From HEAT the WEB DIRECTOR 業界人の食卓事情

これは想像だが、我が社だけでなく恐らく釣り業界の企業は、例に漏れず特殊な社内環境ではないだろうか・・・。私が入社後、まずカルチャーショックを受けたのは、社員が釣ってきた(または、会長や社長が釣ってきた)魚が、バンバン社内で配られていた光景であった!!

仕掛

そう多くない社員と、ご近所から勤めて下さっているパートさんで構成されている我が社のメンバー。ご近所のパートさんはともかく、社員の中で当然ながら多くの人間が、仕事、趣味を問わず釣りをたしなんでいる。釣りが好きな者が集まったのだから当たり前ではあるが、数えてみるとおよそ半分である50%ほどの社員が釣りを趣味としており、仕事で携わる者も含めると57%、約6割の社員が釣りに触れている。我々にとっては普通とも言える環境ではあるが、一般的に考えると普通とは言い難い。
2013年のレジャー白書によると、減少しているとは言え、釣り人口は770万人にも及ぶ。総務省による2011年の日本の人口が、1億2,779万7千人であることから考えると、釣り人口は全人口のわずか6%ほどとなる。この数字から見ても、いち企業の中の半数以上が釣りに触れているというのは、いささか特殊な環境と言える。

満タンのクーラーボックス

その様な訳で、釣りをする社員が普通より多いのであるが、社員が釣りに行くと、戻って来たときには満タンのクーラーボックスが広げられ、釣果自慢と共に、欲しい人には積極的に魚が配られるという光景が良く見られる。
ハマチやメジロと言った青物が並ぶ日もあれば、肝の美味しいカワハギや、大阪湾で人気の太刀魚、捌きやすく食べやすいとパートさんに人気のアオリイカやケンサキイカ。時には、尺近いメバルやアコウ(キジハタ)等、スーパーではあまりお目にかからないような魚まで様々で、露店の魚市場さながらの光景である。
入社当時、様々な魚を目の当たりにし、時には美味しい魚を分けて頂きながら、「これが普通って凄い・・・!?」と驚いたことを鮮明に覚えている。

ところが、その様な光景と習慣に次第に慣れていくと、魚の扱いがやや雑になってくるのが人の常。正直、魚を無理やり勧められても、「今日は食べたくないなぁ・・・」とか、「捌くのが面倒だし・・・」とか、「サイズがイマイチだから・・・」などと、贅沢を言い始める。(私自身がそうなのだが)お魚さんに大変失礼な話である。(スミマセン。。。)
そこで、ふと浮かんだのだが、「そう言えば、大してスーパーで魚を買ったことが無いが、一体いくら位するものなのだろうか?」という疑問。これだけ「釣り」と言う環境に身を置き、お魚さんに助けられておきながら、実際のところ私も周囲も、「食べたければ魚は釣るもの」くらいの認識しか無く、値段については良く分かっていない事が多い。(※中には非常に詳しい営業マンも居ます。)
そこで、少しだけネットで調べてみると、いやはや、今後お魚さん達に頭が上がらない結果でありました。。。

私が独自に調べたところによると、

魚

・アジ: 200~300円 ~ 関アジについては 4,000~5,000円
・マダイ: 2,000~3,000円/40cm 4,000~6,000円/50cm~
・メバル: 250~600円 1,000円近くするものも!
・キス: 100~190円 数がまとまると結構なお値段
・ハマチ: 2,000円 ツバス1,000円 ~ ブリ8,000~10,000円
・アコウ(キジハタ): 2,500円/700~800g 5,000~10,000円/1~1.5kg

と言った具合。(※あくまで独自の調査ですので、指標にはなり兼ねます。ご了承下さい。)
サビキでじゃんじゃん釣れるアジもしっかりとした値段だし、鯛ラバや鯛サビキで釣り上げるマダイは、やはり魚の王様たるお値段。そして、ブリやアコウは高級魚と言われるだけはある。これまで、お魚さんに大変失礼な態度をとっていたのだと、深く反省させられた次第であった。

From HEAT THE WEB DIRECTOR

日本には魚を食す文化があり、恐らく他国よりも水産資源にも恵まれ、海産物に触れる機会も多いことが想像できる。しかし残念ながら、昨今の欧米食の流入や、核家族化が進んだ結果、魚を1匹丸ごと買う機会が少なくなっているため、切り身しか見たことのない子供も大勢居る。その様な中で、我々は魚と触れ合う機会も、食す機会も多いため、非常に恵まれている反面。「慣れ」ということが、いささか悪影響を及ぼすこともあるのかも知れない。
生きものの命を大切にしながらも、その恩恵に感謝することを忘れず、「モラル」という言葉の範疇で趣味や食を楽しませて頂かないといけないのではないだろうか。。。

私が釣った新鮮な良型メバルを「刺身がイイよ!」とすすめたのに、何でもかんでも「煮付け」にした妻の実家のお母さんっ! 折角の新鮮なお魚は、刺身で身の旨さを味わってあげて下さい。お願いします。

※本文は都合により脚色を交えております。ご了承下さい。