「極めろ!仕掛道」第6回 釣り場で楽々!簡単かつスピーディーな結び方

 

魚がどんどん釣れる時合いの到来。「さあチャンス! じゃんじゃん釣るぞ!」と意気込んだ途端に仕掛が切れたり絡んだりのトラブル発生。「ああ、早くしないと魚がどこか行っちゃう!」と焦りに焦った結果、普段なら何ていうことない結びに何度も失敗して大幅にタイムロス。貴重な時合いを逃してしまった……という経験、お持ちじゃないですか?
ということで今回の「極めろ!仕掛道」は釣り場で簡単に素早くできる強度もそこそこの結び方を動画で紹介しよう。
ただし結びに強度を最優先するなら時間をかけ一般的な結び方で。また、ここでは使用する道糸やハリスをナイロン、フロロカーボン素材に限定した話であることを付け加えておく。表面が非常に滑りやすいPEラインを使う場合には不向きなのでご注意を。

1. 8の字結びでチチワを作る

まず、どんな釣りにも使えて基本になる8の字結び。まさか、いちいち糸で「8の字の形を作ってから端糸を通している」なんてことしていないだろうか?
それでは時間がかかって仕方ないし、手元が暗い夜釣りではなおさら。そこで紹介させていただくのが指に糸を引っ掛けて1回だけクリンと回して端糸を引き抜く方法。せっかくなので、この方法でチチワを作ってみよう。まずは下の動画を見ていただきたい。

8の字チチワFAST

めちゃ速くて簡単。結び目もきっちり8の字になっている。慣れればもっと速く結べるし、目をつぶっていてもできるまで練習すれば夜釣りでもライトいらず。
では、ステップごとにポーズを入れ、ゆっくり結んだ次の動画で手順を確認してほしい。

8の字チチワSLOW

まず糸を二つ折りにする。慣れないうちは長め(数cm~10cm程度)にしておくと作業が楽だ。
二重になった糸の途中を親指と人差し指でしっかりつまみ、同じ手の中指に手前から1回巻くように引っ掛ける。糸がクロスした部分を反対の手の指でしっかりつまみ、糸を巻き付けた中指をクリンと1回転。と同時に人差し指を中指の隣に差し込む。
そして中指と人差し指でループ部分を挟んで引き抜き両側から引き絞れば完成。極小のチチワを作るのは難しいが慣れればある程度小さいチチワも作れる。まずは大きめのチチワで練習しよう。

2. 糸と糸(8の字結びの応用)

ナイロン糸同士、フロロカーボン糸同士、ナイロン糸とフロロカーボン糸をつなぐ場合で、もっともポピュラーなのは「電車結び」だろう。
これよりも、もう少し手間をかけるなら「ブラッドノット」と呼ばれる方法も一般的だ。
しかし慣れていないと失敗することも多いし、真冬にかじかんだ指先での作業は思いの外、時間がかかってしまうという人もいるだろう。そこで見た目は悪いが強度はまずまずの、簡単でめちゃ速い糸と糸の結び方があるのだ。2本の糸を束ねて8の字結びをしてしまう方法。これは何を隠そう、その昔、鬼掛フィールドスタッフの小里哲也さんから教わった結び方なのである。
小里さんは、この方法でナイロン道糸とフロロのハリスを結んでフカセ釣り。良型のグレやチヌをバンバン釣り上げているのだから、見た目ほど弱い結び方ではないといえる。

束ねて8の字結び

この動画の手順、どこかで見たような?そう「8の字チチワ」とまったく同じ。糸が輪になっているか、なっていないかだけの違いなのだ。
結び目を引き締め、カットする端糸は少し長めに残しておくのが強度を殺さないコツ。あまりギリギリでカットすると結び目が抜けてしまうので注意。手を放すと両方の糸が「く」の字になるが、実際に釣る上では問題なし。釣っているうちに「く」の字は伸びてくる。しかし、これでは何か不安……という人は次の動画!

強度が心配な場合はこれ

手順的にはほとんど同じだが、違うのは人差し指を2回転させるところ。8の字のもう一段上、ダブル8の字?とでも表現するのがよいかは疑問だが、これで強度が幾分アップされるはず。
ただし結び目は大きくなり、より不細工。磯竿などの小さいガイドは通りにくくなるのでご用心。

3. 糸とサルカン(クリンチノット)

サルカン結びでポピュラーなのがクリンチノット。手順としてはサルカンの環に糸を通して本線に端糸を巻き付け根元部分に通して締めるだけ。しかし、いちいち端糸を持ち替えて巻き付けるのは時間がかかってしまう。そこで見てほしいのが次の動画だ。

素早いクリンチノット

サルカンの環に糸を通したら本線と端糸の間に人差し指と中指を挟む。反対の手は2本の糸をしっかり持っておく。端糸は長めにしておくのが作業をスムーズに行うコツ。
そして人差し指と中指をグリングリンと回転させ2本の糸を撚ってしまう。これで本線に端糸を巻き付けたのと同じ状態になる。巻き付け回数は10回前後で大丈夫だが、表面が滑りやすい加工を施されている糸では十数回転させておくほうが安全だ。
回転が終わったら人差し指と中指で(動画のように親指も突っ込んでしまうのもあり)端糸をつまんで引き抜いてしまう。あとは端糸が抜けないように持って本線をゆっくり締め上げ、端糸をカットすればクリンチノット完成。この結び方も慣れれば目視しなくてもできるようになる。
また、クリントノットは締めた結び目に爪を立て、ゆっくりしごけば結び目を簡単に解くことができるので、覚えておくと便利だ。

4. 糸とハリ(漁師結び)

ハリ結びでもっともポピュラーなのは外掛け本結びだろう。
なかには内掛け結びをする人もいるかもしれない。いずれにしても端糸をハリの軸に1回1回持ち替えて数回巻き付ける結び方だ。したがって作業の特性上、端糸は長めにしておく必要がある。巻き付ける回数にもよるが、そこそこ時間もかかるし巻きムラができて強度が得られない場合もある。そこで覚えておくと便利なのが漁師結びだ。
ネット上にも多くの漁師結びの図解がアップされているが意外と難しいし時間がかかってしまう。ところが、その漁師結びが簡単にできてしまう手順が次の動画だ。

スピーディー漁師結び

端糸をカットするまでなら、ワン、ツー、スリー……と、わずか5ステップ。手と指の動きを頭で考えなくてもできるようになれば、絶対最速ハリ結び。これじゃ、よく解らない?
ごもっとも。次の動画でゆっくりやってみた。

漁師結び手順

ハリは下向き。ハリ軸の下にハリスを沿わせる。長さはハリのフトコロから少しだけ出るぐらいでよい(というより、長くするとかえって作業がやりづらい)。
ハリ軸と沿わせたハリスを反対の手の親指と人差し指でしっかり固定。すぐさま本線をハリ側の中指の先に上から1回巻き付けてクロスする部分をつまんで中指から抜き、半回転(動画参照)させてからハリ軸に掛け中指で抜けないように耳を押さえて本線を引き締める。
続いて今度は下側から薬指に本線を掛けクロス部分をつまんで指を抜き、最初とは逆方向に半回転させてから耳を押さえていた中指を離してハリ軸に掛けて再び中指で押さえながら本線を引き締める。このとき結び目がハリの耳、ギリギリの位置にあることが望ましい。ここまでできたら結び目が解けないようハリの耳の部分を反対の手でしっかりつまんで、ハリス本線を同じ手の薬指と小指の間に挟んで手前に見えるように。そのハリス本線を反対の手で引き出したら動画のように半回転させて輪を作る。その輪の中にある指先でハリと端糸部分をつまみ、空いた指で最初の結び目が抜けないようハリの耳に当てる。そして本線を引き、結び目を締め上げるのだ。
最後の結び目は最初の結び目よりフトコロ側(耳の反対側)にあること。当然のことながらハリス本線はハリの内側に出ているのが鉄則。端糸は多少長めに残してカットする。

ただし、この漁師結びは本来、軟らかい組み糸などを結ぶ方法なので硬くて弾力がある糸には向いていない。というのは単純な構造のためフロロなど弾力がある糸は結び目が緩みやすくなるからだ。号数も太いほど弾力があるためフロロカーボンハリスなら1.5号以下がオススメだ。それ以上太いと結びが抜けたりハリスの出る向きが回転してしまうことが多くなる。
フロロより柔軟なナイロンならもう少し太くても大丈夫だと思うが……。

しかし1号以下の細いハリスには抜群の強度を発揮する。繊細なフカセ派はぜひとも活用してほしい。極細糸を使う渓流釣りにも向いていると思う。慣れれば抜群に速い!
細糸ならとにかく強い!のが漁師結びだ。