知っていれば快適!フィールド豆知識 No.29 防水対策は入念に!
大切な荷物を守って、レイニーシーズンも釣り三昧!

梅雨時期の防水対策

長年釣りをしていると当たり前のことでも、釣りを始めて間もない人にとっては「目から鱗!」「そうだったのか!」という、ちょっとしたノウハウをお届けするのがこのコーナー。釣果に直接かかわることではないけれど、アナタの釣りが快適になるかもしれない!? ほんのちょっとの工夫とアイデア。
梅雨を目前に控えた今回は、スマートフォンや財布など釣行時に濡らしてはいけないもの、濡れると困るものの防水対策。レポーターの失敗談をまじえてお届けしよう。

スマホに財布は大丈夫?
雨具ポケット内の蒸れ&結露に要注意

ある雨の日、レインウェアの内ポケットに携帯電話をしのばせて釣りを終え、釣果もそこそこで意気揚々と帰路に付き、自宅に連絡しようと電話を取り出し画面を見ると……。「えっ! なにこれ?」と目を疑った。画面が意味不明に暴走していたのだ。電源を入れ直しても症状は変わらず。まったく電話もメールも使えなくなっていた。翌日、修理のため携帯ショップに持ち込むと「水濡れによる故障」ということだった。

「水中に落としました?」
「いえ、カッパの内ポケットに入れていただけなんですけど……」
「修理できません。機種取り替えになります」

原因はレインウェア内の蒸れによるものだった。釣り中、レインウェアの内ポケットから一切出していないので外部の雨による水は遮断していたが、気温が高い梅雨時期、自分の身体から発せられた汗、水蒸気により水濡れしたというワケだ。これは意外な落とし穴。透湿素材のレインウェアだから大丈夫と思っていたのが大失敗。確かに汗の水蒸気はウェア外に排出されるが、その通過点である内ポケット内の電話で結露が起こっていたのだ。

最近のレインウェアのポケットには防水ファスナーが付いているが、やはり気を付けないといけない。完全防水のスマホは別にして、雨の日にスマホを身に付ける際は外部からの水の心配がないポケットでも、防水パックに入れるのをおすすめする。最近は100円均一ショップで格安に売られているものを重宝している。雨のなかでスマホを使用する際もパックに入れやまま画面操作ができるのでひじょうに便利だ。

01 防水パック
100円均一ショップで手に入るスマホの防水パック。取り出さなくても画面操作が可能
02 防水ファスナーポケット
防水ファスナーが付いたレインウェアのポケットでもスマホを直に入れるのは考えもの
03 防水ファスナーポケット2
外部からの水には強い防水ポケットだが身体から発せられる汗、水蒸気には意外と弱い

これはスマホに限った話ではない。たとえば財布。最近は現金を持ち歩かない人もいると思うが、免許証や保険証など大切なものは濡らしたくない。財布をレインウェアのポケットに入れ身に付ける場合も防水対策が必要。これも以前の話だが財布内のお札が全部びしょ濡れになって慌てたことも…。

それ以降、財布はジッパー付き保存袋に入れるようにしている。これも100均ショップでいろいろなサイズが売られているので、財布だけでなくハンカチやティッシュペーパーなどの防水に重宝している。

04 ジッパー付き保存袋
財布などはジッパー付き保存袋に入れておくと安心

横殴りの雨、フタの開閉時など
防水バッグでも水の侵入は不可避

釣り用のバッグ類は基本的に防水素材、防水対策が施されているものが多い。たとえばタックルバッカン。素材はEVAで上部のフタは少々の雨や波飛沫では内部に水が侵入しない造りになっている。防水ファスナー付きのバッグもある。しかし激しい豪雨、船上や磯で波を被った場合など、どうしても内部に水が侵入してしまうこともある。また雨中のバッグ開閉も心配だ。

05 タックルバッカンのフタ
タックルバッカンのフタは雨が入りにくい構造になっているが、横殴りの激しい雨は水の侵入を許してしまう

そんなリスクを回避するためにバッグ内部でも水に濡れると困るものはフリーザーバッグなどのジッパー付き袋に入れておこう。スマホ、財布はもちろん仕掛類やタオルなど、少々の水濡れから守ってくれる。

06 フリーザーバッグ(ジッパー付き保存袋)
07 タオルを保存袋に
08 仕掛類を保存袋に
仕掛類、タオルなどバッグ内でも濡れると困るものはフリーザーバッグに入れると安心
09 バッカンにタオル
バッカン内部の底にタオルを敷いておけば少々の水なら吸い取ってくれる

そんな釣り用バッグ類で最強の防水アイテムといえるのがクーラーボックスだろう。元来、内部の水を逃がさない構造なので外部からの水の侵入にもとにかく強い。激しい雨や波飛沫が予想される場合は、魚やエサを入れるものとは別に小型クーラーボックスをもう1つ。というのも大いにアリだ。

10 筏での雨中の釣り
魚やエサ、食品などを入れるクーラーボックスとは別に荷物用に小型クーラーボックスを利用するのも賢い方法だ

ただ開閉のたびフタのロックはきっちり確実に行うこと。レジャー用の安価なクーラーボックスのなかにはロックそのものが甘い場合があるので要注意。余談だが、その昔、離島の磯釣り釣行で多くの人が活用した大型の某クーラーはロック自体が甘かったため、数時間から10時間近い渡船航行中に波を被り、内部が水浸しということがよくあったものだ。

特大ナイロン袋に折り畳み傘……
備えあれば憂いなし

「快晴の天気予報だったのに……」夕立など突然の雨に見舞われることが多いのが梅雨時期から夏の季節だ。そんなときに重宝するのが特大サイズのナイロン袋だ。レポーターの場合は90Lというとくに大きい袋を利用している。これならたいていのバッグ類はすっぽり入ってしまう。これで突然雨が降り出しても安心だ。また帰路、濡れたウェア、ライフジャケット、汚れたバッカンなど濡れものを車に積み込む際にも重宝する。

11 特大サイズのナイロン袋
現場で突然の雨。緊急事態にいろいろ役立つ特大のナイロン袋。写真の90Lサイズなら濡れものを車中に積み込むときにも重宝

折り畳み傘を荷物に忍ばせておくのもいいだろう。風が強い日や船上では使いにくいが、突然の雨にときにサッと傘をさせるので安心だし、バッグ類を開閉する際も内部が雨に濡れるのを多少でも防いでくれる。

12 梅雨時期の釣り・渡船
豪雨、大雨の日は別にして、しとしと降る雨さえ気にしなければ海で川で湖で、さまざまな魚種がねらえるのが梅雨

 

とにかく「備えあれば憂いなし」をモットーに、防水対策万全でレイニーシーズンの釣りをめいっぱい楽しもう。