CLOSE UP "SPECIALIST" 伊豫部 健

夢見たアメリカンドリーム

伊豫部健プロフィール

遂にB.A.S.S バスマスターエリート昇格を果たした伊豫部プロ。いつ頃からアメリカを意識し始めたのだろうか?

もともとアメリカに興味を持ったのは高校生の時です。当時学校が終わると、まずは毎日の様に本屋に行き、アメリカから輸入されていた本を読んでいました。そのまんまBLACK BASSだったかな?単純な名前で。そこにヘドンやマンズ等、往年のルアー達を咥えて、思いっきりエラを開いてジャンプするバスの姿に引き込まれました。
ほぼ全てがカラーで、鮮やかなリリーパッドの写真があったり、まるで夢の詰まった図鑑みたいな本でした。とにかく全てがカッコよかったんです。そして当時若き日のリック・クランがバスマスターの盾を持っている姿なんかも目にする様になり、そういう世界(アメリカのトーナメント)もあるんだなぁと。段々とバスプロになりたいという思いが芽生えてきましたね。そこからバスプロを目指して高校を中退して、NBCのジュニアトーナメントやJBを戦いました。
それから3年ぐらいして、リュックサックひとつで、思い切ってアメリカに1ヶ月半行ったんです。22歳の時でした。そこでアメリカで試合に出るにはもっとしっかりと準備しなければいけないと、目標も明確になりましたね。そこから日本で約7年間、プロとして準備をして、改めてアメリカへの挑戦をリスタートしたのが30才の時。いや、リスタートではなく、それがスタートなのかもしれません。
日本のバス釣りはオカッパリの需要がメインなので、取材などを含めて基本的にはオカッパリをみっちりやって、ガイドは琵琶湖や長良川をボートで釣るというスタイルをキープしながら、アメリカのバスボートを使う感覚を養いましたね。

伊豫部健

本場アメリカのバスフィッシングと日本のバス釣りとの大きな違いは何でしょうか?

先ず圧倒的に違うのは国土の大きさ、ひとつひとつのレイク(湖)におけるキャパシティの違いですね。例えば日本では、バスに辿り着くまでは割とイージーなのですが、狭いフィールドが故にプレッシャーが高く、バスに喰わせるのが難しい。だから日本人選手の多くは喰わす能力には長けてるんですよ。逆にアメリカ人選手は、魚を探す能力に長けていると思うんです。僕個人の感覚としては、アメリカの方が魚が釣れるな?とも思うのですが、バスが居るところにはいて、居ないところにはいないというのがはっきりしてますね。なので決定的に違うのはバスを探すことが先ず非常に大事になるアメリカに対して、そこに居るべき魚に対してどう口を使わせるかが重要な日本。探す釣りなのか喰わす釣りなのか、といった感じでしょうか。もちろんタックルも変わってきますし、アメリカの釣りは速いんです。僕の釣りのスタイルも年々速くなってきていますね。限られた時間内で広大なフィールドから魚を見つけなければなりませんから。良く言えば速い釣り、悪く言えば雑(笑)だけどそこが苦悩でもあり、探求する面白みでもありますね。テンポの速い釣りをしていても、雑にならない様に丁寧さを心掛けてバランスをとる。それが難しい。

アメリカでの生活と釣りを始めて、一番苦労しているのは?

やっぱり英語ですかね(笑)語学学校なども行っていないので。コミュニケーション能力だけで生きている人間なので、そこはもうノリです。伝えようとする気力だけはあるので、本当に伝えたい、理解したいという時は、知っている単語や身振り手振りでどうにかしてきました。今も努力しています。22歳の頃に始めてアメリカに行った時は英語が全くダメでしたが、29歳から6シーズン戦った今は、当時に比べたらだいぶ成長は出来たのかなと(笑)よく心配される食生活などに関しては、割と僕はアメリカの食事が好きなので全く問題ですね。

ハヤブサとの挑戦と成長

ハヤブサの挑戦と成長

現在いくつか、ハヤブサ製品の開発にも関わっているとのことですが?

そうですね。お互い良い意味で発展途上だと思っています。例えばこんなフックをハヤブサで作れたら凄く進化するのになぁとか、そういったアイデアがたくさんありますね。
今あるラインナップでも十分良いモノがたくさんありますが、共にアメリカで戦っていくには、まだ一緒に開発をしていける余地があると思っています。僕にとっては共に歩んで、共に探求するパートナーの様な感じです。今もアメリカに幾つかプロトタイプを持ち込んでは、帰国した時に開発にフィードバックをしたりしていまして、それはフックの強度や焼きであったり、フックポイントの強化や加工、ゲイプ幅などであったり様々です。まさに今も探求の途中と言うか、共に歩んでるという感覚。今後も続々と面白いモノが出来上がってくると思いますよ。
自分のテストさせてもらっている商品が早く完成しないかなと、僕自身楽しみにしています。

伊豫部 健にとってのバスフィッシング

伊豫部 健のとってのバスフィッシング

初めてバス釣りを始めたのはいつ?そのきっかけは?

中学生の頃の友人の、近くの池でバスが釣れるよという一言ですわ。もともと釣り自体はお父さんに連れていってもらい、幼少の頃からハゼやメバルなどは釣っていましたが、小さい魚ばかりでした。しかしその友人の話だと、近くの池でルアーっていうのを投げていれば、毎回30cm〜40cmの魚が釣れると聞いて舞い上がりましたね(笑)そしてその友人のお兄ちゃんが釣りをする人で、ある日こっそり学校にルアーを持ってきてくれたんです。
早速海釣り用の竿にルアーを結び、言われるがままに投げたらガツンときた。それで一気にハマっちゃいましたね。それから高校生の時にアメリカのバスフィッシングと出会い、野池ガイドや自身のプランドの立ち上げなども経て、22歳の時に始めてアメリカへ行ったんです。

今バスフィッシングをしている子供達やアングラーにメッセージを頂けますか?

釣りに限らず、目の前のことを思いっきり楽しんで欲しいなと思います。折角バス釣りと出会ってそれを楽しんでいるのなら、そのまま楽しみ続けられたら一番素敵だと思うんです。
僕自身自分に言い聞かせていることのひとつが「釣りを習慣づけないこと」。僕は今釣りが仕事なのですが、それでも釣りをしなきゃと思いながら釣りをしない様にしています。朝起きで、ご飯を食べて、「あ、釣り行きたいな」って思う純粋な気持ちを大事にしなきゃなと日頃から思ってるんです。特に子供達には思いっきり楽しいことをしろ!と言いたいですね。僕もまだまだこの先、歳をとってもそういう気持ちで生きていきたいなと思っています。