船釣りのはじめ方 【根魚】引きの強さがたまらない!!
三陸発!「ボートロックフィッシュゲーム」のススメ

出船までのステップ

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出船当日は集合時間までに遊漁船の停泊する港に集合してください。同行するアングラー同士で連絡先を交換しておいて、もし不意の事故や到着時間の遅れなどあれば、適宜連絡を取り合って対処しましょう。多少の時間の遅れなどは、出船時間を遅らせるなど柔軟な対応をしてくれる船宿さんが多いものです。

港の指定された駐車場に車を停めたら、タックルなどを準備します。船長がいればしっかりと挨拶して、名前と人数を告げておきます。乗船名簿は必ず記入しなくてはならないことになっています。最近ではネットから事前に乗船名簿を記入できる携帯アプリもありますよ。

乗船前に船長に確認しておくことは、キャストの方法や釣座のローテーション方法など、その遊漁船のローカルルールです。
不特定多数の乗り合い形式の場合、船での立ち位置が前方の方が釣りやすいために釣座をローテーションすることがあります。複数人でチャーターした場合は、仲間内で自由にできるので問題ありません。

船長に釣座などを確認して乗船すれば、いよいよ実釣となります。

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水深のある防波堤の基礎部分など、水中のストラクチャーをタイトにねらうことでバイトを得ていく

根周りを攻める!
ボートロックゲームの釣り方

ボートロックゲームの釣りはバス釣りと基本的に同じです。ストラクチャー周りにルアーを通して、魚の反応を見ながら釣っていきます。基本は「キャスト → ボトムまで沈めて → アクションさせて → バイト → フックアップ → ファイト開始」といった流れです。

リグ(仕掛)の説明

障害物をねらうことになるので、リグはすり抜け能力の高いテキサスリグを中心に使用します。

シンカー(テキサスリグ用のバレットシンカー)はボトムが取れる重さを基本にしますが、ボトムが取れる重さのなかでも、軽い方が魚の食いはよくなります。シンカーは重い方が確実にボトムを取れますし、リグをリフトアップしたあとの着底感などはより分かりやすく釣りしやすいのですが、ショートバイトの原因となったりもします。
また、根を釣るロックゲームではリグの根掛かりのしにくさも大切になってきます。重過ぎるシンカーは根に掛かり過ぎて釣り辛くなるので、上手くシンカーウェイトを使い分けることが大切です。

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シンカーはナツメオモリなどもよく用いられます

オープンウォーターでの釣りならジグヘッドリグも有効です。そのほか、ビフテキ、ダウンショットリグなどライトなリグが効果を発揮する場面もあります。

誘い方(アクション)と掛け方

キャスト後リグが着底したら、ロッドティップを持ち上げます。するとリグはボトムを離れてアクションしながら手前に寄ってきます。

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小型ながらアイナメがヒット

このとき、ロッドティップを上げたままにしておけばリグは斜めにスイミングしながら手前に寄ってきます。リフトアップ後、ティップを下げればリグは移動距離が少なく、すぐ近くにトンッと再び着底します。こちらを「ボトムバンピング」、前者を「ボトムスイミング」と呼び、基本的なリグの操作方法はこの2つとなります。

使い分けは、魚の活性が低くワームに対して反応がスローならば移動距離の少ない「ボトムバンピング」、逆に活性が高く魚の追いが強い場合、イワシなど魚をベイトとしているときなどは「ボトムスイミング」がよいといった具合。ゲームスタート時にこの2つのアクションを試してみて、魚の反応を探るのがよいでしょう。また、有効なアクションによってワームの形状を使い分けるのも効果的です。

魚の活性次第ですが、根に張り付くように定位する魚に対して、ボトムの起伏をトレースするようにスローに釣るのも効果的です。リグをボトムから離しすぎるとバイトすら出ない場合もありますので、リグがポイントを通過するスピードも意識する必要があります。

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魚が着くポイントはそう多くありません。ストラクチャーのエッジ部分やボトムの基礎組みの捨石など、魚が着く場所はある程度決まっています

魚からのバイトがあればロッドを煽りアワセます。バイトからアワセまでの時間は魚の大きさ、活性などで変化しますが、まずはバイトがあってロッドティップに抑え込むような重量感があればアワセてみるのがよいでしょう。結果としてハリ掛かりしなかったときは、やや食い込ませる時間を取ってアワセてみるなど試してみてください。
ワームの大きさと魚の相対的な関係もありますので必ずしも当てはまりませんが、アワセなければ掛からないわけですから、まずはやってみることが先決です。どうしてもフックアップしないときは、ジグヘッドリグを試してみる(オープンフックでハリ掛かりしやすい)、ワームサイズを変えてみるなどの対策も有効です。

取り込み方と締め方

ロックフィッシュのファイトは手強いです。根から引き離すと何度も強い引き込みで根に突っ込み、戻ろうとします。ここで耐えきれずに根の穴などに潜り込まれると、穴の中でエラブタを広げて突っ張り、穴から出てこなくなります。こうならないためにも、まずはフックアップからのファーストファイトでしっかりと根から引き剥がすことが大切です。

オープンウォーターに出してしまえば、あとはファイトを楽しみながらやり取りすればいいでしょう。そして、ボートに寄ってからは最後の突っ込みがありますので、冷静に対処して釣り上げてください(タモ入れしてください)。

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活性が低くても、丁寧に誘うことでヒットにつなげることができるのもロックフィッシュゲームの面白さ

釣り上げたのち持ち帰る場合は、体表のトゲに気をつけながらエラを切り、バケツの中で放血させたのち、氷の入ったクーラーボックスに入れて鮮度を保ちましょう。

ところで、ロックフィッシュは根に着いて成長する魚ですので、個体数は決して多くはありません。リリースすることでまた釣りを楽しめ、多くの子孫を残してくれます。長くこの釣りを楽しむためにも、キープし持ち帰るのは必要最小限にとどめ、魚の数を減らさないようにご協力ください。

ボートロックゲームはアグレッシブにポイントを回りながら、テンポよく釣りができる楽しい釣りです。ねらった場所からねらった通りの魚が出てくると、より釣り上げた充実感を味わえます。リアス式海岸の広がるパノラマのなかで釣りを楽しむのは、最高に気持ちがいいものですよ。
ぜひチャレンジしてみてください。

レポーターREPORTER

堀籠 賢志
プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ