From HEAT the WEB DIRECTOR あれは、まさかの・・・!!

夏に気合を入れて行った鯛ラバ取材が、いつもより早い台風の影響で、残念ながら貧果に終わってしまった苦い思い出を払拭すべく、改めて同じエリア、同じ船宿さんでの再取材を決行した10月某日。

列車

釣りの取材と言えば、「魚がたくさん並んだ写真を掲載することが必須」と言うのは過去の話で、今や必ずしも魚を(たくさん)釣ることでは無く、時に「厳しくリアルな海の状況をお届けすること」も求められるようになってきた…。などと、頭の中では言い訳めいたことを考えつつも、やはり、「魚が釣れて楽しい!」「魚が釣れたからこそ説得力のある誌面」という、釣り取材の使命に、キリキリと胃が痛むようなプレッシャーを感じながら、現場までの道中をモヤモヤと列車に揺られていた。

取材の現場において、これまで長く担当させていただく中で、「釣れないこと」「現場まで行って船が出れないこと」「船は出たが壁のような大波にただ耐えるだけ」と言った経験や、「ただただ寒い・・・」「長時間の現場がまる2日続き、くたばる・・・」「磯から落ちそうになる」「現場からの帰り、睡魔に耐えきれずプロスタッフに運転を代わってもらうm(x x)m」などなど、過酷が故の出来事も多く経験してきた。

夕日

今回の取材前夜も、一度ネガティブに考えてしまったがために、何度も目が覚め、どうしても負の連鎖から抜け出ることが出来ないまま、当日の朝を迎えてしまった…。

当日朝、現場で媒体のライターさんと待ち合わせをし、いざ出船。まだ陽も明けやらぬ暗闇の中、船は沖へと進んで行く。
次第に辺りが白み始め、気持ちを切り替えるつもりで冷静に周りを見渡すと、前回よりも数倍穏やかで広い海と、朝焼けに輝く水平線がやけに神々しく、今回の取材がまるで成功へと導かれているように思えた。ようやく、ここに来て「ホッ」と落ち着きを取り戻すことが出来た瞬間だった。

私の不安をよそに、プロスタッフの朝日に照らされた表情は、自信とやる気に満ちている。恐らく私同様、もしくはもっと強くプレッシャーと不安を感じているであろうが、そういった内面は微塵も見せず、竿先を見つめ、時には状況判断のため周囲に注意を払いながら、真剣に釣りを展開していた。
同行した社員やライターさんも同様ではあったが、決して重苦しい空気では無く、訪れるであろう魚信を捉えようと、適度な緊張感とリラックスした雰囲気で朝の時間を過ごしていた。

釣りシーン

そんな折り、釣りをしながら周囲を見渡していたプロスタッフが、「あれ何ですかね~。飛行機ですかね~?」と何かに気付いた様子。私も含めその場に居た全員が、岸の方へ顔を上げ、荒々しくむき出しの地肌を抱く断崖絶壁の上空を飛行する、ある物体に気がついた。

火球

「やけに緑色に光ってますね~」とか、「花火ですかね?」「いや、朝っぱらから花火は上げないでしょう。しかも地面と並行に飛んでるし。」と、見たままの印象や推測を口々に語っていると、程なくして、飛行物体の後ろから、音は何も聞こえないものの「パチパチっ!」といった感じの、何かが燃えて出るような火花を散らしながら飛んでいく。「隕石かな?」と思ったその後、唐突に「スッ」と光は消えてしまったのだ。
プロスタッフが気がついてから10秒、いや7~8秒程度か。時間は分からないが会話が出来るほど比較的長い時間の出来事の後、皆が唖然と見つめる先には既に何もない…。目撃後、ようやく今目の前で起こった出来事の不可思議さに「未確認飛行物体【U.F.O】だっ!!」と驚いた!

釣り上げた魚

船長の無線には、そばで船を出していた船長仲間さんより「今の見たかっ?」と無線連絡が入り、バッチリ目撃した我々は、口々に今の状況を事細かに解説。「花火のように明るい緑色だった」だとか、「音も無く火花を散らしてたよっ」とか、釣りそっちのけでひとしきり盛り上がった。
飛行物体が消えた先の台地では、特に煙が上がるといった事も無く、元の穏やかな状態のまま。結局何かは分からないまま、「とりあえず良いもん見ましたね~」と次第に釣りへと気持ちを戻して行った。
私がこれまで取材で経験してきたものとは“質”が違う今回の出来事に大変驚いたが、その後、一気に場が和んだ船中は会話も弾み、そして、プロスタッフはキッチリと待望の魚を釣り上げ、U.F.Oのお陰(?)か無事にリベンジ取材は終了したのであった。

取材が上手くいき皆と別れた後、行きと同様列車に揺られ、安心して帰路についた私は、行きの不安もU.F.Oのこともすっかりと忘れ、泥の様に眠ったまま神戸へと帰って行った…。
自宅に帰り着き、夜のニュース番組を見ながら、さっさと出張の片付けをしていたところ、点けていたTV画面から驚きのニュースが聞こえてきた。

TVニュース画面

「今日、新潟県と秋田県で謎の飛行物体が目撃され、地元の方が撮影した映像が届きました・・・。」(だいたいこんな感じの内容) 「えっっっ!」と思いTVに一瞬にして釘付け。空を飛んでいる丸く光る物体の映像がTV画面に映し出され、引き続きアナウンサーが「この目撃された光は『火球』ではないかと専門家は語っています・・・云々」という報道がされていた。
「『火球』 かきゅう?」。そう言えば、1・2週間前にTVのミステリー番組で、「千葉県の銚子沖で『火球』と思われる未確認飛行物体が頻繁に目撃されている」という内容を見たばかりだった。ニュースで流れていた新潟県と秋田県、TV番組でやっていた千葉県、今日私が取材で訪れたのも千葉県…。まさかの偶然と貴重な体験に、自宅で改めて興奮してしまったのは言うまでもない。
ちなみに『火球』とは、「流星の中でも特に明るく、飛行速度もゆるやかなもの」だそうで、その明るさから日中でも目撃することが出来るそうな。(詳しくはインターネット検索してみて下さい)

船釣り

長く担当をしていると、不思議な出来事もあるものだと、話のネタになる今回の経験に感謝しつつその後を過ごしているのだが、この日をさかいにプライベートでも、これまで出会ったことが無い人物に遭遇している…。
家族で地方の有名動物園を訪れた際、芸人の「○すだおかだ」の岡○圭右さんを目撃したり、またまた家族で地元の子供向け施設を訪れた際、大食いフードファイターのジャイアント○田さんを目撃したりした。これまでほとんど有名人に出会ったことの無い私は、立て続けに遭遇する未体験に、「あの時のU.F.Oのご利益か?(笑)」と、これから起こる(かもしれない)未知との遭遇に胸を躍らせるのであった…。

※本文は都合により脚色を交えております。ご了承下さい。