NEW PRODUCT TALK 無双真鯛フリースライドシリーズに
タイラバの新しいスタンダード2タイプが登場!

無双真鯛フリースライドシリーズに タイラバの新しいスタンダード2タイプが登場!

鯛をネットですくう

みなさんは「タイラバ」という釣りをご存知だろうか?
平たくいうと、オモリとラバーでできた仕掛(=ルアー)を使用してタイ(=真鯛)を狙う釣り方だ。もとは漁師道具から発展したもので、今はルアーフィッシングの1ジャンルとなっている釣り方。
今やルアーフィッシングのなかでも人気は高いが、一般に広まってからの歴史は比較的浅い。まだまだ発展の余地がある釣りといえよう。

ニューラインナップ
基本に立ち返ったタイラバヘッド2タイプ

鯛持ち

そんなタイラバのなかでもいち早く遊動式を取り入れた、ハヤブサのタイラバシリーズ『無双真鯛フリースライド』に、新商品「Straight Fall(ストレートフォール)ヘッド」と「Wobbling Fall(ウォブリングフォール)ヘッド」が登場したのだ。果たして、今なぜ新アイテムを発売したのか、それぞれの特長を商品開発課・市橋氏に聞いてみた。

「今までにも、無双真鯛フリースライドシリーズはさまざまなヘッド形状がありました。使ううえでさまざまな状況があり、それに合わせた形状を追求し、多くのバリエーションが増えたわけです。そして、どんどん進化するタイラバ市場のなかで、より現代のタイラバ理論に合わせた物が必要になってきたんです」と、市橋さんは語る。

新世代スタンダード
無双真鯛フリースライド Straight Fall ヘッド

SFヘッド
SFヘッドP564
 SFヘッドSE172

パッケージにある「SF」とはStraight Fall(ストレートフォール)の略だ。(以下:SF)
今までにも潮斬鯛玉やVSヘッドといったベーシックと呼べるものはあったが、より現代のタイラバ戦略に合わせたスタンダードを目指したのが当モデル。
落ちるときは、極力無駄な動きが出ず素早く底取りができる。巻き上げ時も動き抑えめで、さらにトラブルを排除しストレスのない使用感を追求した形状なのだそうだ。

そして、速いフォールの秘密は上下ではなく前後で重さを変えていること。
タイラバは後方のラバーに水の抵抗を受けるので、前を下にした姿勢でフォールしようとする。そのため、重心を極端に前方に寄せることで沈む際の姿勢を安定させ、スムーズにフォールさせるとのことだ。

「特に潮の速いときなど、闇雲に重いヘッドに変えなくとも、バランスと形状で速いフォールが可能です。アタリに集中するうえで、1ランク軽いヘッドの方が巻き心地も軽くてアタリも取りやすくなります」と、市橋さんは言う。

フラッシングとゆらゆらフォール
無双真鯛フリースライド Wobbling Fall ヘッド

WFヘッド
WFヘッドP566

パッケージにある「WF」とはWobbling Fall(ウォブリングフォール)の略だ。(以下:WF)
こちらは完全にフォールでアピールすることに特化したモデル。
「SLヘッドやDNヘッドのように横引きで水を受けて動く形状のものはありましたが、今回のWFヘッドは特にバーチカル(垂直)のフォールでゆらゆら揺れてアピールするように設計しています」と、市橋さん。
ちなみに理想の動きを出すために、かなりの回数の形状テストを繰り返し、苦労が多かったモデルなのだとか。

重量バランスはSFのように前後ではなく下面に重心がある。沈む際には下面が水を受け、上側のラインホール(ラインが通っているところ)を支点に下側が左右に振られゆらゆら揺れて落ちていく。水の抵抗を受けて動く分、SFに比べるとフォールスピードは遅くなるが、フラッシングを見せてアピールするためのモデルなのだ。

 
しかし、筆者の感覚ではタイラバというと巻いているときに食ってくるイメージだ。沈むときにアピールすることに、果たして効果があるのだろうか?
疑問をぶつけてみた。

市橋さん曰く、「実は、フォール中にもかなり魚はアタってきているんですが、気付かないアタリが意外と多いんですよ。その意味で、フォール中のアピールは有効だと思いますよ」とのこと。
フリーフォールで落とすときには特にロッドにアタリが出ないので見過ごしがちだが、テンションフォールだとラインの放出が止まるのでわかるのだとか。

なるほど…。しかし新たな疑問もわく。
遊動式だとヘッドとラバー・フック部分が離れるので、仮にヘッドのフラッシングに魚が気付いてもラバーを食わせられるのだろうか? さらに、聞いてみる…。

「その点に関しても、遊動式だからといってヘッドとラバーがどんどん離れていくわけではないという認識なんです」と、市橋さん。
ヘッドは沈んでいって、ラバー部分は水の抵抗でヘッドから離れる。しかしロッドに繋がった道糸の抵抗で、ヘッドとラバー部分の距離はつり合うところがあるのだそうだ。つまり、一定の間隔ヘッドからラバーが離れるが、一定以上は離れずバランスがとれたまま、長い距離を落としてもその間隔がどんどん広がるわけではない、ということ。また、1度底に着いたあと少し巻いて再度落とす場合には、ヘッドとラバーが近い距離で落ちていく。
「フラッシングするヘッドが通過した直後にラバーが通過するので、十分にラバー部分にバイトしてきます」と、市橋さんは語る。

つまり、メタルジグとサビキの組み合わせであるジグサビキに似た話となるが、フラッシングするパーツで寄せて食わせのパーツ(フック)に食いつかせるという感覚である。

「SF」ヘッドと「WF」ヘッド どう使い分ける?

ネットでランディングした後の鯛

では、今回の2種類のヘッドをどう使い分ければいいのだろう。

SFは着底までのフォールがスムーズゆえに、タイの活性がいいときは、手返しがよく効率よく釣れます。逆に魚の活性が低く、追いが悪い(=遅い)と感じるときはWFに替えるといいでしょう」と市橋さん。
タイは朝夕や潮の変わり目などのタイミングで、一日のうちにどんどん活性が変わるので、SFで反応が悪い状況なら、すかさずWFにローテーション。そうすることで反応のない時間をより少なくできるはず、とのことだ。

ちなみに、SFヘッドにはSFコンプリートモデルというラバーとフックをセットにした仕様がラインナップされている。まずこちらをベースに、ヘッドだけWFヘッドに切り替えたり、別タイプのラバーに変更したりと、攻めのバリエーションを広げていくのも手だ。

そして、次にヘッドカラーについても伺ってみた。
今回、SFヘッドWFヘッド共通のカラーとしてベーシックな5色がラインナップされている。

「1番と2番は赤とオレンジの超ド定番カラーなので、まず様子をみる意味で最初に使用していただければと思います。3番のチャートに関しては、潮に濁りがあるときに魚からの視認性を上げるということもあるんですが、緑系の色を偏食することがあるので赤、オレンジに反応が悪いときに選んでいただくといいでしょう。4番と5番は反射の光でより遠くにアピールするカラーなので、釣れるには釣れるがアタリが散発的で魚が散っていると感じるときに、よりアピールを強めるために使ってください」とのこと。

「でも、周りの人の釣果を見ながら釣れているカラーに合わせるのもアリですよ」と市橋さんは付け加える。色を変えれば、明確に反応が変わるということはよくある話。カラーローテーションは大事であると同時に、状況をみながら柔軟に行うのがよいということだろう。

バーストシュリンプ
#1 バーストシュリンプ
サンライズオレンジ
#2 サンライズオレンジ
トリプルチャートフラッシュ
#3 トリプルチャートフラッシュ
UVRレッドゴールド
#4 UVRレッドゴールド
UVRグリーンゴールド
#5 UVRグリーンゴールド

アピールの質にこだわったタイラバのアクセント
無双真鯛フリースライド ワーム

石の上にワームがのっている

そして、フリースライドの新商品はヘッドだけではない。
今回、フックに付けるだけでアピールの質を変えられるトレーラーワーム、「ライブリーカーリー」と「ライブリーピンテール」の2種類が登場した。こちらについても、お話を聞いてみた。

市橋さん曰く、「一言でいうと、カーリーはアピール強め、ピンテールはアピールが弱めといった位置づけです」。
今回のワームは、従来のラバーと一緒にセットする細長いタイプとは違いコンパクトなシルエットで、基本的にフックにチョン掛けして使うように考えられているとのこと。誰でもかんたんにセットしたり、交換できる使いやすさが重視されたアイテムだ。

では。個々の特長を解説してもらおう。

水をかき回す強波動
ライブリーカーリー

ライブリーカーリー

通常、カーリーのワームは規則的に動くのだが、こちらの商品はテールにスリットを入れることにより、規則的な動きのなかにイレギュラーな動きが混じるという、ちょっと変わった味付けがなされている。また、スリット部分をカットすると2本の細いカーリーテールにもなる。使い手次第でいろいろ試すことができる自由度の高いワームだ。

「活性が高くて何でもアタってくる状況では、カーリーを使用しアピールを強くすることで、さらに魚を寄せられます」と市橋さん。

2本のピンテールが適度に水と絡む
ライブリーピンテール

ライブリーピンテール

こちらは、カーリーと違いアピール控えめ。
もちろん、トレーラーを付けない状態よりは、2本のピンテールが適度に水と絡み微妙な波動を発生させるため、プラスアピールとなる。マイクロベイトと呼ばれるような小さいエサを偏食しているときには、強すぎないアピールがいいことがあるので、カーリーで反応がないときはこちらに替えて試して欲しいとのこと。

ワームで何を変えるのか?
ワームがもたらす効果

釣れた鯛

次に、トレーラーワーム2種類の共通の話として、使い方に関して伺ってみた。

市橋さん曰く、チョン掛けする部分が夜光またはケイムラになっており、バイトマーカーの役割を果たすそう。つまり、光って目立つ部分に魚が食いつけば、まさにそこにフックがあるということだ。アタリがあっても、なかなかのらないときはトレーラーワームをセットすることで、攻めの一手が増えるというわけだ。

また、カーリーもピンテールも共通に横に出たフィンがある。これはワームが暴れ過ぎないように制御するため。そして、左右に3本ずつ出た足も微妙な波動を生み出すとのこと。
ちなみに、見ためのデザインは基本的に「魚」や「エビ」など特定のエサのイメージにならないようにデザインしたのだそうだ。タイがどんなエサを捕食しているときでも、イメージに惑わされることなく使っていただきたいという考えからだという。

最近では、ワームをフックに付けることが一般的になっているが、ただ付けるのではなく必要に応じた組み合わせでアピールを変えることが重要となる。タイの活性や、食べているエサに合わせてアピールを調整する必要があるのだ。
2本のアシストフック両方に付けてもいいし、カーリーとピンテールをフック1本ずつに付けてミックスするのも面白い。変化を付けたいとき、アピールをプラスしたいときに適宜加えることで、アピールの選択肢を広げてくれると、市橋さんは語ってくれた。

 
 
今回、すでに完成されたかにみえる無双真鯛フリースライドシリーズを、新たなタイラバ理論に合わせて再構築していく作業は、市橋さんにとって責任重大で大きなプレッシャーを背負っての開発だったという。苦労の末、全く新しい無双真鯛フリースライドシリーズが動き出したのである。

最後に市橋さんは、「早くから遊動式のタイラバを手掛けてきたハヤブサだからできる、最新のタイラバ理論に合わせた展開。より使いやすい、さらなる商品を考えていますので、今後も無双真鯛フリースライドシリーズにご期待ください!」と、自信をもって締めくくってくれた。

『無双真鯛フリースライド』シリーズから、これからも目が離せないぞ。