基本をおさえれば大丈夫!
まるわかりライトショアジギング入門
【前編】

誰でも比較的カンタンにハマチやサバといった青物から、キジハタなどのハタ類、フラットフィッシュと呼ばれるヒラメやマゴチがねらえるとあって人気の「ショアジギング」。とはいえ、いざ始めるとなると道具や釣り方が分からない。しかも、ジギングカテゴリーは何だか複雑…。

というわけで、「ヘビーなショアジギングはハードルが高いので、ライトなところから始めたい」、または「なんとなくライトショアジギングっていうのを始めたばかり」といったユーザー向けに、「ライトショアジギング」の釣り方やその他の情報を、整理してお伝えします。

1.ライトショアジギングとは?
まずは知っておこうジギングのカテゴリー

01_ 釣りシーン(手元寄り)

「ライトショアジギング」とは、大雑把に言ってしまえば「ライトなショアジギング」ということ。
堤防や地磯など「岸」からルアー(メタルジグ)をキャストして釣る釣りジャンル(総じてショアジギングと呼びます)のなかで、ヘビーなメタルジグを使用するのが「ショアジギング」。対して、より軽く扱いやすい重さのメタルジグ(=ジグ)を使用するカテゴリーを「ライトショアジギング」といいます。また、さらに軽いジグ、軽いタックルで釣るカテゴリーは「スーパーライトショアジギング」と呼ぶといった具合に、使用するジグの重さ(ウェイト)でカテゴリー分けされているなかのひとつなのです。

使用するジグの重さやタックルはそれぞれ異なり相対的なものですので、明確に「ライトショアジギングは○○gのメタルジグを使って、△△という魚を釣るジャンルなのだ!」とは言えません。しかし、あくまで目安として20~40gを中心におよそ60gまでのジグを使用し、中型~小型青物その他の魚をねらう」カテゴリーとして、近年最もポピュラーで愛好者も多い釣りと言われています。

02_ ジグの寄り

2.タックル・装備

03_ タックル(現場でのロッド・リール・ジグ等)

使用する釣り道具は他のルアーフィッシングと同様、ロッド(竿)とリール、ライン(釣り糸)は必須。そしてラインの先に結ぶルアーは、金属でできた「ジグ」と呼ばれる擬似餌(これをメタルジグといいます)にフック(ハリ)がついたもの。これだけです。ジグを岸からキャストし、魚を誘うようにさまざまなアクションをさせて釣ります。
では道具について具体的に見ていきましょう。

(1)タックル(釣り道具)

04_ ロッド

【ロッド】
8.6~10ft前後、20~40g程度のジグをキャストできるオモリ負荷のもの。
専用ロッドが当然望ましいですが、同等レベルのエギングロッドやシーバスロッドでも代用可能です。

05_ リール

【リール】
スピニングリール2500~4000番(シマノ機種)、2500~3000番(ダイワ機種)クラス
好みにもよりますが、糸フケの回収やジグの回収が素早くできるハイギアモデルがおススメです。

06_ ライン(ラインスプール)

【ライン】メインラインとリーダー
メインラインはPE1号を軸に1~1.5号を150~200m。リーダーはフロロカーボン4~6号(16~24lb)といったところです。

PEラインは単糸を撚り合わせて作られており、4本・8本・12本など撚り数が違います。撚り数が多ければ真円に近く、強度も増しますが、お財布事情とねらうターゲットによって好みのものを選んでください。また、リーダーの長さは1~3mと、これまた根ズレの心配やその他のことを考慮して決めるといいでしょう。

07_ メタルジグ(3種パッケージオンパレ)

【メタルジグ】
ジグの重さは、20~40gを軸に60gまでを使用します。
形状や特性はさまざまで、「ただ巻き」でシンプルに使用するものから、激しくトリッキーな動きを演出する「アピール重視」のもの、アクションさせた後にナチュラルだったり、スローに見せて食わせる「フォール重視」のものまで各種あります。使用用途に合わせて選んでみてください。

また、ジグとリーダーを結ぶ際は間にスプリットリングを挟むことをおススメします。直結してしまうと、ジグ本来の動きをだせなかったり、魚の歯によってラインブレイクが多発することが多いからです。結び目とジグとの間にほんのわずかでも距離を持たせることにより、さまざまなトラブルを回避できます。
そのうえジグ交換時はラインを切る必要がなく、ジグのみ交換できるので、時間短縮のメリットもあります。

【タックルセッティング参考】

  • ロッド:  8.6~10ft前後 /20~40g程度のジグを投げれる
  • リール:  スピニング2500~4000番(シマノ機種)、2500~3000番(ダイワ機種)クラス
  • ライン:  PE1号を軸に1~1.5号を150~200m
  • リーダー: フロロカーボン4~6号(16~24lb)
  • ジグ:   20~40gを軸に60gまで
参考タックル図
参考タックル図

 

(2)釣りに必要な装備

08_ プライヤー(スプリットリングプライヤー)

【プライヤー】
ライトショアジギングに限らず、釣りで重宝するアイテムとしてプライヤーがあります。釣りあげた後に、力の強い青物の口の中やアゴ、エラなどに掛かっているフックを安全に外すには必須のアイテムです。

また、ジギングではジグとラインを結ぶ際に「スプリットリング」を使用することも多いのは先ほど述べた通り。スプリットリングプライヤーを携帯しておくと、ジグ交換に手間取らず、手返しよく釣り続けることができます。(スプリットリングプライヤーで通常のプライヤーとしての使い方も可能です)

09_ タモ
出典:写真AC

【タモ】
魚を掛け足元に寄せてきたら、無事に岸に引き上げる(=取り込む)必要があります。抜きあげれそうなサイズの魚だったり、堤防が低く安全であれば問題ありませんが、無理に取り込もうとすれば、直前のところで魚をバラしてしまったり、ロッドの破損や、ジグのフックでケガをすることにもつながります。

タモを用意しておくことで安全に、しかも、海面までの高さや足場の良し悪しに関係なく、確実に取り込むことが可能です。

10_ フィッシュグリップ

【フィッシュグリップ】
魚を釣りあげた後、魚を持ち上げたりフックを外したりと、慌ただしく作業をしなくてはなりません。そのためには、できるだけ安全に魚をコントロールする必要があります。
フィッシュグリップを魚の口に掛けておけば、下手に魚が暴れる心配もなく、しかも手を汚さずに作業ができるのでスマートです。

11a_ ライジャケ

【ライフジャケット】
釣りは「趣味・遊び」ですが、安全対策は必要です。万が一に備えてライフジャケットを必ず着用するようにしてください。

堤防では動きやすく軽量な「膨張式タイプ」を、地磯では落水時の岩との接触や擦れに強い「固型式タイプ」の使用がおススメです。膨張式タイプには手動式と自動式がありますので、重量やお財布事情に合わせて選択しましょう。また、固型式タイプはキャスティングやシャクリといった動作を損ねない、ご自身のサイズに合ったものを試着して選ぶようにしてください。

11b_ ライジャケ
磯場では安全のため、接触や擦れに強い固型式タイプがおススメ

 

【その他】
その他、ライトショアジギングにあると便利なアイテムを列挙させていただきます。

12_ その他アイテムのオンパレ
  • ●ラインカッター: 釣りではラインを結ぶ際に必須
  • ●ターボライター: 
    ライトといえど青物を相手にファイトする釣りなので、「FGノット」などの結束強度の強いノットで結びたいところ。ターボライターはノットを組む際の焼きコブ(=PEラインの末端処理)を作るのに便利です。
  • ●ストリンガー: 
    ハマチやサゴシなど、中型青物のストックや血抜きに便利です。バケツのようにかさばらないため、荷物の多いショアジギングには持っておきたいアイテムです。
  • ●偏光サングラス: 
    海面の様子やラインの動きが見やすくなるだけでなく、目を保護する目的もあります
  • ●キャップ(≒帽子): 
    日射病や熱中症予防だけでなく、サングラス同様に頭部を保護する目的もあります
  • ●グローブ: 長時間のシャクリでも手のひらを傷めず、保護する役目を果たします