アユ釣りは意外にお手軽!?
あなたも「アユの友釣り」始めませんか?

突然ですが、「鮎(アユ)」にどんなイメージをお持ちですか? 「綺麗な川に棲んでいる魚」「高級料亭で出てくる魚」「夏の風物詩」そして「ナワバリを持って喧嘩をする魚」…などでしょうか。
そんなアユを釣り上げるには「アユの友釣り」が有名です。釣り人を魅了して止まないこの友釣りは、アユが持つ縄張り(ナワバリ)行動を利用した釣りで、ナワバリに入ってきたほかのアユと喧嘩をする習性を利用した釣り方です。

01_ 泳ぐアユ(鮎)

今回は「アユの友釣り」の魅力や面白さ、そして、「アユ釣りを始めるには…?」といった疑問にお答えすべく、未経験者の方に向けたアユ釣りガイダンスをお届けいたします。

アユの友釣りって?

02_ アユ

先述した通り、「アユの友釣り」は自らのナワバリに入ってきたほかのアユと喧嘩をする習性を利用した釣り方です。アユは川底の石や岩に着いたコケを食べて成長するのですが、より良質なコケを確保するためにナワバリを持ち、そのナワバリに入ってきたほかのアユを追い払うというワケです。

そこで、「オトリアユ」と呼ばれるアユの鼻にハナカンを通し、お尻に掛けバリをつけ、野生のアユのナワバリに誘導して喧嘩をさせます。体当たりしてきた野アユを、掛けバリに掛けて釣るのです。
川の中に立ち入り、オトリアユを優しく誘導する…。あるときはオトリアユの気持ちになってねらったポイントに送り込み、またあるときは野アユの気持ちになって居着くポイントを探るといった、まさに自然と一体になって釣るこの感じ。一度体験したら絶対にハマりますよ。

アユ釣りの始め方

 

アユ釣りは難しい?

アユ釣りってハードルが高く感じていませんか? 「竿が高い」「道具がたくさんある」「釣り方が分からない」などなど、取っ付きにくいイメージがあるのは事実。しかし、実は最初の1尾は初心者でも意外とかんたんに釣ることできちゃうんです。何せアユ釣りには「1に場所、2にオトリ、3に腕(仕掛)」って格言があるくらい場所とオトリが重要で、逆に場所とオトリがよければ、オトリアユがちゃんと野アユを連れてきてくれるんです。

03_ アユの友釣り

人から教わって始める

04_ 友釣りシーン

アユ釣りを始めるにはこれが一番かんたんで確実です。
身近にアユ釣りをしている人いませんか? 知人、友人、親戚でアユ釣りをしている人がいなくても、そのお父さんにまで手を広げると、結構な確率で見つかるはずです。または、アユコーナーがある釣具屋さんで「始めたいけど分からない…」って伝えれば、きっと親身になって教えてくれます。アユ釣り師は人に教えることが好きな人が多いですから(笑)。
思い切って「一緒に行ってほしい」ってお願いすれば、きっと快くOKしてくれるはず。当日もなんとか釣らせてあげようと、よい場所によいオトリを譲ってくれるので、あとはアユを信じて泳がせてあげればきっと釣れるはずです。

講習会に参加して始める

とはいうものの、なかなか身近で頼める人に出会えないこともあります。でも大丈夫。釣具屋さんや漁協、オトリアユを売っているオトリ屋さんなどで初心者講習会を開催しているところがたくさんあります。
講習会であれば周りもみんな初心者なので、安心していろいろと質問できちゃいますし、道具や仕掛を貸してくれちゃうこともあります。そのあとも、川に行く度に出会う知人もできちゃいますよ。

独学で始める

教えてくれる人も見つからない、講習会もやっていない…。ならば、最後は独学で始めちゃいましょう。
最近はYouTubeなどネットの情報もたくさんありますが、一番はやっぱり本で学ぶことをオススメします。専門書のよいところは、知りたい情報にかんたんにアクセスできるところです。ページをパラパラっとめくるだけで何度も読み返せるうえ、情報が頭に入るまでストックできるので、まずは本でしっかりと学んで、そのあと動画でイメージを膨らませれば完璧ですね。

05_ アユの友釣り

アユ釣りの嬉しい魅力

 

友釣りで友が増える

30歳を過ぎた辺りから、身近な友人も仕事や家族のことで忙しくなり、なかなか予定が合わなくなってきていませんか? 初めこそ誰かの助けが必要なことも多いアユ釣りですが、一度始めてしまえばいつでも1人で楽しめちゃいます。
また、1人だとつまんないと思う方も大丈夫です。アユ釣り師は川にたくさん居ますし、何度か通えばすぐに友人もできちゃいます。友釣り上手は友作りも上手ですから(笑)。しかもアユ釣り師は比較的年配の方が多いです。釣り場で困ったときも優しく助けてくれます。何より40歳越えてもニイチャンって呼ばれると、なんだか若返った気分になれますよ。

06_ アユの友釣り

自然に詳しくなる

アユ釣りは自然環境に左右されやすい釣りです。そのときの気温や水温、降雨や日照時間などで川の環境は変化し、その変化に合わせてアユの釣れ方も変わってきます。川の状況をよく観察することで、より釣れるようになります。こうして身に付けた川の知識は、子どもと川遊びしたときにも役立ちます。
どこにどんな生き物がいるか、どうしたら捕まえられるか、子どもたちに教えてあげてください。もう尊敬の眼差しを一身に浴びることができるでしょう。また、川の危険な場所や状況にも詳しくなれますので、安全に子どもたちを遊ばせてあげることにつながります。

07_ 子どもの友釣りシーン
子どもが自然に親しむきっかけ、また、自然の厳しさを学ぶ場にもなります

もちろん食べて美味しい!

もうこれは言わずもがな。かの有名な美食家、北大路魯山人氏も愛したアユ。天然物のアユは近所のスーパーなどではなかなかお目にかかれないと思います。また、アユは鮮度が落ちるのが早い魚です。少しでも鮮度のよい美味しい天然アユを食べるには、自分で釣るのが1番です。軽く塩を振って焼くだけで香魚と呼ばれる香り豊かなアユがいただけます。一度食べたら病みつきですよ。

08_ 串に刺したアユ(鮎)
09_ アユの塩焼き
塩を軽く振って焼くだけで、それはそれは美味しいアユの塩焼き!

奥が深い釣り

アユ釣りは初心者でも場所とオトリがよければあっさりと釣れる釣りです。しかし、同じ場所、同じオトリでも、上級者であれば5~10倍ほど釣ってしまいます。極めるには奥が深いので、いつまでも飽きることなく続けることができます(自分の伸びしろを楽しめるのです)。
また、アユ釣りは大会も盛んに行われています。漁協やオトリ屋さん規模の小さな大会から、大きなメーカーさんの全国規模の大会まで、たくさんのアユ師が日々磨いた腕を競い合っています。腕を磨く楽しみもアユ釣りの魅力の一つです。

10_ アユの友釣りシーン

何はともあれ、アユ釣りを始めてみませんか?

とはいえ、何かとお金が掛かるアユ釣り。エントリーモデルの竿でも2~3万円、そこから必要なタモや引き船といった道具、川に入るためのアユ足袋、仕掛やハリ、そして遊魚券にオトリ代も必要です。全てそろえるとなると、やはりハードルの高い趣味になっちゃいますね…。

でも大丈夫です! 漁協やオトリ屋さんによっては道具のレンタルを行なっているところもあります。たとえば、和歌山の内水面漁連では初心者の方用に竿や道具の無料レンタルをやっています。そして、経験者の知人は必ず予備の道具を持っているでしょう。今はネットフリマやオークションでも安く購入することもできますし、万が一(ないとは思いますが)楽しくなければそうした手段で売ることもできます。とにかく、釣り経験者も未経験者も、まずは一歩踏み出してアユ釣りしましょう!
アユ釣りの深い沼は、いつでもあなたを待っていますよ。

11_ 釣れたアユ(鮎)

 

レポーターREPORTER

東村 良平
プロフィール:東村 良平
兵庫県在住
海のエサ釣りに始まり、ライトゲーム、青物釣り、タイラバを経て、ここ数年は渓流ルアーやエリアトラウト、アユ釣りなどをメインに、家族で釣りや川遊び、キャンプなど自然を満喫。「ライトガチ」をモットーに道具や方法にこだわり過ぎず、楽しむことに全力を注いでいる。
インスタグラム:
@azuman1980 (URL:https://www.instagram.com/azuman1980/)