HOT & COOL TOPIC ~風ニモマケズ、冬の釣りのススメ~

暖冬と言えど冬は冬…

気付けば1月、ついに2016年に突入し、すでに初釣りも済ませ、いつも通り海や川に通っている方も多いかもしれませんね。1月~2月というのは、釣りに限らず、季節の流れの中では厳冬期であり、釣りやアウトドアといったアクティビティには少々気合が必要な時ですね。
今年は暖冬と言われていますが、夏には延々とアタリがあった場所でも、真冬は数回しか魚からの反応はないかも知れません。しかしそこで喰わせた時の醍醐味や1匹の重みは、言葉では説明しがたい程の価値がありますね。そもそも、皆さんの冬の釣りってどんなイメージなんでしょう?改めて、釣り人と魚の目線から見る冬とは何なのでしょうか。

夜釣り

魚も人間と同じ生き物

魚イメージ

私たち人間が気温の変化に対応し、食べるものを選んだり厚着をするように、水の中に暮らす魚たちにももちろん生活のリズムが変化します。しかし変温動物である魚は、人間と違って周りの温度の変化に従い代謝が変化します。簡単に説明すると、人間は寒くても動けますが、魚は水温が下がると動けなくなるのです。水温が下がり代謝が弱まれば、当然エサもほとんど食べなくなります。

人間は寒くても代謝できるため、むしろからだを温めるために食事をしますが、低水温が苦手な魚はまるで冬眠する様に底でじっとしていたりするのです。

鯉イメージ

例えば一言で海といっても、その水温は場所によってかなり幅があります。黒潮の影響を受ける場所では水温は下がりにくく、逆に潮の影響を受けにくい内海などは、気温の変化の影響を受けやすいため、地上の季節の進行を追従するように水温が下がっていく場所もあります。
そしてやっと春の気配を感じつつ海辺に立っても、今度は雪解け水が川から流れ込むため、河口付近や流入河川の多い湾内の水温はまだまだ冷たいことも多いのです。

魚を飼ったことのある釣り人なら、このあたりを実際に肌で感じて経験している人も多いでしょう。
池の鯉も夏ほど餌を食べませんし、肉食魚の場合でも餌の量を減らすなどして魚の健康を維持します。より自然に近いプロポーションを保ちながら長生きをさせるためのコツは、意外にも釣りに役立つのかもしれません。さて、ではどう冬を釣っていきましょう。

冬の釣りの基本

釣り場イメージ

1. 水温の高い場所を探す
これは淡水・海水に限らず、ほぼ全ての釣り場で言えることでしょう。温排水であったり温泉の湧き出る場所、止水で日光により水温が温められやすい場所などを探します。一見何もなさそうな場所でも、小魚や水鳥の生命感のある場所は、水温も高かったりすることが多いです。そしてそんな場所には当然、餌を求めたり越冬している魚たちが多く、比較的活発なため釣りやすいのです。

防寒グローブ

2. 風は大敵
風が吹き続ければ当然水温も下がりますし、まず釣り人側にとっても非常に厳しくなります。冬はこの季節風が強まるのも特徴。防寒はもちろんのこと、海辺なら高波などの危険もありますので、釣りに行くこと自体もしっかり検討しましょう。
もしも釣りをするのなら、基本的には風裏を探していきましょう。風表で小魚が流れてくるんじゃないか?というパターンは真冬に関しては期待薄です。

3. 実績のあるポイントを釣る
ただでさえ魚からの反応が薄いこの季節は、これまで冬でも釣れたことのある場所で、信じて釣り続けるのも良い釣りをする近道です。そのため、これまでのデータの蓄積や、情報収集も大切になってきます。毎年冬でも釣れる=必ず理由があります。たとえ釣れない日があったとしても、何かしら情報を持ち帰ることを忘れずに。魚はそこに居る!と信じて釣らねば、釣れるものも釣れません。

4. 深場をしっかり
気温の変化や風による水温変化を受けにくい場所はズバリ深場です。これも淡水・海水両方に言えることでしょう。ちょっとした水路でも、若干の深さのある場所で、大量に小ブナやタナゴの群れに遭遇することも少なくありません。海でも冬だからこそ、普段以上に丁寧に、神経を集中して深場を釣ることが釣果に繋がる例が多いのです。

ブラックバス

5. 喰わせ方を考える
例えばブラックバスならフィネス、エサ釣りならハリスを普段よりも細くして、より魚が口を使う状況に持っていきます。また、普段とは違う釣り方や餌を試すのも良いでしょう。細い糸はより繊細に釣ることが出来て、暖かい季節に比べて多少の大物も低水温だとあまり暴れずに釣ることが出来ます。そういう意味では、考えや腕を磨くいい季節なのかもしれません。

6. 大物を狙う
きっとどれだけ寒くても、気づけば次にどこに釣りに行くのか考えてしまう人も多いはず。しかし出れば大きいのも冬の釣りです。低水温でも動ける魚は、大きな魚であったりコンディションが良いものです。逆説的な考えではありますが、⑤に対して、冬は一回の捕食で効率よく栄養を取りたがっているのも事実。普段は試さない大きなルアーや、意外な釣り方に挑戦するのも「大物釣り」の醍醐味。

どうでしょう?釣れる気がしてきませんか?
今回は具体的な魚種については触れていませんが、皆さん釣りたい魚は決まっているはず。しっかりと防寒対策をして釣り場へ出かけましょう。これらをヒントに、いつもとは違った “冬” を釣ってもらいたいですね。