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休日を利用して、開放的な非日常空間をのびのびと楽しむキャンプ。自然の真っただ中に身を置いたり、市街地や都市近郊にある施設を活用したりと、思い思いに好みのキャンプ地を選んでいるのではないでしょうか。
自然派キャンプでは森の中や川辺にテントを張るイメージが強いですが、じつは「海辺」のキャンプも人気。釣りやマリンアクティビティ、海岸の散策など、海キャンプならではの魅力があります。
とはいえ、一般的なキャンプと比べて「ハードルが高そう」と一歩引いてしまう人も多いはず。そこで今回は、海辺でのキャンプを成功させるためのコツや注意点をじっくりご紹介していきましょう。
海キャンプには「サンドペグ」の用意を
海キャンプでは、土がある程度固まった林間とは違って、砂浜にテントを張ることがほとんどです。従来のペグではかんたんに抜けてしまったり、砂が柔らかいとペグを打ち込む段階からしっかり刺すことができません。そのため、海キャンプに行くときは砂浜用の「サンドペグ」を用意してください。
従来のペグは細い串のような形状ですが、サンドペグは表面積が広いのが特徴。また長さが40cmにおよぶ商品も多く、接触面が大きくなればなるほど抜けにくくなります。サンドペグを打ち込む際は、垂直ではなく地面に対して60度ほど角度をつけるのがポイント。ロープを結わえる部分を残しつつ、砂にしっかり深く打ち込みましょう。
サンドペグのなかでも、断面が「X字型・Y字型」のタイプは幅広いシチュエーションで使用可能。硬すぎる地面には不向きですが、砂地以外のサイトでも使いたい人にぴったりです。また、「U字型」タイプは硬い地面に強く打ち込むと変形してしまいますが、砂浜では効果を発揮。スタッキングして持ち運べる点も、なるべく荷物を少なくしたい人にとって大きな魅力ではないでしょうか。
ちなみに、杭部分がらせん状になった「スクリュータイプ」もおすすめしたいペグのひとつ。形状的に硬い地面には打ち込みにくいため通常のサイトには使えませんが、砂浜・砂地・雪上ではしっかり活躍してくれるはずです。
海辺は風が吹きやすい
テントを設置する際は、「入り口の向き」にも注意してください。せっかく海辺にベースを構えるなら、テントの口を海側に向けて、波打ち際の光景を楽しみたくなりますよね。しかし海辺は遮るものがなく、基本的には海から陸に向かって風が吹きます。海側にテントの口を向けていると風に運ばれた砂が入ってきてしまったり、風の受け口になってテントが飛ばされてしまう恐れも……。
そのため、海辺にテントを張る際は入り口が海側を向かないようにしましょう。もし海の反対側が山に面している場合は、山から吹き下りてくる風に要注意。風がどの方向から吹いているか考慮して、「風下」に口を向けて設置すれば安心です。テントだけでなくタープや横幕も風の影響を受けやすいので、風が通り抜けていく向きになるようセッティングしてください。
直火禁止を見越して焚き火台を忘れずに
キャンプとなれば料理や暖を取るために、焚き火が必要になります。海キャンプも通常のキャンプと同様に、焚き火がOKの場所か確認を怠ってはいけません。また、焚き火が許可されていても、直火禁止の海岸がほとんど。ルールを破って地面を焦がしてしまうと、せっかくの波打ち際の美しい光景が台無しです。
景観とマナーの両方を守るためにも、焚き火台の用意はマスト。炎が風に煽られて火の粉が飛散すると、周囲の草木などに燃え移ってしまう可能性もあるので、風よけ用のフードも準備しておくといいでしょう。
また、海辺での料理やBBQは、ゴミの管理を徹底する必要もあります。ビニールなどのゴミが波にさらわれたり、風に飛ばされて海側に落ちてしまえば、林間キャンプ以上に回収が困難。現在問題になっている海洋ゴミにならないよう、しっかり目を見張らせてくださいね。
車がスタックしないよう細心の注意を!
駐車場が用意されていれば問題ありませんが、専用スペースがないとついつい車をベース近くまで乗り入れたくなると思います。そんなシチュエーションで厄介なのがタイヤのスタック。砂浜に一度タイヤがはまってしまうと、ちょっとやそっとのことでは抜け出ることができません。タイヤに噛ませるものを準備しなければならず、最悪の場合牽引車が必要になることも。荷物運びが面倒でも、砂浜には近づき過ぎないようにするのが得策です。
定番のキャンプと異なる部分が多く、少しハードルが高めの海キャンプ。注意すべきポイントを事前にしっかり把握して、海辺で過ごす特別な時間を存分に楽しみましょう。