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サバといえば、ほぼ日本全国で釣れる魚と認識していますが、私の住む北海道では基本的には「夏」に釣れる魚です。時には季節を無視して神出鬼没に接岸することもあります。ただ今年(2020年)に限っては、春から現在(晩秋)まで途切れることなく釣れているといった状況。日本海~太平洋、とくに道央圏での大型港は連日家族連れで大賑わいしておりました。
なかには「ルアーフィッシングでサクラマスをねらうもサバが入れ食い状態…」「投げ釣りでサケをねらうとサバにエサを取られ…」といった具合に、ゲストのサバがルアーに掛かる、エサを盗られるなどといった嬉しい(?)悩みも多く耳にしました。
私はボウズ回避の保険的思惑で、サバのサビキ釣りをしていました。エギングでスルメイカをねらいに行くも釣れず…、もしくは、投げ釣りでマアナゴをねらいに行くも釣れず…。しかしそんなときでもサビキを出せばサバが大漁です! モチロン純粋にサバのみをねらった釣行もありましたが、釣果ナシはありませんでした。
そんなわけで今回は、サビキでねらうサバ釣りのポイントと、美味しい塩焼きをレポートしたいと思います。
サビキ釣りでねらうサバ
タックルの見直しで差をつける!
「お隣はたくさん釣っているのに、自分は釣れない」こうした経験がある方は多いと思います。私もこうした悔しい思いを何度も繰り返してきましたが、サビキ釣りに関してはタックルを見直すことがひじょうに大事です。
仕掛・偏光サングラス・投光器
サバのサビキ釣りでポピュラーな仕掛はスキンやハゲ皮つきのサビキ仕掛。
岸寄りしたばかりのサバは食いがいいのですが、時間が経つとスキンやハゲ皮といった擬餌(ギジ)を見切ってしまい、寄せエサのアミエビだけを上手に食べます。
こうしてスレてしまい、食いが悪くなったサバには「素バリ」のサビキ仕掛が効果的です。スピードアミエビ付け器を使用し素バリにアミエビをこすり付けると、食い付きが断然よくなります。またハリに食い付いてもすぐに吐き出してしまうので、サバが見える場合は俗にいうサイトフィッシングで、ハリを食った瞬間にアワせるとよいでしょう。
日中こうしたサイトフィッシングには偏光サングラスが必需品です。また、夜間は投光器で海面を照らしてサバを寄せるといいでしょう。
ロッド
ロッドホルダーに置き竿する場合はなるべく柔らかいロッドを使用するとよいでしょう。
磯竿であれば2号程度がベスト。オモリを重くし過ぎるとせっかく食い込みのよい柔らかいロッドの性質が死んでしまうため、竿先があまり曲がり過ぎない程度のオモリを使用しましょう。
ライン
そしてラインはPEラインがおススメ。ナイロンラインでもOKですが、古く巻きグセの付いているラインは厳禁。巻きグセのついたラインではアタリが竿先に伝わらないのです…。
PEなら1号、ナイロンラインなら2号前後と細めのラインが有効です。
寄せエサ・カゴ
アミエビは新鮮なものを。冷凍解凍を繰り返したものはアミエビの形が崩れているため、サバは寄らなくなります。
群れが居ない場合はアミエビをやたらと撒くよりも、アミエビをカゴに入れ、仕掛にセットし、置き竿にした方がよいでしょう。
ちなみに、タックルではありませんが、便利なアイテムの一つとして「ハリ外し」がおススメ!ハリを喉の奥まで飲み込まれた際も、手間取ることなくスムーズにハリが外せるので、手返しがグンとよくなります。
釣ったサバは「深夜食堂」へ持ち込み
サバは群れに当たれば、あっという間に100匹超えの釣果を得ることができます。たくさん釣り過ぎても下処理は比較的楽なので、「サバの味噌煮」を作れば日持ちします。
しかし、私が好きなサバ料理はシンプルな「塩焼き」。
大好物です! 他の魚は開いて塩漬けにし、一夜干しなど少々手間をかけるのですが、サバは新鮮なうちにそのまま塩焼きにするのが一番美味しいと感じています。
今回は、HEATでも何度か紹介させていただいた地元の居酒屋「深夜食堂」へ持ち込み!!
まだまだ名前は明かせませんが、石狩市花川地区にひっそりとある女将さん1人で切り盛りしている居酒屋さんです。
釣った魚をよくここに持ち込む私は、他のお客さんから「魚屋さん?」と思われているみたいです(笑)。
そして私のリクエストで「サバの塩焼き」を作ってもらいました。
ゆずと大根おろしを付け加えればインスタ映え間違いなし! 流石プロの焼き加減です!
私が焼くと、生焼けしてないか心配し過ぎていつも焼き過ぎてしまいます(笑)。焼き過ぎてしまうと旨味が逃げてしまい食感もパサついてしまいますが、お店で焼いてもらったサバは水っぽさがなくふっくらとしており、多少の香ばしさもあって素晴らしい仕上がりでした。
そしてもう一つ、わがままを言って作ってもらったのが「サバフライ!」。これもまた絶品!!!
サバフライ以外に、ちくわの梅じそチーズ揚げもサービスしてくれました!
新鮮なサバフライに柚子を搾り、タルタルソースをつけてサクっ! ん~! 美味っ! 白いごはんと一緒に食べたくなりましたが、深夜の炭水化物は我慢です(笑)。
小型のサバを使用したのでひじょうに食べやすく、お酒のおつまみとしても絶品でした。
最近は鮮度の高さよりも「熟成」が味の決め手となっておりますが、サバに関しては「鮮度重視」。痛みやすい魚ですので手早い下処理が重要です。
また、直ぐに食べきれない場合は頭と内蔵を落とし、血合いもしっかり取って、真空パックのうえ冷凍保存しておくとイイですよ。
サバ釣りは群れさえ入ればイージーに釣ることができますが、タックルを見直すことによって釣果が更にアップします。また釣果を得ることで、暴れるサバからスムーズにハリを外せるようになるなどテクニックが上達し、いわゆる手返しがよくなります。手返しに慣れておけば、サバ釣りだけでなく他の釣りにも応用がききますよ!
また、今回はサバの塩焼きを紹介させていただきましたが、サバは、味噌煮や締めサバなど日持ちする料理のバリエーションが多いのでおススメです。
今年は新型コロナウイルスの影響により三密を防ぐアウトドアレジャーが流行し、ファミリーフィッシングのお客さんが大変増えました。サバが絶えず岸寄りしている理由の一つに、寄せエサのアミエビが常に大量に撒かれていることも考えられます。
釣りは「三密にならない」という認識で一気に流行りましたが、やはり人と人とが近くなればウイルスに感染するリスクは高くなります。屋外でもマスクを必ず着用し、ソーシャルディスタンスを保つようにお願いしますね。
レポーターREPORTER
1974年生まれ /北海道夕張市出身、札幌育ち、石狩市在住
オカッパリによる海釣りを好み、なかでも、投げ釣り、サビキ釣り、ロックフィッシュ、エギング、サーモンフィッシング、ワカサギ釣りを得意としている。ブログやSNSを通じ釣友たちとの釣行を楽しむ日々。
日本釣振興会北海道地区支部役員、小樽海上保安庁指定フィッシングセーフティーリーダーも務めている。