6月、淡路島や明石海峡筋を中心に大阪湾ではゴマサバが回遊するシーズン。小アジねらいのサビキに掛かる10cmそこそこの小型ではなくて、40~50cmの立派なサイズが釣れるとあって、毎年楽しみにしているファンも多いはず。定番の塩焼きに煮付け……、もちろんバカウマだが、やっぱりサバといえば「きずし」すなわち「しめ鯖」という人に、釣り場で仕込んで即食いOKのノウハウを伝授しよう。
鯖の生き腐れ!?
サバは足がはやい……。つまり鮮度が落ちるのが非常に早く、新鮮な魚を食べることができる釣り人といえど「生食なんてとんでもない」と思われている方が多いと思う。確かに傷むのが早く、釣った当日でも帰宅後の夕方には「すでに身が軟らかくなり割れていた」ということがあるほど。さらにアニサキスが寄生している可能性も高いということで、サバは食あたりしやすい魚の代表なのだ。こう考えると自分で釣ったサバといえど加熱調理するしか方法がなくなってしまうのだが、やっぱり、しめ鯖、食いたいなあ……。-20℃で24時間以上冷凍すればアニサキスは死滅するので、解凍後、しめ鯖にするという手もあるが、味は冷凍前にかなわないだろうなあ。
アニサキスが身に移る前に!
じゃあ、どうするか? 話は簡単。釣り上げてすぐに締めて血抜き。同時にエラ、内臓とも出してしまい急速にサバの体温を下げてやればよい。これでサバの鮮度が最大限に保てるし、問題の寄生虫アニサキスも身のほうに移動するのを防ぐことができる。アニサキスはサバが生きている間は内臓に寄生しており、身の中に入り込むのはサバが死んで鮮度が落ちてからといわれているのだ。
サバ折り!血抜き!腹出し!潮氷!
釣り上げたサバの腹側を上に向けて持ち、首根っこをボキッと折ってしまう。いわゆる「サバ折り」というやつだ。これで一気に血液が流れ出る。さらにエラを引きちぎりナイフで腹を割って内臓をすべて取り出してしまう。そして氷が入ったクーラーボックスへ!? 実はそれでは不十分。サバの体温を一気に下げるには海水を入れて「潮氷」にする必要がある。砕いた氷を多めに入れて海水をひたひたになるまで。手を入れてみて我慢できないぐらいに冷たくなっていればOK! ここに処理したサバを入れれば、さらに血が抜ける。これで万全。入れるサバの尾数にもよるが、別のクーラーに予備の氷を持参しておけば、より安心だ。