秋の荒食い青物を効率よくねらう!
泳がせ釣りでのエサの確保とアワセのコツ

みなさんお久しぶりです。浜名湖から出船している「青鬼丸」船長の中村です。
今回は、地元で農業に携わる後輩たちが乗船。季節的に農業が一段落し、「お疲れ様会」を兼ねて遊びにきてくれました。5人全員が電動リール初体験といったメンバーで、大物がねらえる秋の「泳がせ釣り」にチャレンジです。果たして釣れるのか? 釣り方のコツを交えつつ、その模様をお届けします。

まずは、エサのアジ釣りから

02_ エサアジ釣果

遠州灘では秋になると「泳がせ釣り」が最盛期となります。
泳がせ釣りでは、絶対に必要なエサであるアジを確保するのが最大のポイント! まずは電動リールの使い方からレクチャーし、一通り理解してくれたところで実釣を開始しました。

魚探にはアジの反応がモリモリ。タナをアナウンスし仕掛を落としてもらうと、早速小アジがHIT! 次々にエサのアジをGETするメンバー。全員がよく知るメンバーとあって、船長である私も含め船上は大騒ぎとなりました。
しかしながら、お祭り騒ぎで誰もが釣れているように見えて、「次々と連続で釣り上げる人」「なかなかHITまで持ち込めない人」といった差が段々と見えてきました…。

泳がせ釣りにはエサの確保が最重要!
そのためには手返しが大事

09_ 釣りシーン

エサとなるアジをなるべくたくさん確保することが最大のポイントである泳がせ釣り。泳がせるエサが弱ってしまい、泳がなくなってしまったら大物の食い付きもイマイチになってしまいます。泳がなくなったエサアジは、なるべく元気なエサアジに交換できるように、とにかくたくさん必要になるのです。
が、やはり釣り初心者の全メンバー。仕掛を絡めたり、ランディングで船の外に落としたりで、なかなか数が伸びません。そこで、私が自ら釣りをして見せ、「こんな感じにすると数が伸びるよ!」とレクチャー。するといい感じでアジが釣れ始め、十分な量のエサを確保することができました。

 

ここで船長の「ワンポイントアドバイス!!」

エサのアジ釣りは手返しが最重要! 投入時に仕掛が絡み投入回数が少なくなると、アジ確保の確率が下がります。
コマセを撒いてアジを確保する場合、船長の投入OKの合図と同時に落とし、指示ダナでアジを掛けて巻き上げ、仕掛を手繰り寄せてアジをキャッチするのですが、重要なのはここから! アジをハリから外したらオモリとサビキを先に海に入れることです! オモリとサビキを海に入れたあとでコマセカゴにコマセを入れることで、船の上でのトラブルが激減し、投入回数が増えてエサアジもたくさん確保できます。

先にコマセカゴにコマセを入れてしまうと、コマセカゴから海に入れたくなります。しかし、コマセが入ったコマセカゴは重いので、サビキを引っ張って連れていってしまうのです。このときに仕掛が絡んだり、服にハリが刺さったりといったトラブルが増えてしまいます。ですので、私は2回目の投入時は必ずオモリとサビキを先に海に入れるようにオススメしています。

いざっ!大物ねらいに!!

03_ ワラサ釣果

十分にエサのアジを確保したら、次は大物ねらいにチェンジ
以前にも記事に書いたように、オーソドックスに泳がせ仕掛を使用するのもOKですが、タテ釣り仕掛に後付けでエサアジを付けて落とすのも一つの手です。
タテ釣り仕掛は泳がせ仕掛のようにトレブルフックがないので、アタってもハリ掛かりしないことがあります。しかし、トレブルフックが付いている泳がせ仕掛だとエサアジが弱るのも早くなるので、状況によって使い分けるのがベストです。

そんな仕掛の説明をすると、全員がタテ釣り仕掛をセレクト。タテ釣り仕掛のハリにアジを付ける方法をレクチャーして、「タテ釣り仕掛の泳がせ仕様」的な作戦で大物ねらいへ。

大物にビックリアワセは効かない…
しっかり食わせるコツは?

04_ ニベ釣果

ポイントに到着したら、全員同時に投入開始。着底したら糸フケをすばやく取り、大物からのアタリを待ちます。
するとイキナリ同時HIT! 結構な引きでメンバーは早々にお祭り騒ぎに。そうして上がってきた最初の大物はニベでした~。今年は異常なくらいニベが多い気がします。さらに、同時HITしながらも遅れて上がってきたのはワラサ。まずまずのサイズだったので引きも強烈! 初青物に大興奮していました。

そのあとも順調にアタリがあるのですが、早アワセ連発でスッポ抜けも連発…
大物からのアタリがあると焦るのは分かりますが、早アワセはスッポ抜けの原因になるので、アタリがあったらよく食い込ませることを伝え、次からの投入に備えてもらいました。おかげで時間が経つにつれて、スッポ抜けは少なくなってきたのですが、どうにもニベからの猛攻が止まらず苦戦……。

05_ シイラ釣果

そんななか、エサアジを巻き上げていたメンバーに強烈なアタリがっ! 一気に糸が引き出されたのを皮切りに、普段なかなか見せることがないくらいの真剣な表情でファイトを開始しました! ほどなくして水面を割って跳ねた魚は、メーターオーバーのシイラ。この時期には比較的珍しい良型です! 何度も何度も糸を出されては巻き…を繰り返して、ようやく大物シイラをGET! ま~大爆笑の大騒ぎでした。

シイラが上がったあと、途中から大アジ釣りにシフトしたメンバーは大アジを連発。たまに掛かってくるエササイズのアジをほかのメンバーに提供し、そのエサアジを使ってまたニベを釣る。そんなパターンを繰り返して、この日の釣りは終了となりました。

06_ 大アジ釣果

釣れたら美味しく食べよう!

ポイントから港に戻る最中は、どんな食べ方が美味しいのか? といった質問タイム。大アジはタタキや刺身、開きにしても最高ですし、ワラサは刺身、煮付け、塩焼きといった食べ方をオススメしました。
そして大漁のニベ…。わりとみなさんニベを敬遠しがちですが、フライにするとひじょうに美味しい魚です。タルタルソースで食べれば子どもたちもパクパク食べてくれます! シイラもフライが美味しいですが、これからの時期は刺身でもひじょうに美味しくいただけます。

そうして港に戻ってからはそれぞれ釣った魚を分けお開きに。乗船してくれたメンバーは「本当に楽しかった!」を連発して帰っていってくれました~。

07_ 当日の釣果

 

今回は全メンバーが手ぶら(飲食物だけ持ち込み)での利用でした。タックルも平日なら無料でレンタルしていますし、ライフジャケットは通年無料です。仕掛やコマセのことも分からないとのことだったので、私が釣具屋さんに行き仕掛とコマセを購入。乗船代と別にお代をいただきました。このように、仕掛など分からなければ事前に用意しておきますのでお気軽にご相談くださいね。
まだまだ水温が高く、泳がせ釣りも年末までいけそうな雰囲気です。ぜひみなさんこの時期に遊びにきてください。

ちなみに、当青鬼丸にはトイレが付いていますので、女性や子どもさんでも安心してご利用いただけます。また、電動リールの電源も船にありますので、バッテリーの持ち込みも不用です。
まだまだコロナ禍ではありますが、細心の注意を払いながら、少しでも快適に釣りを楽しんでいただけるよう営業していますので、ぜひご利用ください。みなさんのお越しをお待ちしております。

08_ 集合写真

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、店舗・施設や遊漁船によって営業時間の変更や休業の可能性があります。お出掛けの際には公式HPにてご確認ください。また、事前に地域の情報を確認したうえで釣行の計画、万全の対策、ソーシャルディスタンスの確保をお願いいたします。

 

レポーターREPORTER

プロフィール:中村 浩之
浜名湖近郊に生まれ、幼少のころから魚釣りにどっぷりハマる。そして気がつけば遊漁船の船長&漁師になっていた、根っからのフィッシャーマン。浜名湖・遠州灘エリアを今日も元気にガイド中!