裏腹に、当の隼華メンバーの釣りに対する姿勢は情熱的でたくましい。皆さん目的が明確で目標も高く、それでいて気さくで明るくフレンドリー。担当が言うには、「男性の世界に飛び込み腕を磨く姿は、本当にたくましく、カッコいい。女性だからといって、釣りの時間は短く…、綺麗な場所で…、などと想像していた自分は大変失礼だった(笑)」と語る。
また別の担当は、「釣りに対する思いが非常に熱く、釣りの知識はハヤブサ社員以上に豊富と感心させられた」とも言っていた。まさに『男勝り』とでも言うべきその情熱と行動力は、皆の憧れとなっていったのだ。こう書くと隼華メンバーの皆さんが男性的な印象になってしまい怒られそうだが、決してそればかりではない。ブログにあげていただく記事では、釣った魚を上手に捌き、おいしく調理し、綺麗に盛り付ける様子が度々登場する。このあたりはさすが女性だなと感心せざるを得ない。
社内のある女性社員は、隼華ブログの料理、ファッションなどの記事を非常に興味深く見ており、実際に隼華メンバーのレシピを見て料理をした事もあるそうだ。隼華メンバーの女子力の高さが社内に良い影響を与えているという証拠である。

料理
女性食材

そうして隼華メンバーの皆さんと活動をともにすること2年。社内での変化だけでなく、社外でも変化は訪れているようだ。
手前味噌ではあるが、釣り業界内での「隼華」への関心も徐々に高まりつつあり、雑誌やTV媒体様や小売店様、船宿様から「隼華メンバーを起用したいっ!」といった声も聞こえ始めた。実際にそのようなご要望に応える形で、メンバーの皆さんにご協力をいただいたこともあるのだ。
また、隼華メンバーのなかには、自主的に釣り教室やイベントを企画・開催し、当社の商品をPRしてくれるなど、事務局にとっては大変ありがたい活動をしてくださる方もいる。隼華メンバーの活躍と事務局運営メンバーの努力が上手くシナジー効果となり、そのお陰か、徐々に企画する釣りイベントでも参加された(主に初心者の)お客様から、「また釣りがしたい」「釣りがおもしろい」といった声を聞くことができるようになった。非常に喜ばしい成果である。

隼華メンバー取材
隼華メンバー
活動
船上

徐々に社外での認知度は上がっており、活躍の場が広がってはいるが、しかしまだまだ本来の目的である「女性の釣り人を応援し、女性の釣り人口を増やす」ということには到達できていない。
現実は男性からの支持が圧倒的で、如何に多くの女性、それも釣り経験の少ない女性にこの「隼華」の活動を伝えていくかがプロジェクトの課題であるのだ。 当社の社内でも、釣りガール(レディー)である社長が隼華メンバーとの交流により、もっともっと女性に釣りの楽しさを伝えたいと意気込んでいる反面、実はまだ女性社員の「隼華」に対する関心は低いようだ。
決して無関心ということではない。日頃から釣りに直に接する機会が少なく、また、女性でも「こんな大物が釣れる!」とか、「全国津々浦々に活発に遠征釣りに行っている!」など、憧れとともに驚く女性社員の心情を察するに、たくましくカッコいい隼華メンバーと対等にお付合いするには、やや尻込みをしているような状態なのだ。当社の社員でもこのような状況なのであれば、これは見方を変えると、世の一般女性にとって「釣り」が、「非常に敷居の高いレジャーである」という表れではないかとも感じる。まだまだ課題は山積みだ。

事務局

事務局の運営メンバーは今後の課題をよく理解している。
最終的には「女性の釣り人口を増やし」「釣り市場の活性化に繋げる」ことが目的だが、まずは女性に釣りの楽しさを知っていただき「釣りへの関心を高める」ことが当面の狙いだ。
本年から、隼華プロジェクトのテーマに『釣りの魅力を女性に【伝える】・【広げる】・【応援する】』を掲げ、新たに第3期メンバーの募集を開始したところだ。隼華メンバーにも釣りの魅力を伝え、応援するとともに、広げるお手伝いをしていただく!

メンバー募集

新たに掲げたテーマコピーには、これからの隼華プロジェクトの思いが集約されているように感じる。「女性ならではの視点で女性が参加しやすいイベントを企画する」「隼華メンバーとともにオリジナルグッズを開発する」「活動やSNSを通じて女性アングラー交流の輪を広げる」など夢は膨らむが、着実にそれらを具現化していくのは並々ならぬ努力と苦労を必要とし、事務局の苦労は尽きることがない。 各方面での女性の活躍が目覚しい昨今、釣り業界でも女性の進出を期待し、当社が少しでもお役に立てれば幸いだ。
隼華第3期メンバーを募集している最中。是非是非気軽に、ハヤブサと一緒に釣りを楽しんでくださる女性アングラーのご応募をお待ちしておりますっ!

※原稿執筆時は第3期メンバーを募集しておりましたが、現在は締め切らせていただいております。
※本文は都合により脚色を交えております。ご了承下さい。