「サクラマスジギング」
釣果を変えるジグコントロールの基本

全国的な人気のターゲットとなったオフショアの「サクラマスジギング」ですが、独特の釣り感やヒット数の少なさから、テクニカルで難しい釣りのイメージもあると思います。とくにビギナーアングラーにとっては難しい釣りかもしれません。
そこで今回は、サクラマスジギングでのジグコントロールの基本を解説してみたいと思います。

サクラマスジギングの正解は1つではない

01_ サクラマスの口に掛かったジグ

ビギナーの方がまず分からないのは、サクラマスジギング全体のイメージではないでしょうか。

ジギングといえば「青物ジギング」が一般的だと思いますが、サクラマスジギングは青物ジギングと比較すれば、釣りのテンポは遅めでジャカジャカと誘う釣りではありません。青物でも水温低下などの状況下で、速いテンポの釣りでは追いきれない場面もありますが、サクラマスジギングの全体のテンポは、青物ジギングのテンポより1~2段控えめといった感じです。
かといって、ジグの動きが緩慢でシャープなアクションがなければ、サクラマスの捕食スイッチを刺激することはできません。全体のテンポはスローでも、ジグアクションにはやはり“キレ”が求められます。

ジギング全般にいえることですが、釣れたパターンはその時点での結果であって、常にそのパターンがハマるわけではなく、いつも流動的に釣れるパターンは複数あることが普通です。サクラマスはとくにそんな傾向が強く、この釣りの難しさに拍車を掛けています。

以下では、基本的なサクラマスジギングにおける「ジグコントロールの基本」について解説してみましょう。

サクラマスジギングの「ジグコントロールの基本」

02_ サクラマス釣果

ジギングの基本は、ロッドの上げ下げやリールの巻きでのスイミングなど単純な動きですが、サクラマスジギングだからといって、特別なことはありません。多くは青物ジギングにおけるジグへの入力と変わりません。そんなアクションについて、とくに大切なポイントを解説します。

入力は強く

青物ジギングと同様に、ジグへの入力は「強くシャープに」がサクラマスジギングの基本です。
青物ジギングと違う点は、入力が強くてもジグを大きく飛ばすイメージではなく、ジグのアクションに緩急のメリハリを付けることに主眼を置くといったことです。これはサクラマスの捕食行動に、青物との違いがある結果だと考えています。

いずれにしてもジグの素早い動きは、サクラマスの捕食スイッチを入れる大切な要素だと思われます。こうしたジグへの強い入力はジグの水押しを強めて、大型のサクラマスにとくに効果的である点も見逃せません。

「上げの釣り」と「下げの釣り」

サクラマスジギングの基本は「上げの釣り」です。ロッドの上下の振り幅を1m、リール1回転の巻き取り量を1 mとして解説します。

下から(=ある深さから)ロッドを振り上げながらリールを半回転すれば、ジグは海面に向かって1.5m移動します。次のジャークに備えてロッドを下げれば、ジグは1mフォールします。最初のジグの位置から見れば最終的にジグは50cm海面に向かって移動したことになります。このように「1.5m上げ、1m下げ」といった具合に、50cmピッチの上げの釣りがサクラマスジギングの基本です。

これはあくまで基本です。というのは、サクラマスの活性によってはこうした釣りが通用しない場面もあるためです。
サクラマスも活性によって、あるいは捕食するベイトの種類によっても、こうしたアップテンポの釣りが通用しない場面があります。そうした場面ではテンポを落とし、より長くストライクゾーンにジグを留めること、より細かくレンジを刻みながら誘うことが、バイトを得るパターンとなることもあります。

03_ 釣りシーン

また、上げの釣りと同じ条件で1mロッドを上げ、リールを半回転巻きながらロッドを下げれば、ジグの移動は上げの釣りと同じく50cmとなります。しかし、50cmずつレンジを上げていく点は同じですが、こちらのジャークパターンでは、より多くレンジを刻むことができるのがメリットです。このアクションを「下げの釣り」と呼んでいます。

活性の下がった、あるいは捕食するベイトの種類によって、上げのテンポやフォールの具合を変えることも大切になってくるのです。

ジグの「止め」が基本

サクラマスジギングでジグを飛ばすのは、活性を上げてサクラマスのやる気スイッチを高める効果がある反面、ミスバイトの原因となる可能性も否定できません。

04_ サクラマス

前述した強いジグへの入力は、ジグの形状によっては大きくスライドすることになり、サクラマスの視点からすれば、予想外のジグの動きとなってミスバイトを誘発しかねないと考えます。
実際、サクラマスをロングジグでねらった釣りでは、ファールフッキングが多くなる傾向があります。

サクラマスのバイトを確実にフッキングに持ち込むには、ジャーク後のジグの動きがとても重要です。
昨今の軽い入力でもよく動きスライドするジグよりも、水に絡んで引きの重いジグの方がフッキング率が高いのは、ジャーク後の「止め」がよく効いているからだと思われます。ジグの「止め」を意識するには、状況に応じてジグを使い分けるか、使うジグの特性(アクションなど)を熟知したうえで、上手くコントロールする必要があるでしょう。

「フォール」は魚の活性を見て調整

サクラマスは、ボトムから表層までのオールレンジで活発にベイトを追います。釣りをしていると、自分の定位するレンジよりも上を意識しているときと、下を意識しているときとがあると感じられます。また、ジャーク後のジグのどの段階でバイトしてくるかによっても、魚の活性に違いが見えてきます。

05_ サクラマス2

ジグが止まった直後に間髪入れずアタックしてくる場合は高活性で、「上げ」を意識した釣りが有効です。一方、ジグが水平姿勢からややフォール姿勢へ移るタイミングでバイトが出るようなら、上げよりも「フォール」を強く意識した釣りがパターンとなります。

バイトはベイトで変わる?
サクラマス攻略の手がかり

06_ ベイト

サクラマスの食性は実に変化に富んでいます。私がこれまで確認したサクラマスが捕食していたベイトには、マイワシ、カタクチイワシ、メロウド、アジ、サバ、キュウリエソ、ホタルイカ、ツノナシオキアミ、ヨコエビなどがありました。
ベイトの種類によってサクラマスのレンジは変化し、バイトパターンも変化して、釣りそのものにも影響を与えると考えられます。

たとえば、ベイトがイワシなどの場合はジグを強く飛ばす釣りが有効であったり、ホタルイカがベイトならジグのカラーやフォールが有効、といった違いが見られます。このように、サクラマスが何を捕食しているかを手がかりに釣りのパターンを推測することも、有効な攻略法の1つといえるでしょう。

07_ サクラマス3

「サクラマスジギング」“釣れない釣り”の代名詞のような釣りです。結果がなかなか出ないことで、少ないバイトに疑心暗鬼になり、ますます釣れなくなる悪循環に陥りがちです。ルアーのアクションを目で確認できないブラインドの釣りだからこそ、メンタルの持ち方がとても重要です。
ビギナーの方は、ここまで解説してきたように、まずは青物ジギングよりもテンポを落とし、船長からアナウンスされるレンジを丁寧に探ることを心掛けてみてください。そうすれば、必ずサクラマスからの反応はあるはずです。

注意したいのは、釣ることに前のめりになるあまりレンジを速く通してしまうことです。ジグの「止め」やフォールの入れ方を意識しながら、落ち着いて釣りを組み立てていくことをおすすめします。魚体の美しさ、トリッキーなファイト、そして攻略の難しさ。サクラマスジギングは、トップクラスに奥深いゲームフィッシングですので、ぜひ挑戦してその面白さを体感してみてください。


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レポーターREPORTER

堀籠 賢志
プロフィール:堀籠 賢志
フライフィッシング、バス、シーバス、ロックフィッシュ、フラットフィッシュ、エギング、鮎釣りまで、さまざまなジャンルを釣りこなすマルチアングラー。現在はスーパーライトからヘビークラスまでジギング全般と、メタルスッテを中心としたイカ釣りに取り組む。
東北エリアの面白い釣りを発信することで、震災復興に繋げていきたいという熱い想いのもと活動中。
GOMEXUS社フィールドテスター /tamaTV社フィールドモニター /キーストン社フィールドサポーター などを務める。
ブログ:Anglershighごめのブログ