サラリーマン必見??
都市型の釣り=アーバンフィッシングのススメ
No.19 夏の夜の大阪はチヌにクワガタに大忙しやで!

「アーバンフィッシング」の大ファンであるHEATの読者様こんにちは! コロナ禍において自分にとっての一番の変化の一つだったかもしれないのは、アーバンフィッシングから遠ざかったことかもしれません。ちょっと世の中の雰囲気的に街中で釣りはいかがなものかという考えもあったし、何より都市部での打ち合わせやイベント、仕事が激減したことで、そもそも気軽なアーバンフィッシングが楽しみにくくなっていました。

がしかし、ペーパービューでも感じることのできないリアルはやはりフィールドにしかないわけですし、ときには街へ繰り出してお仕事をしないといけないわけで…。いや、もう我慢も限界だということで、久しぶりにアーバンフィッシング再開でございます(笑)。
心待ちにしていた方も、全然待っていなかったという方も、ぜひお付き合いくださいませ。

久しぶりのアーバンフィッシングは大阪

久しぶりの取材の舞台、またの名を出張先という今回のフィールドは大阪。昔1年と少し住んだことのある街で、都市型の河川がいくつも流れる関西最大のアーバンフィッシングエリアと呼んでもいいでしょう。東京に比べると自由に歩ける水辺も多い印象で、僕にとって慣れ親しんだ東京湾「湾奥」とは似て非なる、どこか新鮮な場所です。
かなり早い梅雨明けの宣言とともに一気に暑くなった大阪。日常のなかにひっそりといきづく自然という非日常を求めて、ネオンに照らされる水面を「騒がせに」に行ってきました。

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今回の釣り仲間

大阪には年に数回、Huerco(フエルコ)の打ち合わせやイベントなどで訪れ、ありがたいことに大阪に住んでいたころの友人や行きつけのお店なんかも未だに仲良くしてくれるので、大阪への旅は毎回すごく楽しみなのです。しかし、今回はいつも付き合ってくれるペスカトーレが忙しいらしい…。そこで、ダメもとで誘ってみたら意外にも即OKだった高田さんが今回のパートナー!?

02_PROF
高田郁人:Huerco(ルーデンスフィールド)代表。どのような釣りでもこなすように見せかけ、酒に合う魚を釣ることを得意とする。また、釣った魚は自らさばき夜な夜な晩酌を楽しんでいる。釣り歴は長く、Huercoロッドの監修にも深く関わる

しゃあなしで声掛けてみた、みたいに書いてしまったけどフエルコの代表です(笑)。
僕は勝手に東京はシーバス、大阪ならチヌ! みたいなイメージがあって、チヌが釣りたいとリクエストしてみたら割とイージーな釣りになると返答が…。まあこの手の話は大体始まったらタフなので、話半分で聞きながらタックルを準備しました。

全然どうでもいい話だけど、僕がビールを飲むようになったのは高田さんとオランダのどこかの駅前のカフェで飲んだのがきっかけ。本当にどうでもいい(笑)。

チヌってやっぱりタフ

いや分かってましたこの展開…。釣りを開始したのは確か20時ごろだったと思いますが、潮も悪くないし川の流れも効いていて釣れそうは釣れそう。しかし魚かの反応が全くないので、ポイントを2ヵ所ほど回ってから大きく移動し市内の別の川へ。

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大自然の中とは違った雰囲気だけど、それがまたいい

そもそも僕は昔からチヌとの相性が悪いんです(下手なんじゃない相性が悪い)。チヌならいつでも釣れるよという言葉を信じて、何度か大阪市内の河川は出掛けていますが未だに釣れたことがなく、以前香川に行ったときなんかは、橋脚におびただしい数のチヌがいるにも関わらず僕だけ釣れなかったり(苦笑)。
…で結局、「本当にこんなとこ釣れるの?」と言いたくなるようなのっぺりとした護岸を喋りながら”テクトロ(テクテクトローリングの略)”していると、コン! とこの日初めての手応えが。なんだかこの釣れなそうなドブ川が突然魅力的なアーバンフィールドに見えてきました!

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上:HuercoXT711-5S 下:HuercoXTT711-5C
高田さんベイトタックル。ボトムをとっていく釣りではベイトの操作性やダイレクト感にはメリットも多く、足下を落とし込んでいくような釣りでも手返しよく攻めることができて、このフィールドと釣りにはとてもマッチしていた印象
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ルアーはこんな感じで厳選したワーム類を小さなポーチに入れてコンパクトに。最近の当たりワームを高田さんにほとんど借りました(笑)

ストリートイエローフィンフィッシング

一度アタったものの、そのあとが続かず結構諦めムード。釣り進むとちょうど小さな用水路の合流地点になり、これ以上は前に進めなくなると思い振り返ると、その瞬間に高田さんが小さく「食った!」と言いながらフッキングするシーンを目撃。ちょっと濁りのある水の中から銀色に輝く魚体が浮いてきました。フックを外しながら「いつもはこんな難しくないんやけどな」とつぶやく高田さんを見て、”これいつものやつや~”となるのでした。

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壁に描かれたグラフィティも含めてザ・ストリートフィッシングな1枚

 

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最近は関東での生息数も増えてきているといわれるキビレ(標準和名:キチヌ)。同じ総称のチヌと呼ばれるクロダイに比べるとよりアグレッシブらしく、「今日は潮周りもよくないしチヌでも行くか!?」みたいな(愛情を込めて)しゃあなし感を出されるぐらいに親しみのあるターゲット。
あ、もちろん僕は釣れませんでした…。

おまけ:アーバンスタッグビートル

話は変わり…。高田さんは、いや正確には高田さんの息子さんが、実は僕の最近のクワガタ熱をこじらせたきっかけともいえる師匠的存在なのです。そんな彼が安定のチヌ坊主を食らった僕のために、翌朝にアーバンスタッグビートルというおかわり釣行(虫だけど)を決定してくれて、この日は解散。クワガタは英語でSTAG BEETLEと言います。

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ヒラタクワガタにコクワガタ。撮影後1ペアだけキープしてあとはリリース

ターゲットはヒラタクワガタ。僕の住む北関東では生息数が少ないクワガタで、オオクワに次いで幼いころの憧れ虫のひとつ。先日サキシマヒラタは捕まえたけどワイルドの本土ヒラタにトライするのは初めて。

旅は笑顔、石垣島にタナゴモドキとサキシマヒラタを求めて

 

集合したのは5時過ぎ。しかし5時過ぎとは思えないほどの日差しで、河川敷を10分も歩くと汗が噴き出てくる真夏日です。これは確かに早朝からやらないと体力が持たなそう。それにしても高田さん、チヌだけじゃなくクワガタまでガイドしてもらうとかコキ使いまくりで本当にごめんなさい。みなさんもう一度言いますがこの方フエルコの代表ですからね!

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いろいろな態勢でうろを覗き込んでつついたり照らしたり、童心に帰れる瞬間です

ニレやヤナギの木を探して河川敷のちょっとした森を散策し、すごく怪しい教科書通りな洞(うろ)を見つけてライトで照らすとクワガタのお尻が見える! 近くに落ちていたふにゃふにゃの枝じゃ話にならいので高田さんを呼ぶと、ポーチから針金を取り出しツンツン……。すると本命のヒラタクワガタがカサカサと出てきました! しかもペアで!

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こんな憧れの1シーンを見られて感無量。実際に捕まえて測るよりも大きく見えました

さらにそのあとは樹液を吸うカップルも発見し大満足で早々に納竿(?)。朝マックをして解散後、帰路についたのでした。
釣りは奮わずだったけど、街に点在する自然の残るエリアを回るのは本当に楽しい。大阪市内でお目当ての魚もクワガタも見ることができ、充実した旅となりました。

さて、次はどの街を目指そうか。

 

レポーターREPORTER

ショータ・ジェンキンス
プロフィール:ショータ・ジェンキンス
栃木県在住。国内のトラウトフィッシングから海外の釣りまで、人生を豊かにするライフスタイルとしての釣りを日々模索し発信しているフィッシングピーターパン。PIKE STREET MARKETディレクター。ひと×コト×Sakana栃木PRアンバサダー。
サポートメーカー:Huerco、BIGFISH1983、Rマジックテスター。VARIVASフィールドモニター、Patagoniaプロセールスプログラム。
インスタグラム:
@shota_jenkins_konno (URL: https://www.instagram.com/shota_jenkins_konno/)
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