From HEAT the WEB DIRECTOR 街中からのアクセス抜群!
都会のオアシス淡路島で、観光も釣りも満喫できる
グラマラスなフィッシングホテルに行ってみた!!

淡路島観光ホテル_text-photo岳原雅浩

私が兵庫県に移り住んだ18年ほど前、すでに巨大な建造物として、堂々たる姿を見せてくれていた「明石海峡大橋」。橋をオートバイで走ってみると、まるで空を飛んでいるかのような錯覚を起こしてしまうほどの高さ。風にあおられながらも、できるだけ道路の真ん中を走ろうと、無意識に肩に力が入ってしまい、少々肝が冷えたのを覚えている。

明石海峡大橋

その昔は、淡路島に渡ろうと思えば、「たこフェリー(明石淡路フェリー)に乗って、明石市街から淡路島を行き来していたそうだ。たこフェリーは、観光だけでなく生活の足、交通の要として大いに活躍していたそう。釣りで淡路島に渡ることを考えると、波に揺られて釣りパラダイスを目指す船旅。さぞワクワクしたのではないかと想像が膨らむ。しかし時代の流れとともに、燃料費の負担や自動車道の通行料の影響から、残念ながら現在は廃線となってしまったため、船旅という素敵なフィッシングトリップを経験できず、チョット寂しいところだ。

(代わりに、現在は高速船「淡路ジェノバライン」が就航しています)

とはいえ、便利な明石海峡大橋を利用して、仕事でもプライベートでも訪れることが多い淡路島。釣りであれば渡ってすぐの岩屋や東浦から津名、洲本などの東海岸だけでなく、やや砂地が多いイメージの西海岸、福良や土生(はぶ)といった南の鳴門側まで、ぐるっと一周釣り天国! しかし最近では、観光業にもずいぶんと力を入れられているようで、家族サービスにもうってつけの観光スポットが目白押しの淡路島。

淡路SAハイウェイオアシス
淡路島SAの観覧車と明石海峡大橋の夜景はとっても綺麗
玉ねぎ
淡路といえば名産はやはり玉ねぎ!
釣り天国
島の周りはぐるっと一周釣り天国!
四季折々の花
四季折々の花が多いのも見どころの一つだ

そんな都会のオアシス淡路島にあって、私が以前からお邪魔したいと思っていた場所が…。そう、釣り人にやさしいという、あの噂のホテルだ。今回縁あって、私スタッフDが家族サービスを兼ねて利用させていただいた噂のホテルを、少しだけご紹介したい。

まずは有名観光スポットを見に行こう!

うずしおクルーズ帆船

お出かけ当日。ホテルのチェックインまで時間があるため、観光らしい観光をしようとまず訪れたのは「道の駅 福良」。子どもに迫力満点の「鳴門の渦潮」を見せようと、福良港から出船している「うずしおクルーズ」に乗り込んでみた。
いかにも観光用の遊覧船らしく、帆船を模したスタイルのカッコいい姿。言葉数は多くないが、普段乗ったことのない船に、子どもの顔つきから興味津々といった表情が伺える。天気もよく、港から出船すると潮風はやや肌寒かったくらいだが、ポイントに到着するまでの15分ほどはとても心地よかった。

鳴門の渦潮

大鳴門橋に近づくと、瀬戸内海からの潮の流れと太平洋側からの潮の流れがぶつかり、遠めに見てもわかるほど大きく波がうねっている。たまたま訪れた日は、大潮終わりの中潮とあって、なかなかの潮位差。遊覧船が巻き込まれるのではないかというくらいの激しい流れと、大きな渦が渦巻くダイナミックな様子を間近に楽しむことができ、家族全員大満足!! 瀬戸内と太平洋の間の海を、淡路島がうまくふさぐことで海峡ができ、その複雑な地形がゆえに時間差の干満が発生し起こる渦潮。世界でも類を見ないレアな現象を堪能できる、まさに贅沢な観光スポットだ。

大鳴門橋と渦潮
激流を渡る遊覧船
潮流がぶつかり合い激しい鳴門海峡。遊覧船が波に飲み込まれてしまいそうで迫力満点だ!

いよいよお目当ての「釣り人にやさしい」と噂のホテルへ

(少々前置きが長くなってしまったが…)鳴門の渦潮を堪能した後は、いよいよお目当てのお宿へ。福良港から北東へ走ること30分強。温泉で有名な洲本市街を目指した。市街に入ると、洲本城跡を横目に大浜海水浴場を過ぎ、海岸線を走るとほどなくして海側に見えてくるホテル。そう、今回のお目当ては、日本一のフィッシングホテルをうたう「淡路島観光ホテル」だ。

淡路島観光ホテル

淡路島観光ホテルは、以前から、釣りができるお宿ということで、私の心をくすぐっていた。全国広しといえども、老舗宿でありながら、ホテルの敷地から釣りが楽しめる施設はなかなか見当たらない。釣りができて、食事やお風呂が楽しめて、しかも泊まれる! ということは、夜遅くまで釣りをしてもしんどくない! やや不純な動機のように思われるかもしれないが、これが行ってみたかった理由だ。

車を駐車し、フロントのスタッフに予約の旨を伝えると、わざわざロビーラウンジの窓際のソファーに案内してくださった。すぐさま目に飛び込んできたのは、大阪・和歌山方面の海が一望できる雄大な大パノラマ。そして眼下には綺麗に整備されたシーサイドプールと、プライベート釣り場で楽しそうに竿を出す宿泊客の姿だった。チェックインの受付以前にすでにテンションが上がってしまう光景。子どもよりも先に窓に張りつき、まじまじと外の景色を眺めてしまった。

眼下のシーサイドプールと釣り場
ロビーや部屋から見下ろすと釣り場は目の前
釣り魚図鑑
ロビーには釣り好きや子どもにやさしい心配りが

チェックインの際も、親切丁寧にホテルスタッフがいろいろと解説してくださる。釣り施設の利用方法も当然ながら、淡路の名産や近くの観光案内まで幅広い。なにやら、淡路島は「吹き戻し」の産地でもあるそうだ。吹くと舌を伸ばすように巻いた紙が伸びる昔ながらの玩具。ちょうど子ども向けに手作り体験もさせてくれるとのことで、わが家にもうってつけだ。みなさん知ってましたか?

お部屋のキーも淡路島

そんなこんなでチェックインを済ませ、本日のお部屋に案内していただいた。釣り人にとって宿泊施設は「ただ寝るだけ!?」かもしれないが、今回は家族での利用。ゆっくりと過ごせるかどうかが気になるところ…。エレベーターを降り、扉を開けて案内された部屋に足を踏み入れてみると、なんとっ! わが家族が今晩お世話になるお部屋は、ロビーと同じく東向きのオーシャンビュー!! 老舗らしく落ち着いた和室と、窓一面に広がる景色を独り占めできるとは、なんとも贅沢な話。早朝に天気がよければ、昇ってくる朝日を存分に眺めることができるそう。いや~明日の朝は早起きして、ぜひとも朝日を拝んでみたいものだ。のっけから期待が高まり過ぎて、すでに満足して旅が終わってしまいそうだった(笑)。

行ってみましょう!! プライベート釣り場へ

プライベート釣り場

さてさて、お部屋にも満足させていただいたところで、早速だがプライベート釣り場へと向かう。夕食まで時間があるので、のんびりと家族で釣りを楽しませていただこうと出発だ。
ロビーを抜けて階段を降り、大浴場の脇を通ると釣り場に到着。釣り場にはとても素敵なシーサイドプールとシーサイドバーがあり、受付で延べ竿を貸していただけた。施設では4.5m、3.6m、2.7mの3種類の延べ竿を無料で借りることができる。しかも、ライフジャケットも無料。オキアミやアミエビのレンガなどのエサはロビーにある売店で購入することができるので、聞いていた通りほぼ手ぶらで釣りが楽しめるというわけだ。綺麗なロケーションと整った設備で釣りが楽しめるなんて、普段から大荷物を抱えて腰痛に苦しみながら釣りをしている私にとっては、ありがたい限り。その上、釣り初心者には現場にいる釣り場スタッフが丁寧にアドバイスをくれるなど、至れり尽くせりだ。

シーサイドバー
受付
釣り場にあるシーサイドバーに受付が。貸し竿やライフジャケットが無料で借りれる
エサのオキアミとアミエビ
エサはオキアミやアミエビなど、各種売店で購入できるので心配なし
釣り場のルール看板
釣り場は当然マナーを守って、事故やケガがないように楽しもう!

 

平松伸章プロ

この日、小さな子供がいるわが家のお世話をしてくださったのは、なんと、ハヤブサフィールドスタッフでもある平松伸章プロ!! エギング黎明期から「日中エギングの火付け役」として、エギング界を盛り上げてくださった釣りのエキスパートだ! 実は平松プロは、数年前からここ淡路島観光ホテルの常駐スタッフなのである。そんな平松プロから釣りを教わるなんて、うちの子どもはなんて贅沢なんだ…と、少々申し訳ない気持ちを抱きつつ、足元を泳ぐスズメダイやベラ、クジメなどを狙って竿を出す。

平松プロに釣りを教わる

玉ウキとオモリ、マスバリがセットされたシンプルな延べ竿に、エサとなるオキアミやアミエビをハリにぶら下げて、ほとんどサイトフィッシング(魚が食いつく様を見ながらの釣り)状態で狙ってみる。平松プロにアドバイスをもらいつつ一生懸命に竿をにぎり、何度もエサを付け替えて魚信を待つわが子。

水面下の小魚たち
写真中央のウキの下に、たくさん魚がいるの見えますか?

エサをついばむような小さなアタリはあるものの、この日は魚の食いがやや渋いらしく、まして、集中力があまり続かない子どもが竿を出しているせいで、残念ながら、魚を釣り上げることはできなかった…。それでも夕食までの時間、子どもにとっては十分に楽しめたようで、わが家の「ほのぼの海釣り体験」は見事達成できた。