旅と釣りを楽しむ豆知識 No.1 パックロッドの持ち運び方とケースの選択

HEAT読者のみなさんこんにちは! コロナ禍で思うように遠征ができず、釣行記を書けずにモヤモヤしていたところでしたが、海外に行けないであろうこの間に、旅と釣りの準備や道具についてお話をしたいと思いシリーズ化することにしました。
元来ガサツな性格なのでタメになるか分かりませんが、今回はジェンキンスが普段どうやってパックロッドを収納したり持ち運んだりしているかについて、いつもの釣行記よりも少し突っ込んでお届けします。決してパックロッド=遠征というわけではないので、普段の釣りからフィッシングキャンプまで幅広く活かせる豆知識やHow toをこれからもご紹介していければと思います。

そもそもパックロッドとは?

01_パックロッド

パックロッドには他にもいろいろな呼び方や種類があり、マルチピースだとかコンパクトロッド、テレスコピック(振り出し竿)など、メーカーさんによっても呼び方に違いがありますが、パックロッドと呼ぶと継竿を意味する場合が多いように思います。僕自身も同じようにコンパクトになる振り出し竿はテレスコと呼び分け、パックロッドというと4ピースだったり5ピースだったり、継竿のイメージ。しかし共通のコンセプトとしてはコンパクトに収納できて持ち運びもかんたんな「トラベルロッド」なので、そういう意味ではやはり同じカテゴリーなのかなと思います。

そもそもあまり触れる機会がない人も多いかと思いますので、興味があればぜひ本文末の動画もご覧になってみてください。紹介しているのはHuercoというブランドの竿ですが、パックロッド自体は複数のメーカーからリリースされていて、強みや特性もさまざまです。きっとこれからもっと盛り上がっていくカテゴリーだと思っています。

パックロッドの持ち運び方

さて本題ですが、パックロッドを使うほとんどの方が旅のついでだったり、または軽自動車だからスペースを節約したいなど、その携行性コンパクト性を重視していると思います。しかし手荒く扱ってしまえばティップ部分を破損してしまったり潰して壊してしまったり…。また、バラバラにしたロッドだけ手に持って移動していると、単純に紛失してしまうなんてこともあります。なのでここでは実際に僕がどんなケースを使って竿を収納・持ち運びしているかを紹介したいと思います。

遠征のとき

02_MEIHO

竿によってはセミハードの収納ケースなどがセットになっているものもありますが、ここ2、3年僕がずっと使っているのはMEIHOさんの出している「ロングケース620」。仕舞い寸法(竿をバラしたときの長さ)が60cm以下の竿なら複数本入れることができて、中も見やすいためひじょうに使いやすいです。国内外を問わずある程度長期間の遠征や、荷物が多く大きめのキャリーバッグを飛行機やバスに預ける場合はこのケースに収納し、詰め込む際に周りにウェアや寝袋などを配置して少しでも緩衝材になるようにします。

ときどき「機内持ち込みが可能」というフレーズも耳にしますが、国際線の飛行機の場合、釣竿は”カーボン性の鋭利な棒”。要は危険物と判断されるためほとんどの場合機内に持ち込むことができません。国内線でも一度引っかかったことがあるので、それ以来どこに行くときも飛行機のときはロッドを預け荷物に入れています。

03_遠征
写真中央、このときは確か4本収納

車での移動

04_車の移動

車で移動するときは、1ピースのロッドと同様に備え付けのロッドホルダーを利用したり、そのままハッチバックを開けてロッドを置いてしまうこともあります。しかし、ラン&ガンをするときほどこまめにロッドを出し入れするわけではないときには、少しでも破損のリスクを減らすために一度ロッドをバラして収納します。
とくに長距離移動や、キャンプをともなうなどの荷物をたくさん積んでいるときには、思いもよらぬ”荷ずれ”などでラインが引っぱられてロッドが破損したりするケースも聞いたことがあります。上で紹介したロングケースでもよいですし、ホームセンターなどで売っているコンテナケースツールボックスを使い、まとめて収納するのがよりオススメです。丈夫なものにすればケースの上からさらにウェアやタックルを積んでも安心ですね。天井のホルダーだと数が限られますが、僕が使っているようなボックスなら20本近くロッドを積んでおくことができます。

05_ハードケース
ちなみに僕が使っているのはアイリスオーヤマの700サイズのハードケースです

釣り場での移動

06_渓流

実は一番よく聞かれるのが実際に釣りをしているとき、ポイントを移動するときの持ち運び方です。
パックロッドの一番の強みである機動力を最大限発揮するためには、ポイント移動時に一度バラしたロッドを収納できるコンパクトケース、またはぶつけたり引っ掛けてしまったりからロッドを守るためのカバーも用意することをオススメします。さらに、渓流などハードな移動のときや危険をともなうようなフィールドでは両手を空けておきたいので、手持ちではなくバッグにしまうのが必須です。僕は塩ビ管を使って自作したロッドチューブをリュックに差し込んだり、横にくくりつけて移動することが多いです。

07_チューブ
自作チューブのいいところは用途やフィールドに合わせて好みの長さで作れるところ
08_ロングケース
複数本フィールドに持ち込む場合にはやっぱりMEIHOのケースが活躍

仕舞い寸法が長い場合や、トレッキングしたあとに一度ベースを決めて釣りができる場合などは、MEIHOのロングケースを使います。より軽量化を図りたいときやそこまでハードな行程でないときには、単にネオプレンの竿袋やロッドベルトでまとめる場合もありますが、転んだときのリスクを考えるとできるだけハードなケースがベスト。塩ビ管の自作ロッドチューブは1000円もしないで作れるので一度試してみてください。(そのうちそのレシピも書こうかな)

収納・持ち運びするときのコツと注意点

09_注意点

ケースに仕舞うことで、よっぽどの衝撃を与えたり踏み潰してしまわない限り破損の恐れはないかもしれませんが、収納時のちょっとしたコツをご紹介しておきます。

まず複数のロッドを一つのケースに仕舞う場合は、ロッド袋やロッドベルトを使って必ずロッドごとにまとめて入れましょう。バラバラにしてしまうと単純にどれがどのロッドなのか分からなくなって組み立てるのに時間が掛かってしまうのと、紛失の原因にもなります。そしてネオプレン製のバッグやベルトを使うことで、ケースの中でロッドが揺さぶられたりして傷ついたり壊れてしまうことを防止できます。

10_グリップ別
ブランクスとグリップを別々に収納した場合

次にスピニングロッドなど、大きなガイドを含むロッドを収納する場合はガイドを潰さないように十分注意しながら入れましょう。あまりにキチキチになってしまうときは、破損の恐れが少ないグリップ部分だけを別でまとめて持ち運ぶなど、工夫してスペースを確保します。

11_ガイド
このようにまとめたときに大きく出っ張るガイドに注意する

長期の遠征や遠くに行くときは、余裕を持って一度ガイドや継ぎ目に破損がないかチェックしておきましょう。目的地に着いたものの、もともとガイドリングが割れていたり竿に大きな傷が入っていたりでは勿体ないですね。
ちなみに僕やHuercoのスタッフは、遠征時にはティップ部分だけスペアを一緒に持っていくことが多いです。普段よく行く釣りでそこまで準備する必要はないかもしれませんが、パックロッドに限らずどの竿にも不意のトラブルなどで折れてしまう可能性があります。そしてその多くがティップ部分です。なかなか行けないような場所で釣りができる機会に恵まれたときこそ「備えあれば憂いなし」、スペアを用意しておくことをオススメします。
また逆に考えると、ティップでもバットでも壊れてしまった部分だけ買い替えたり、スペアに交換することで、そのロッドを使い続けることができるのはパックロッドの強みでもあります。

12_飛行機
遠征でそもそも飛行機が飛ばずに立ち往生している写真。いくら準備してもこんなときもあります(笑)

 

いかがでしたでしょうか? 今後もパックロッドでの実釣編や釣り旅のときのルアー選びなどを紹介できたらと思っていますし、他にも釣り旅や道具についてこんなことが聞きたい! などの質問やご要望があればどんどんお応えしていきたいと思っていますので、僕のSNSでもHEATさんのSNSでも(?)DMをいただけたら嬉しいです。


【本当にパックロッド?】フエルコXT711-5Sの魅力をレビューしたい【Huerco】
https://www.youtube.com/

【本当にパックロッド?】フエルコXT711-5Sの魅力をレビューしたい【Huerco】

 

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ショータ・ジェンキンス
プロフィール:ショータ・ジェンキンス
栃木県在住。国内のトラウトフィッシングから海外の釣りまで、人生を豊かにするライフスタイルとしての釣りを日々模索し発信しているフィッシングピーターパン。PIKE STREET MARKETディレクター。ひと×コト×Sakana栃木PRアンバサダー。
サポートメーカー:Huerco、BIGFISH1983、Rマジックテスター。VARIVASフィールドモニター、Patagoniaプロセールスプログラム。
インスタグラム:
@shota_jenkins_konno (URL: https://www.instagram.com/shota_jenkins_konno/)
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